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「空家法」の施行から2年。空き家対策はその後どうなってるの?

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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「空家法」の施行から2年。空き家対策はその後どうなってるの?

空き家が社会問題化するなか、2015年5月に完全施行された「空家法」(空家等対策の推進に関する特別措置法)。法施行後2年経って、空き家対策は進展しているのだろうか? 現状の実態と課題について、詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「全市区町村の2割超で、空家等対策計画を策定~空き家対策に取り組む市区町村の状況について~」を公表/国土交通省
「平成29年度 空き家所有者情報提供による空き家利活用推進事業」の採択団体(7団体)の決定/国土交通省「空家法」で何ができる? その目的は?

まず、「空家法」についておさらいしておこう。

管理が適切に行われていない空き家は、実は個人が所有する住宅で多い。相続などにより代替わりが行われない結果、管理者が不明、あるいは遠方により管理が行き届かないといった事態を招くからだ。空き家といえども個人の所有物なので、勝手に入ったり、処分したりできない。

一方で、景観を乱したり、衛生面や防災面、防犯面などの問題を起こしたりする空き家が目立つようになり、自治体が独自に空き家条例をつくって対処するなどしていたが、法的拘束力がないために対処方法に限界もあった。

そこで、成立したのが空家法だ。
空き家とは何かを定義し、自治体が空き家に立ち入って実態を調べたり、空き家の所有者に適切な管理をするよう指導したり、空き家の活用を促進できるようにした。また、地域で問題となる空き家を自治体が「特定空家」に指定して、立木伐採や住宅の除却などの助言・指導・勧告・命令をしたり、行政代執行(強制執行)もできるようにした。

ほかにも、自治体が、空き家の所有者を特定するために一定の個人情報を入手できるようにしたり、財政上や税制上の支援措置を国が行うようにした。

法施行後2年で空き家対策は進展した?

空き家対策の第一歩は、市区町村などが「空家等対策計画」を策定することから始まる。
国土交通省が平成29年3月末時点の状況を調査したところ、全市区町村の約21%が策定済みで、策定予定を含めると平成29年度末には5割を超える見込みとなっている。

【画像1】国土交通省「空き家対策に取り組む市区町村の状況について」より編集部作成

【画像1】国土交通省「空き家対策に取り組む市区町村の状況について」より編集部作成

次に、空き家かどうかの実態把握や空き家の所有者の特定をする必要がある。

そのうえでそれぞれの計画に基づいて、具体的な対応策を打ち出す必要がある。所有者が適正な管理を行えば賃貸や売却ができるものは「空家バンク」などを整備してマッチングを促したり、住宅以外の用途に変更して改修などを行い活用できる空き家には再活用への道筋を提示したり、管理が不十分で問題のある空き家は除却などを促したりといったことだ。

さらに、管理不十分で放置することが不適切な空き家があれば、「特定空家」に指定する必要がある。国土交通省の調査によると、市区町村などが2017年3月末までに特定空家を指定して助言・指導を行ったのは6405件、このうち勧告に至ったのは267件、命令に至ったのは23件、代執行に至ったのは11件だった。

指導中という空き家も多いだろうから、地域で問題となっている放置空き家などは解決に向けて進展していることがうかがえる。

また、財政上の支援措置として、次のような事業で費用の一部を国が補助することにしている。

・「空き家再生等推進事業」(空き家の活用・除却を促進する自治体の取り組みを支援)
・「空き家対策総合支援事業」(民間事業者等と連携した総合的な空き家対策への支援)
・「先駆的空き家対策モデル事業」(専門家等と連携して実施する空き家対策の先駆的モデル事業を支援)
・「空き家所有者情報提供による空き家利活用推進事業」
(民間事業者と連携して空き家所有者情報を活用する空き家利活用の取り組みを支援)【画像2】国土交通省「空き家再生等推進事業」の資料より

【画像2】国土交通省「空き家再生等推進事業」の資料より

7月11日には、「空き家所有者情報提供による空き家利活用推進事業」として7市の採択を決定し、2次募集を開始した。

法施行で、空き家の実態を調べたり、利活用を検討したり、除却に至るまでの手続きが明確になったこと、財政上の支援が受けられることで、自治体の空き家対策は少しずつ進展していることがうかがえる。

一方で、野村総合研究所の予測によると、除却や利活用が進まなければ、空き家は2033年には約2150万戸、空き家率は30.2%に上昇し、2013年の実績値(約820万戸、13.5%)の2倍以上になるという。

登記されず所有者不明の土地が多いこと、空き家・空き地の情報公開が遅れていることなどの課題もあるが、「社会資本整備審議会産業分科会不動産部会」や「空き地等の新たな活用に関する検討会」などの国土交通省の専門家委員会による提言なども取りまとめられる予定。それらを参考にした、さらなる多方面からの体制づくりが期待される。

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この記事のライター

SUUMO

『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。

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