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猫の多頭飼いは、喧嘩や居場所の奪い合いがつきものだし、抜け毛対策や掃除も大変……。そんな悩みを住まいで解決したのが、30代のOさん夫妻。4匹の猫のために建てた注文住宅は、7mの高い吹き抜けと立体的に回遊できるキャットウォーク、猫専用ロフトまで備えた“猫のための家”。引越し後、猫たちの暮らしが劇的に快適した家とは?猫も人も大満足の家づくりのヒントが盛りだくさんのOさん宅を訪ねました。
猫は家の中がすべて。だから“猫のための家”を建てた吹き抜けの上から見下ろすと、猫たちの通り道が縦横無尽に広がっているのが分かります。キャットステップや猫柱が上下の空間を立体的にをつなぎ、壁づたいにはキャットウォークがぐるりと回遊。大きな家具を置かずにゆとりを優先した設計は、まさに猫たちがのびのびと過ごすための空間が家の中心に据えられている印象です。

リビング・ダイニングは夫妻が猫たちを眺める特等席(写真撮影/相馬ミナ)
この家に暮らすのは、Oさん夫妻と4匹の猫……先住の“まろ”と“ちょび”兄弟、そして新居に迎えた“ばん”と“はち”兄弟。性格も運動量もまったく違う4匹が、それぞれの“お気に入りの場所”で過ごす姿は、見ているだけで頬がゆるみます。それでも、ここに至るまでには、1LDKでの窮屈な暮らしと、猫たちにストレスを与えてしまっていた日々がありました。
「猫がいなかったら、多分家は建てなかったと思います」と笑う夫。マイホームについて考えていなかった夫妻が家づくりを決めたのは、猫たちのためでした。

先住猫のまろ(オス・3歳)とちょび(メス・3歳)は兄妹。Oさん夫婦にスリスリして甘える(写真撮影/相馬ミナ)
1LDKの留守番で猫のストレスが限界に。猫ファーストの家づくりへOさん夫妻は、結婚してすぐに、以前から飼いたかった猫を2匹迎えました。当時住んでいた都心の1LDKの賃貸マンションは、窓の外は隣のマンションの壁で日当たりもあまり良くなく、日中も少し暗かったのです。猫たちが小さいうちは良くても、成長するにつれ、2匹の喧嘩は増えていきました。猫たち2匹だけで過ごす時間が長い、居場所が少ない、運動量が足りない、外の景色を楽しめないことなどが少しずつ猫たちのストレスになっていたことに、あとから気づきました。
「人間は外に遊びに行けますが、猫は家の中がすべてです。猫の一生は人間に比べて短いのに、私たちは共働きでお留守番の時間が長い。だからこそ、家の中でのびのびと過ごせる環境をつくってあげたかったんです」。この妻の言葉が、この家づくりの出発点でした。2023年秋、1LDKで2人と2匹で暮らすことに限界を感じたふたりは、「猫たちがストレスなく暮らせる家を建てよう」と決意しました。
“本気の猫が喜ぶ家”を建ててくれる設計士に依頼猫のための家を本気で理解して建ててくれる人がいるのだろうか……。Oさん夫妻は、そんな不安を感じながら建築会社や設計士に相談しましたが、提案されたのは「人間がメインで、猫用の設備を部分的に足した住まい」ばかり。ふたりが求めていた、一から猫の動線ややりたいことに添った“猫が主役の家”とは、違うと感じました。
そんなとき、夫が思い出したのが、20代前半から大切に持っていた一冊の本でした。 猫と暮らすための家づくりを紹介したその本の著者は、「ファウナ・プラス・デザイン 一級建築事務所」の建築士、廣瀬慶二(ひろせ・けいじ)さん。自身も猫と犬と暮らす自宅を建てており、動物の行動学をもとに猫や犬と快適に暮らす家づくりを多数手がける、数少ない建築士のひとりです。
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毎日「猫の運動会」が繰り広げられているOさん宅(写真撮影/相馬ミナ)

吹き抜けの上から見下ろした様子(写真撮影/相馬ミナ)
「とにかく猫が飽きずに過ごせる家をつくってほしい!」。そんな要望を喜んで受けてくれた廣瀬さんに建築を依頼することを決めたのが2023年12月。猫2匹の性格、これから新たに猫2匹を迎える予定があることや、夫妻のざっくりした要望などを伝え、2024年1月には土地(約30坪、800万円)が決まりました。
「廣瀬さんに紹介してもらった土地は、ふたりの通勤圏内にあり、日当たりも良く、緑や鳥など猫たちが喜びそうな景色が窓から眺められる点も重視して決めました」。まもなく出来上がった設計図は、ふたりの希望がカタチになったもので、猫たちがのびのびと走り回り、登り、すれ違い、景色や人間を眺め、隠れる姿まで想像できました。こうして、“猫が主役の家づくり”は大きく動き始めました。

猫窓にあごをのせて様子をうかがう、ばん(オス・1歳)。猫穴からひょっこり現れる顔は夫妻にとって毎日の癒し(写真撮影/相馬ミナ)
猫ファーストの家、参考にしたい4つのポイントそして、2025年3月にOさんの新居が完成し、新たに子猫の兄弟も迎えました。新しい家の最大の特徴は、約7mの吹き抜けリビング。天井まで視線が抜ける開放感は人にとって快適ですが、この高さこそが“猫のための立体的な遊び場”となっています。そのほかにもたくさんちりばめられた“猫ファーストの家づくり”のポイントを紹介します。
Oさん宅プロフィール
家族構成夫、妻(ともに30代)+猫4匹竣工年月2025年3月間取り3LDK+ロフト敷地面積約100平米(約30.2坪)延べ床面積約107平米(約32.3坪)土地約800万円建築費総額
1階(" alt="パパ・ママとの大事な休日に、撮影のご協力ありがとうござい“にゃ”した!(写真提供/Oさん)" width="560" height="374" class="size-full wp-image-219556" />
パパ・ママとの大事な休日に、撮影のご協力ありがとうござい“にゃ”した!(写真提供/Oさん)
大切なことなのに、見落としがちな猫の日常生活に寄り添ったOさんのお住まい。例えば、トイレひとつをとってもそう。人間の目につきにくい場所に置くことが多いトイレを、あえてリビングの見える場所に置いたのも、「毎日のうんちやおしっこの量や回数などをチェックして、小さな変化にもすぐ気づけるようにしたかった」という理由からでした。設計段階ではトイレの近くに換気扇をつけただけで匂いが解消するかどうか心配もあったそうですが、友人が訪ねてきたときも、「匂いがしない」と驚くほど。猫砂の飛び散りを防ぐ“立ち上がり”を設けたのも正解でした。
こうした細やかな工夫はすべて、「猫たちとどう暮らしたいか」をリアルな視点で考えた結果。Oさん宅は、猫の行動や健康を第一に考えたからこそ、満足できる住まいになりました。
家は住む人の思いを映し出す……。Oさん夫妻の家づくり物語は “猫が主役の家づくり”がどれほど豊かな暮らしを生むかを教えてくれます。
●取材協力
neko.umaumaさん
Instagram @neko.umauma
この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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