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3月31日放送の「ボクらの時代」(フジテレビ系)は秋田つながりで、俳優・柳葉敏郎、タレント・佐々木希、歌手・藤あや子が出演しました。美人の産地として名高い秋田らしく、あと3年で還暦をむかえる藤あや子センセイ(以下、アヤコ)は相変わらずお肌ぴっかぴか、妖艶な美しさでした。
アヤコと言えば、私が一方的に忘れられない出来事があります。
あれは私がやたら髪が多く、もっさりとした女子大生だった頃。当時、私は震えながら(掲載されているものが買えなかったから)「CanCam」(小学館)を読んでいたのですが、そこで忘れえぬ特集記事に出会ったのです。
「彼女のいる彼を振り向かせる方法」といった感じの特集だったのですが、そこに“有識者”としてコメントしていたのが、アヤコだったのです。売れているタレントやライターでなく、なぜアヤコかというと、アヤコの“実績”が買われたからだと思います。
秋田県出身のアヤコは地元で民謡の歌手をしていました。20歳の頃に結婚と出産、離婚もしていたそうですが、歌謡コンテストで演歌の大御所、猪俣公章センセイに見いだされ、デビューすることになります。
お子さんがいるということもあり、用があるときだけ東京で歌うというスタイルだったそうですが、きびしーい芸能界、そんな片手間営業で売れるわけもなく。アヤコのご両親のはげましもあり、お子さんをご両親に預けて、本格的に再デビューを果たします。
徐々に売れてきたアヤコですが、この頃、レコード会社勤務の既婚男性と不倫をしていたそうです。スターになるのに、スキャンダルはご法度。別れたいアヤコと別れたくないオトコ。別れ話はこじれ、男性はアヤコの部屋で首を吊ってしまったのでした。
「交際相手が自殺してしまった」という事実は、「オトコを死に追いやったオンナ」と見ることができるでしょうが、角度を変えれば「家庭という帰る場所があるにも関わらず、死ぬほど別れたくない、それだけ魅力的なオンナ」と見ることもできるはず。アヤコはスキャンダルを活かして、後者の路線で売り出すようにしたようです。だからこそ、「CanCam」もオファーをかけたのでしょう。
特集は、彼女のいる男子を好きになってしまった(カラダの関係はあり)女子たちの悩みや苦しみ(彼女とは別れると言っているけれど、別れてくれないなど)に対して、アヤコがお答えする形をとっているのですが、アヤコの回答が味も素気もないのが、印象的でした。
・ともかく笑顔
・絶対に愚痴を言わない
・フレッシュでいないと、負ける
の繰り返しなのです。
特に当時の私が衝撃を受けたのは、「絶対に愚痴を言わない」なのでした。おまえのせいで苦しんでいるのだから、なぜ愚痴を我慢しなければならないのだと思ったのでした。
それから、長い時が流れ、現在に至るわけですが、アヤコの回答は正しいと思えるようになってきたのです。
愚痴を言うことは、確かに美しい行為ではありませんが、親密さの証と見ることもできると思います。だって、よく知らない人や職場の上司、または社会経験のない子どもに愚痴を言う人はいないでしょうから。ということは、愚痴を言わないということは、相手を信頼していない、一人前とみなしていないという意味で、相手に期待していない、あきらめている、もしくは見放していると見ることができるのではないでしょうか。愚痴を言わない人のほうが、薄情と言えるのです。
仮にアヤコが相手に期待していないから、愚痴を言わないとのだとしたら、なぜそうなるのでしょうか。それはアヤコにとって、一番大切なのは歌(仕事)だからだと思うのです。
私は芸能人にまつわるコラムを書いている関係で、彼らの来歴を調べることがあるのですが、売れている人で苦労していない人はいません。オーディションも一回で合格する人は稀です。松田聖子もオーディションの一次落ちを経験していますし、「スター誕生!」(日本テレビ系)を史上最高得点で合格した中森明菜も、予選は4回落ち、テレビの本選も3回落ちるという挫折を経験しています。
デビューしたからといって、すぐに人気者になるケースはごく稀で、それなりの下積みを経験しています。工藤静香もおニャン子前にセブンティーンクラブでデビューしていますが、売れなくて解散した過去があります。息の長い演歌の世界となると、下積みも長いようです。アヤコと同じく、美人演歌歌手として知られる伍代夏子も三回名前を変えて曲を出しています。アヤコはお子さんがいますから、地元で子育てをしながら、人気の民謡歌手をして生きていく道もあったはずです。にも拘わらず、東京に出てきたのは、歌>その他のこと だからではないでしょうか。
薄情なオンナにオトコが溺れていくワケは……次ページ
仕事以外のことは、どうでもいいというのは芸能人の宿命もしくは病気なのかもしれませんが、一般人の場合も、仕事と健康があれば、生きていくのに支障はありません。
仕事と健康があるのなんて当たり前!と思う人は、これまで順調な人生を送ってきた人だと思います。私はどちらもない経験をしていますし(書籍デビューして、2冊目が出るまで9年かかっています)、片方を失うともう片方もなくなってしまうという悪循環に陥るのは、よくある話です。
芸能人は芸能界に入る段階でもかなりの倍率をくぐり抜けていますが、その先、売れるかどうかは博打、もしくは投資に似ています。誰が売れても売れなくても不思議はないのです。
投資と言えば、投資は余裕資金でやるべしと言う教えを聞いたことがあるでしょうか。投資に失敗はつきものですし、ムキになると冷静な判断ができなくなって失敗し、生活できなくなってしまうこともあるでしょうが、これはパートナー選びも同じではないでしょうか。いてもいなくても困らない状態でしたほうが、冷静に相手を選べると思うのです。つまり、恋愛も婚活も道楽です。
アヤコの人生に話を戻しましょう。不倫相手に自殺されるという大きな十字架を背負わされてしまったアヤコですが、そこでつぶれるようでは魔性とは言えません。ヒット曲を連発し、NHK紅白歌合戦の常連になります。舞台で共演した八歳年下の俳優・木村一八(伝説の漫才師・横山やすしの息子にして、飯島直子の元カレ)と交際します。
木村はどハマりして、結婚まで考えたようですが、木村が警察のお世話になる案件があり破局。それ以来、浮いた話は聞きませんでしたが、2年前に結婚を発表。相手は親子ほど年齢の離れた30代前半の一般人男性だそうです。仕事もプライベートも現役バリバリです。
アヤコの色香は天性のものですが、一般人の私たちも「今の自分で満足」「その他のことはあってもなくてもよし」と言えるか。それが現役であり続ける一つの要素な気がします。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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