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友人の家に招かれて、部屋に入るとふわっといい香りがする……、消臭剤でも芳香剤でもない、どこか安らぐ心地よい香り。どういう香りを使っているの? と気になりますよね。植物などの香りの成分を抽出したエッセンス、アロマオイルなら、香りを楽しむさまざまなアイテムがあります。アロマテラピーやメディカルハーブを本格的に学び、アロマ・アドバイザー等の資格をもつ香りのプロ、小田ゆきさんに部屋別の香りのアイテムの選び方、楽しみ方を聞いてみました!
そもそもアロマオイルって何? 特徴や効能とは?
「アロマオイルで特に人気なのは、精油と言われる天然のエッセンシャルオイルです」と小田さん(以下同)。
エッセンシャルオイルは、一般的に、植物の葉や花、果皮、根などさまざまな部位から抽出した芳香をもつ揮発性成分のことを指すそうです。最近は、インテリアショップや通販などでさまざまなものが販売されており、以前に比べて手に入れやすくなったといいます。
「天然のエッセンシャルオイルのほかには、人工香料を組み合わせたフレグランスオイルや、マッサージ用のオイルなどさまざまなタイプがありますが、天然のエッセンシャルオイルを用いた自然療法のことをアロマテラピーといいます。天然の有効成分を使って、美容や健康維持、ストレスケアに役立て、心や身体をより良い状態へと導いていく方法です。なんだか難しそう! と思われそうですが、暮らしへの取り入れ方はとっても簡単なんですよ」
「もっとアロマを暮らしの中で楽しんでほしい!」と小田さんは、2016年2月に、『AROMA LIFESTYLE(アロマライフスタイル)というWEBマガジンを設立。アロマを楽しむアイデアを紹介しています。さっそく部屋ごとにオススメのアイテムを紹介してもらうことにしました! 香りが穏やかで、リラクゼーション効果や抗菌、消臭など機能性がある天然のエッセンシャルオイルの香りを楽しむアイテムをメインに取り上げています。
スペースが限られた玄関には、ほんのり香る「リードディフューザー」を玄関は家族が毎日使い、客人が最初に足を踏み入れる場所。だから、玄関に入ったときの香りは、家の印象を決めるといってもいいでしょう。だからこそ、いつもいい香りを保ちたいものです。
「玄関の小スペースには、『リードディフューザー』がオススメです。木製のスティックに浸透させたアロマオイルが揮発することで、空気中に香りが漂う仕組みで、電源は必要なく、置く場所を選びません。種類が多く、見た目もすてきなので、インテリアのひとつとして手軽に取り入れることができます」
もともと入っている芳香液の容量にもよりますが、芳香液を継ぎ足す手間いらずで、1カ月程度もつそうです。もし芳香液が残っているのに香りがしなくなったらどうすればよいでしょうか?
「部屋の環境によっては、スティックが乾いてしまい、香りが弱くなってしまうことも。そんなときは、スティックを上下さかさまにして液の漬かっていたほうを上にしてみてください。リードディフューザーは合成香料でつくられたものが多いですが、最近では天然のエッセンシャルオイルを使用したものも増えています。人工の香料より複雑で奥行きのある香りで、抗菌・消臭などの機能性がある天然のエッセンシャルオイルを使用したものをオススメしたいです」
リビングには香りの拡散力がある「アロマディフューザー」を家の中で比較的広い空間であるリビングにはどんなアイテムを使ったらよいのでしょう。
「空間が広いところには、香りを空気中に拡散してくれる『アロマディフューザー』が適しています。アロマディフューザーには数タイプあるのですが、アロマオイルを数滴入れた水をミスト状にして拡散する超音波式が値段も手ごろで現在の主流です。ほかに、最近人気が高まっているのは、アロマオイルだけを微粒子にして飛ばす気化式のアロマディフューザーです。アロマオイルの瓶をカチッとセットすれば、あとはスイッチをオン/オフと切り替えるだけ。超音波式で必要な水やアロマオイルの継ぎ足しが面倒という方にオススメです」
気化式のほうが超音波式より香りの拡散能力が高いので、10畳以上の部屋には、気化式が向いているそうです。
トイレや靴箱には「アロマストーン」を置いて、消臭しながら香りを楽しむトイレや靴箱は香りだけでなく、まず臭いが気になる空間です。でも、消臭剤や市販の芳香剤を使うと匂いがきつすぎる! と感じる場合も。
「1畳ほどの小さなスペースであるトイレや靴箱にいちばん向いているのは、『アロマストーン』です。素焼きの石や陶器製のプレートにアロマオイルを数滴垂らし、揮発する香りを楽しむアイテムです。電源が必要なく、場所をとらないのもいいですね。さまざまな色や形のアロマストーンがあるので、小さな皿やかごなどに入れて、さりげなく棚に置くととてもおしゃれです。アロマストーンは香りが自然に揮発していくので、トイレや靴箱をほのかにいい香りで保ってくれます。アロマオイルのなかでも、柑橘系やミント系など消臭効果の高いエッセンシャルオイルを選べば、気になる臭いも抑えてくれます」
寝室には「アロマランプ」をともして、就寝前のリラクゼーションに「寝室にとくにおすすめしたいのは、『アロマランプ』です。アロマディフューザーとの違いは、ほのかに香ること。ラベンダーなど入眠に向いた香りでも、強すぎるとかえって覚醒してしまうものです。寝る前に好きな香りに包まれて過ごす時間は最高のリラックスタイム。優しい明かりを見つめながら、日中、パソコンやスマホで疲れた目を癒やしてあげましょう」
足元のコンセントを使えばフットライト代わりにもなるアロマランプ。子どもやペットがいる場合には、キャンドルタイプより、ライトの熱を使うコンセントタイプが安心だそうです。
キッチンには臭いが気になるときにさっと使える「アロマスプレー」を「キッチンは料理をする場所なので、ずっと香っている必要はありません。そこで、おすすめしたいのが、好きな香りを好きなときに使える『アロマスプレー』です。持ち運びもできるので、気になるところにシュッとひと吹きするだけ。市販のものもありますが、好みのアロマオイルを使って手づくりもできますよ」
そこで、小田さんに自分でできるアロマスプレーのつくり方を教えてもらいました。
●用意するもの
・精製水20ml(軟水のミネラルウォーターでも可)
・無水エタノール10ml ※薬局などで購入可能
・お好みのエッセンシャルオイル(精油)12滴 ※肌につける場合は、3~6滴
・スプレー容器30ml1つ
・計量カップ
・ラベルシール
●つくり方
1.スプレー容器に無水エタノールを10ml入れる。
2.エッセンシャルオイルを加え、容器を軽く振って混ぜる。
3.精製水を加え、ふたをして容器をよく振って混ぜる。
4.ラベルシールにつくった日付などを書いて貼れば完成!
※肌にスプレーする場合は、肌についたまま紫外線に当たると肌にダメージを与える場合がある光毒性のあるエッセンシャルオイル(ベルガモット、レモン、グレープフルーツなど)は使わないでください。肌に合わない場合はすぐに使用を中止してください
「エッセンシャルオイル(精油)と水は分離してしまうので、使う前に容器をよく振ってくださいね。手づくりのアロマスプレーは、冷暗所で保存し、1カ月程度を目安に使い切るようにしてください。無水エタノールを扱う場合は、火の近くで使わないようにしましょう」
暮らしのなかで手軽に香りを楽しむためのアイテムやアイデア、いかがでしたか。
「スマホが手放せず、プライベートでも何もしない時間をもつのが難しい人が多いのではないでしょうか。香りを楽しんでいると、自然と今まで意識しなかった自分の呼吸に気づき、呼吸のリズムがゆっくりになっていきます。香りを楽しむのは、まさに息抜き。暮らしのなかにもっと手軽に香りを取り入れて、こころとからだのリラックスに役立ててほしいです」と小田さんは語ってくれました。
この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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