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美術家の「自宅兼アトリエ」が素敵すぎる!自ら描いた図面は”ダンジョン”のよう!? アンティークと植物を愛でる家 maisさん

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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美術家が建てた、秘密基地のようなアトリエ兼住まい。神社の緑と夕焼けを楽しみ、光と風を感じる暮らし

楕円の窓が象徴的なガレージと住居、その横にはツタとハゴロモジャスミンに覆われたアトリエ。ここは、滋賀県在住の美術家、mais(マイス)さんの住まいです。絵画制作を軸に、神社仏閣の天井画や襖絵、屏風絵などを手がけるmaisさんは、家をひとつの作品として捉え、自ら設計にも携わりました。光と風が満ちる空間に古いものや植物を取り入れ、そこに宿る物語の続きを紡ぐかのように暮らす、個性あふれる住まいを訪ねました。

夢で導かれた土地に、自ら図面を描いて家を建築

maisさんが現在の家を建てたのは、17年ほど前。お子さんが小学校に入る前に、アトリエをつくれる広い場所を求めて、土地を探しました。
「ほかにも土地の候補はあったのですが、この場所が夢に出てきて、直感で決めました」

コンセプトは、「機能性よりもモチベーションが上がる家」。maisさん自ら図面を描いて建築会社に持ち込んだものの、そのアイデアを実現できる相手になかなか出会えず、5年ほど探し続けた末、ようやくmaisさんの思いを楽しんで理解してくれる建築家に巡り合えたといいます。

間取りは「○LDK」という概念では言い表せませんが、あえて当てはめていうなら、3LDKにアトリエ、ガレージ、床下収納を備えた住まい。2人のお子さんはそれぞれ県外に進学しているため、現在は夫婦2人で暮らしています。

間取り図

(YouTube『SUUMO住まいの買う売るちゃんねる』より)

間取り図

(YouTube『SUUMO住まいの買う売るちゃんねる』より)

間取り図

(YouTube『SUUMO住まいの買う売るちゃんねる』より)

■住宅情報

住まい一戸建てエリア滋賀県間取り3LDK+アトリエ、ガレージ、床下収納面積敷地面積約254平米、延床面積約181平米世帯構成夫、妻(子ども2人は県外在住)高さのある窓を2階に設けた、空に近い家

外観

「とにかく空が近い家にしたかった」と話すmaisさん。外から眺めると、2階に大きく設けられた窓が印象的です。
「目の前が神社なので、その風景も借景にしようと、このような形の窓になりました」

mais(マイス)さん

玄関

黒色と鉄を基調とした外観は、一見無骨な印象ですが、古い建具を多用したことで、どこか温かみも感じられます。
玄関ドアは、古い蔵の扉を入り口のサイズに加工してもらったもの。「重厚感とインパクトのある玄関にしたいと建築家に伝えたら、このような形にしてくれました。すごくお気に入りです」と話します。

迷路みたいな玄関の先に、非日常の世界が広がる

玄関

玄関を入ると、まず目を引くのが長い廊下です。サイドにベンチを置き、正面には中庭へとつながるブルーの扉を配置。奥行きがありながら単調にならず、自然と先に進みたくなります。

玄関ホール

突き当たりを曲がった先の玄関ホールも、雰囲気があります。シューズクロークを隠すために設けた、丸みのあるR加工の壁がやわらかな印象。漆喰は自分たちで塗ったそうです。
「迷路みたいに長い玄関にしたくて、少し複雑な形にしてもらいました」

光と風が満ち、夕陽を望むLDK。古いものを慈しみ、物語の続きを紡ぎたい

開放的なリビング

階段を上がると、2階には開放的なリビングが広がります。maisさんが「暮らしのモチベーションを最も優先した」という、生活の中心となる場所。気候のよい季節には窓を開け放し、あふれる光と風を感じて暮らしています。

開放的なリビング

この空間には、古いものや植物がたくさん置かれています。
「アンティークのものにこだわりがあるというより、そこに宿る物語の第二章を見たいのかもしれません。『買いました、必要なくなりました、終わり』ではなくて」

たとえばダイニングテーブルやキッチンの食器棚は、祖母の家で使われていたもの。
「かつてここに家族が集まっていた音や景色を、ここでまた生かしたい、お話の続きをつくりたいんだと思います」

ガネーシャ像

物の置き方や選び方は、直感で決めているそう。ここに置くために探しに行くというより、旅先のお土産屋さんや、ふらりと入った骨董屋さんで出会ったものなどが、空間に心地よくなじんでいます。なかには、制作の思いに共感した作家さんの作品も。

人の顔や手をモチーフにした、アーティスト・今村能章(いまむら よしあき)さんの陶器作品

人の顔や手をモチーフにした、アーティスト・今村能章(いまむら よしあき)さんの陶器作品

「いろいろな国の暮らしの色が好きなんです」
海外にいることが多い両親が持ち帰ってくれたものも含め、さまざまな土地や時代のものがmaisさんの感性と共鳴し、住まいを彩っています。

観葉植物

「置き方のルールはないのですが、家の中に緑があることがとても好きで。しいて言えば、植木鉢を黒く塗ることが、なんとなく空間をまとめてくれているのかなと思います」

夕焼け

さらに、大きな窓からは、比叡山に沈む美しい夕焼けを望むことができます。設計の段階で「夕陽が好き」とは伝えていたものの、ここまで見事な景色が眺められるとは思ってもみなかった、とmaisさん。「あのときの直感は正解だったなと思います」

もともとこの場所にあったかのように、アンティークがなじむキッチン

キッチン

キッチンは、家を建てる前からこの形にしたいと決めていたそう。ひときわ目を引くのは、アンティークテーブルを活用したシンクです。
「アンティークテーブルを探してきて、シンクをはめてもらったとてもシンプルなものですが、使いやすいです」

キッチン

直火が好きというmaisさんは、ガスコンロとオーブンも使い込まれたものを譲り受けて使用。
「家全体がそうなのですが、このキッチンも、もともとここにあったかのような存在感のあるものを採用しています」
趣のあるタイルの壁の奥には、パントリーをレイアウトして収納を充実させています。

LDKから続く2つの階段。それぞれに寝室と子ども部屋が

LDKから続く階段

寝室

(YouTube『SUUMO住まいの買う売るちゃんねる』より)

キッチン横の階段を上った2.5階は寝室。枕元に細い窓があり、そこに月が来ると、やさしく見守られている感じがするといいます。

白鷺

リビングと同様、寝室にも高さの連続する窓があって、そこから向かいの神社の借景が楽しめるのも気に入っている点。
「明け方に、神社の木から白鷺が飛び立つ景色が見えるのがとても好きです」

階段に続くガラス扉

子ども部屋に降りる階段

ダイニングテーブルの先のガラス扉を開けると、その奥にも階段が現れます。階段下の1.5階には、子ども部屋が2つ。今は帰省したときにしか使わないので、物置状態なのだそう。
「上がったり下がったり、ダンジョンみたいな構造にしたかったんです」とmaisさん。実際に家を訪れた人はよく迷子になるそうで、こうした複雑な動線もこの家のおもしろさ。住まいの随所に、探検心をくすぐるような仕掛けがちりばめられています。

ジャスミンが絡まるアトリエで、作品づくりに没頭

アトリエ

ツタとハゴロモジャスミンに覆われた建物は、maisさんのアトリエ。
「いつか緑に埋まるようにしたくて。壁は友人に手伝ってもらって、自分たちで塗りました」
壁の植物は、新築祝いとして友人が植えてくれたもの。春になるとジャスミンが満開になり、アトリエの中まで甘い香りが漂います。

郵便受け

古い郵便受けは、家づくりをともに楽しんでくれた建築家が集めていたものです。
「郵便物がアトリエに直接落ちるようになっていて、少し入れにくいみたいなんです。郵便屋さんが中にいる私と目が合うので困っておられます(笑)」

アトリエ

アトリエでは、この空間に収まるサイズの絵画制作や、デジタル作画、デザインなどの仕事をしています。「呼吸するのと同じように止まることなく構想しているので、ここでじっと考えを練るというより、制作に入ったときにこもる場所です。一度こもってしまえば、集中して丸一日、時間も忘れてしまいますね」

作業台

アトリエで特に気に入っているのは、長年の制作で絵の具が幾重にもなった床や作業台。「色があふれていて、愛しいんです」。maisさんの感性と色が積み重なった空間です。

アトリエ

三角窓

住まいとは入り口を分けているアトリエ。実はハシゴを上ると、上の三角窓のところからデッキへ出て、住居2階のリビングへとつながっています。「でも、一度も使ったことがないんです」。そんな余白や遊び心も、この住まいらしい楽しさです。

大型作品の制作は、丸窓がアイコニックなガレージで

楕円形の窓

楕円形の窓が独創的な空間は、もともとガレージだったところ。丸い窓を付けた理由は、当初小さなイタリアの車を入れていたので、外から車の顔が見えるようにしたかったから。

ガレージ

鉄製の扉を開けると、内部にはゆったりとしたスペースが広がります。

ガレージ

現在ここは、アトリエに収まりきらないような大きな作品の制作場所として活用しています。
「用途としては変わりましたが、この丸い窓はとてもアイコニックで気に入っています」

屏風絵の制作中

取材時はちょうど大きな屏風絵の制作中。広々とした空間で、新たな作品づくりに向き合っていました。

完成して終わりではなく、家もまた育ち続ける

mais(マイス)さん

この家に住んでからの変化や、よかったことをうかがうと、「自分の思いがとても詰まったこの空間を、毎日愛でられることはとても幸せ」とmaisさん。

天井のタープ

「そしてこの家も、私の思いに応えてくれているような気がします。完成=終わりではなく、家も育ち続けるものだと思います」
建築から17年経ち、そろそろ直す必要のあるところも出てきたそう。リビングの壁に石を貼りたいという長年の構想も。そうして、いろいろなところに手を加えながら、またこの家の“第二章”が始まるのでしょう。

上から見たリビング

最後に、これから家を建てようと考えている方にメッセージをいただきました。
「家は建てて終わりではなく、育てていくものとして考えると、思い通りではなかったなと感じることにも、これから工夫していく楽しみを見出せると思います」

想像力と集中力と工夫。それが、maisさんが日頃から大切にしていることです。家を建てるときも然り。暮らしを工夫していくということは、人生そのものをクリエイトしていくこと。その想像力の大きなヒントとなると話します。

古いものや植物を慈しみ、受け継がれてきた時間を大切にしながら、自分らしい感性を重ねてきたmaisさん。完成をゴールとせず、住まいも作品のように手をかけながら育てていく。そうして紡がれるこの家の物語は、これからも続いていきます。

今回ご紹介した住まいの魅力は、ルームツアー動画でも詳しくお伝えしています。

●取材協力
maisさん
Instagram @xxxmaisxxx

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この記事のライター

SUUMO

『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。

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