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新築一戸建てが買える費用で、 中古住宅をリノベーションしたのはなぜ?

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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新築一戸建てが買える費用で、 中古住宅をリノベーションしたのはなぜ?

築33年の一戸建てを買い、リノベーションをしたAさん。購入費700万円とリノベーション費用1600万円を合計すると2300万円。札幌市内なら土地付きの一戸建てが新築で手に入る価格だ。「どうして新築にしなかったの?」と、友人たちからも不思議がられたというAさんに、中古購入&リノベーションを選んだ理由を聞いた。

●PROFILE
名前:Aさん(会社員)
家族構成:夫(37歳)+妻(37歳)+長女(10歳)+次女(4歳)
年収:400万円台

●物件データ
物件種別:一戸建て
所在地:北海道札幌市北区篠路
築年数:33年
敷地面積:213.84㎡(64.6坪)
延床面積:98.95㎡(29.9坪)
購入費用:700万円
リノベーション費用:1600万円(外構費除く)
デザイン・施工:スロウル

●間取図

間取図before

【図1】間取図before


間取図after

【図2】間取図after

自分たちが暮らしたい空間は新築では実現できない

家探しを始めた当初は、注文住宅の建築会社に見積もりを出してもらったというAさん。ところが、自分たちの希望を満たす家は予算を400万~500万円オーバーしていた。
「内装材やデザインなどに妥協をすれば予算内におさめることは可能でしたし、建売住宅にも予算内のものはありました。でも、自分たちが暮らす家なのに希望がかなえられないなら、建てる必要はないんじゃないかって思ったんです」

しかし、家は欲しい。Aさんは、中古を買ってリノベーションすることを思いつき、「リノベーション」「リフォーム」などで検索。施工事例のデザインが自分たちの好みに合っていたスロウルにデザインと施工を依頼することにした。見学会に参加し、どの家にも施主のこだわりが反映されている点にも魅力を感じたそうだ。

購入前に状態を確認できる中古の安心感

現場見学会に何度も参加してイメージを膨らませながら、中古物件探しを行い、見つけたのは築33年の三角屋根の家だった。

「購入の契約をする前に、スロウルさんにインスペクション(住宅診断)をしてもらったんです。床下や基礎、屋根裏を見てもらった結果、基礎はしっかりしていて、土台もそれほど傷んでいないことが分かり、安心して購入できました。築年数の古さを不安に思う人もいるかもしれませんが、基礎がどうなっているかなど、住宅の状態を確認することができるという点で、中古はむしろ安心なのではないでしょうか」

新築一戸建てが買える費用で、 中古住宅をリノベーションしたのはなぜ?

【画像1】(Before)購入したのは30~40年前に北海道で多く建てられた三角屋根の木造住宅(画像提供:スロウル)

新築一戸建てが買える費用で、 中古住宅をリノベーションしたのはなぜ?

【画像2】(Before)1階は北向きにキッチンのあるLDKと和室が2部屋。2階には洋室が2室あった。リノベーションでは、間取りを大胆に変更(画像提供:スロウル)

リノベーションだからこそ、希望を満たす家が手に入った

もともと、自分で家を手直しすることや、他ではあまり見られない個性的な材料を使うことが好きだった、というAさん。設計を依頼した会社には住まいへの希望をすべて伝え、照明器具や室内のドアなどを雑貨店やネットショップで探すなど、インテリアにもこだわった。

「いちばんかなえたかったのは、土間をつくり、薪ストーブを置くこと。そして、木製の窓サッシです」

土間は玄関からリビングへ抜ける位置に通した。幅の広い木製サッシは、リビングの掃き出し窓だけでなく、通りからは見えない小さな窓にも採用している。
ほかにも、壁材にはゴツゴツとした質感が気に入ったホタテしっくい、造り付けの棚には古材を使用するなど、すべてにAさんのこだわりが反映されている。

「この家を買ってリノベーションをするのに、新築の一戸建てが買えるくらいの費用はかかっています。でも、新築ではここまでの希望をかなえることはできなかったでしょう。リノベーションに1600万円をかけたというと、高いと驚く友人もいますが、私はむしろ、この金額でこの家が手に入るのなら安いと感じます」

新築一戸建てが買える費用で、 中古住宅をリノベーションしたのはなぜ?

【画像3】(After)木の質感を大切にしたLDK。玄関ドアを開けるとコンクリートブロックの間仕切りだけの開放的な空間にした。この冬は、土間に置いた薪ストーブ1台で家中をあたためた(画像提供:スロウル)

新築一戸建てが買える費用で、 中古住宅をリノベーションしたのはなぜ?

【画像4】(After)タイル仕上げの洗面台。Aさんが探した絵画用の額縁にはめこんだ鏡が個性的だ(画像提供:スロウル)

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【画像5】工事が終わり、入居したのは2013年1月。「間仕切りの少ない家はのびのびと暮らせます」とAさんファミリー(画像提供:スロウル)

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【画像6】(After)壁は吹き付け塗装。「ほんとうは左官仕上げの塗り壁にしたかったのですが、予算の関係であきらめました。外壁は数年後にでも変更できるので、まずは優先順位の高い窓や内装にお金をかけたんです」(画像提供:スロウル)

どっしりとした厚みを感じる2×4(ツーバイフォー)材を使った床、北海道の木を使った窓枠、自分たちのセンスで選び抜いた照明器具や室内ドアなどのインテリア。細部までこだわり、気に入ったもので満たしたAさんの家。今回の取材で、家そのものが印象的だったのはもちろんだが、強く心に残ったのは「私たちの家」について語るときのAさんファミリーの幸せそうな表情だ。「好みの家を建てるには、予算が足りない」と分かったときに、あきらめず、妥協せずに、リノベーションという方法を探し当てたからこそ、満足のいく暮らしを実現できたのだろう。

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この記事のライター

SUUMO

『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。

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