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40代編集長の婚活記、連載スタートして3周年を迎えました! つまり、3年経っても40代の婚活は終わっていないというワケで……(苦笑)。
婚活2年半で、やっとのことで恋人(ジェントルさん・49歳・バツイチ・別居中の子供あり)ができたけれど、たった交際2カ月で交際に暗雲が立ち込める。毎週デートしていたのに「少し距離を置きたい」と言われ、会わなくなって約1カ月。もう、別れの予感しかなかったけれど……。これは40代独女の「実名 顔出し」で書いている、リアル婚活ドキュメントである。
約1カ月ぶりに会うためジェントルさんの家へ行くことになったけれど、初めて家に行ったときよりもキンチョーした。
病気のことがあるから、体調が悪いんじゃないだろうか。
ちょっと強引に会う約束をしたので、機嫌悪くないだろうか。
ドキドキしていたけれど、会ってみたらあっけないほど以前と変わらなかった。
アサミ「あ、いい匂いがする! 何を作ってるの?」
ジェントル「ハヤシライスとね、サラダとスープ。あ、キウイも買っておいたよ」
アサミ「わーうれしい! いい匂いだからお腹すいてきちゃった!」
ジェントル「じゃ、早めに食べようか」
順調な再会のスタートにホッとしながら、ハヤシライスとサラダ、スープを食べ始めた。
食事中は世間話や最近あった出来事などを話しながら、なごやかなムードに終始した。まるでこの1カ月の空白期間がなかったかのように。
でも、まず聞きたかったのは病気のこと。食事を終えたタイミングで、切り出した。
アサミ「あれから病気のことは……どうなの?」
ジェントル「今日も病院に行ってきたけど……。手術してどうこうというものではないから、定期的に検査を受けて様子をみるしかないんです」
アサミ「お薬とかは飲んでるの?」
ジェントル「飲んではいるけれど……急に発作が起こったらどうなるかわからない」

連載#1の公開から3周年!#88までの内容に、WEB未公開の書き下ろしを加えた『40代ご無沙汰女子の、ざんねんな婚活』好評発売中!
冷静に話を聞いた。
最初、ジェントルさんから病気の話を聞いたときには驚いた。でも40代ともなれば、身体の問題は誰にでも多少はある。一見、健康に思える人だとしても。
アサミ「やっぱり心配です」
ジェントル「ごめんね、心配かけちゃって。でも大丈夫。仕事も行ってるし、食事はなるべく外食しないで家で作って食べてるし」
アサミ「ううん。いいの。今日会えてホッとした。思ってたより顔色よかったし、会えただけでうれしいの」
この1カ月のあいだに、「40代からの恋愛や結婚は、それぞれの健康問題を受け止めながら生きていくもの」と覚悟した。だから彼が病気だとしても、好きという気持ちは変わらない。むしろ支えたいと思った。
それは、3年前に44歳という年齢で同い年のはとこが病気で急死したこともあるからかもしれない。
少し沈黙が続いた。
今日、彼に会いたいと思ったのは……顔を見たいということだけじゃない。お付き合いを続けていけるかどうか、会って確認したかったからだ。
私は彼が病気だってお付き合いを続けていきたい。
アサミ「私のこと、嫌いになっちゃったのかなとか思ったりしました」
ジェントル「全然、そんなことないよ。アサミさんはかわいいし、優しいし、嫌いになんてなってませんから」
そう言いながら、手をつないできた彼。
アサミ「ホント? よかった。嫌われたのかなとか思って、悩んじゃったんです。私、何かしちゃったかなって」
ジェントル「アサミさんの問題じゃないんです。僕自身の問題なんです」
メッセージでやりとりしたときや電話で話したときよりは、頑なではない感じがした。
ジェントル「僕には子供がいて……。まだ学校に通っているから、僕がいま倒れるわけにはいかないんです。離婚をして別居しているけれど、父親としての責任があります」
アサミ「その責任感の強さは、ステキだと思います」
ジェントル「親が離婚したということだけでも悲しませているのに、これ以上……たとえば僕が病気で万が一のことがあって子供に会えなくなってしまったら、もっと悲しませてしまいます」
メッセージで「すみません。今は本当に無理なんです」「離れて住んでいる子供に会えなくなると思うと恐怖です」ときたときは、拒まれている感じがした。でもいまは、同じ内容を伝えてきているけれど、話し方がやさしい。
アサミ「はい……」
ジェントル「僕にとって、やっぱり一番に考えるのは子供のことなんです。だからアサミさんに申し訳ないなって思って」
やっぱり、直接会って話すと違うな。
申し訳ないなんて言葉とはうらはらに、ずっと私の手を撫でている彼。その手から、なんとなく彼の甘えを感じる。甘えてくれているってことは、少しは私のこと頼っていると思っていいよね?
アサミ「お子さんが一番っていうのは、当然です。だって、血がつながっているんですから」
毅然として言った。私は強いよ、しっかりしてるよ、と伝えたかったから。
アサミ「私は、何かがあったときに一番にお子さんのことを考える、子供を愛しているジェントルさんが好きなんです」
本心で思っていた。強がりなんかじゃない。
ジェントル「アサミさんのこと、一番に考えてあげられない男なんですよ?」
アサミ「いいんです。言ったじゃないですか、最初に。バツイチで子供がいるけどいいんですって」
パッと目を見開いて、うれしそうな顔をした彼。
年上の男性に対して失礼かもしれないけれど、「かわいい」と思った。なんでもできて完璧すぎると思っていた彼のちょっと弱い一面を知れた気がした。
ジェントル「そうだね。言ってくれてたよね」
アサミ「私のことは心配しないで。意外となんでもできます」
ジェントル「それはわかってるけど」
アサミ「もっと頼ってほしいんです。力になりたいんです」
ジェントル「……ありがとう」
そう言って、彼は私をギュッと抱きしめた。もしかしたら「私にしがみついてきた」と言ったほうがいいかもしれない。
1カ月ぶりの再会のその日は、数時間、一緒に過ごしただけで彼の家をあとにした。あまり無理させてはいけないと思ったからだ。
いちおう一件落着……かな。また次の土曜日に会う約束もした。別れ話にはならなかったし、とりあえず持ち直したといっていいでしょう。会って話せてよかった。やっぱり電話だけじゃ伝わらないことがたくさんある。
別れの危機を乗り越えた安堵もあって、その夜は自宅のベッドでぐっすりと眠った。
そのあと1日おきくらいにメッセージを送ったりして、つとめて以前とあまり変わらないようにしていた。
そして会う約束の前日、金曜の夜に彼からメッセージが届いた。明日の時間をちゃんと決めていなかったから、時間の確認だと思った。
でも、その予想は見事にハズれた。
メッセージは、あれで一件落着じゃないことを伝えてきた。
ジェントル「アサミさん、こんばんは。今日ちょっと体調がよくなかったのでオフィスには行かず、家で安静にしていました」
あ、そうきたか……。
ジェントル「申し訳ないのですが、明日の約束はキャンセルでもいいですか? ごめんなさい」
体調が悪いなら仕方ない。
アサミ「はい、わかりました。大丈夫ですか? 私のことは気にせずに。明日はゆっくり休んでください。何かあったら連絡くだされば、手伝いますから」
その週末は、そのあとも何の音沙汰もなく、もちろん会うこともなかった。
3日ほど経ったとき、またメッセージを送った。先日会ったときに話していた美術展が始まったからだ。
アサミ「あれから体調はいかがですか? 例の美術展が始まりましたね」
美術展のURLを送った。一緒に行きませんかと誘う意味で。家でゆっくりするのもいいけれど、たまには外出して気晴らしすることも大切だもの。
ジェントル「アサミさん、ありがとうございます。でも、昨日、子供と話をしていて、やはり胸は傷む一方でした」
なんだかイヤな予感……。
ジェントル「今は自分の健康と仕事が、子供の将来にとってどれだけ大切かを思い知りました」
それはわかってるって言ったじゃない! もうこれに続く言葉って、ネガティブな方向しか考えられないよね。またフラれるってことか━━⁉
不安な気持ちをかかえながら、彼の次のメッセージを待った。

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テーマは「婚活の理想と現実」。対談相手は、これまた婚活をつづったマンガ『美人が婚活してみたら』の著者の、とあるアラ子さん。楽しく婚活トーク、いたしましょう!!
【ジェントルさんとの関係は持ち直したと思ったのに⁉ 8月21日(水)17時をお楽しみに!】
【前回はコチラ】
#157 「ごめん」って? 距離を置いた恋人と再会してみると【40代編集長の婚活記】
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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