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台所が狭い……特に一口コンロのキッチンは「狭くて使いづらい」というイメージがつきもの。お部屋探しのときもつい避けてしまう人が多いかもしれません。
SUUMOジャーナルの「今の部屋に住んでみて後悔・失敗したと思うのはどんなこと?」という調査でも、「キッチンが狭い」は2位にランクインしています。しかし、一口コンロのコンパクトなキッチンを使いこなし、毎日自炊をしている人もいるのです。そこで、一口コンロを活用している上級者に会って、付き合い方のコツを聞いてきました。
慣れが大切!気づいたら一口コンロと仲良くなっていた
Akikoさんは一口コンロ歴半年。新卒入社する会社の借り上げ社宅に引越してきたことから、一口コンロ生活が始まりました。
それまでは二口コンロの部屋で料理を楽しんでいたAkikoさん、最初に一口コンロのキッチンを見たときは「これは厳しいな」とショックだったようです。それでもネットで「キッチン 狭い」などのワードを検索して、使いやすいキッチンづくりの工夫を重ねました。いまではほぼ毎日会社にお弁当を持参し、夕食も自炊しています。
Akikoさんがお弁当と自炊を続けられる秘策は「つくり置き」。休日に2時間半ほどかけて「ひじきの煮物」や「にんじんしりしり」など5品ほどをつくっておくそうです。調理時に一口コンロの不便さをカバーしてくれるのは、「なんといっても電子レンジです。それから、コンロを使っているときにお湯を沸かすことができる電気ケトルを使えば、インスタントでもおみそ汁を飲めるので、強い味方です」(Akikoさん)
「狭いとそうじが楽なので、キッチンをきれいに保てます」とAkikoさんからは前向きな意見も。こうして、工夫と努力を重ねた結果「最初はいやで仕方なかった一口コンロとも、うまくやれそうな気がしてきました」と笑います。
「まわりに一口コンロ生活をしている人が少ないので、ほかの人がどんな使い方をしているか知りたいです」というAkikoさん。日々、情報収集に余念がありません。次に引越すときも一口コンロで大丈夫か伺うと「意外といける!と分かりましたが、可能なら二口コンロがいいです」と正直に答えてくださいました。
なんとなくでOK!「こまかいことは気にしない」一口コンロ生活yasueさんも、一口コンロ歴半年のつくり置き派、お弁当派です。「揚げ物や豚肉を炒めたものなど、メインのおかずをつくって冷凍しておくことが多いです。味付けを済ませ、調理するだけにした肉や魚を冷凍するのも、便利です」とのこと。つくり置きを調理するのに長時間かけることは少なく、「野菜を切るなどの下準備と調理が別の日ということもあります」といいます。
1食の品数が多めなyasueさんはスーパーなどを見て回るのが好きで、気になった食材は買って帰って自己流で調理しています。レシピ本やレシピサイトを見ることは少なく、肩に力を入れずリラックスして料理を楽しんでいる印象を受けました。
yasueさんの味方もやはり電子レンジと電気ケトルとのこと。「野菜の下ごしらえはほぼレンジで行います。やかんにコンロを占領されたくないので、ケトルも必須です。炒め物をしながらケトルでお湯を沸かせば、炒め物が終わってから、すぐゆでる作業に移れるので、効率がアップします」(yasueさん)
一口コンロ生活の秘訣についてyasueさんは、「無理をしないこと。一口でつくれないものはたぶん二口でもつくりません」と教えてくれました。コンロを使うことの多い献立を避けることや、加熱をしないものをつくって食事の品数を増やすなどのちょっとした知恵が、一口コンロ上手への近道だといえそうです。
毎日のインスタ発信がお弁当づくりのモチベーションにSanaeさんは、一口コンロの部屋に引越してきた1年半前からお弁当をつくり、毎朝その写真をインスタグラムにアップしています。ずらりとならんだその写真は圧巻です。Sanaeさんはこれが初めての一人暮らしですが、実家にいたときに比べて一口コンロはやはり不便だと感じたそうです。
Sanaeさんもやはりつくり置きをしており、週末に野菜中心の副菜をつくります。メインのおかずは多めにつくった前日の夕食の流用が主です。Sanaeさんがお弁当づくりでなにより気にしているのは彩りのよさ。「おいしそうに見せたいので、色はとても気にしています! それから、とにかく野菜をたくさん食べたいので、値段の変動が少ないナスやピーマン、ニンジンを多用しています」(Sanaeさん)
シンクの下には一口コンロやつくり置きのレシピ本を置いてあるほか、目についた食材名でつくり方を検索しているそうです。「例えば『にんじんだけ レシピ』で検索すると、にんじんだけでつくれる料理のレシピがヒットするので、よく調べています」と研究熱心です。
毎日の規則正しいお弁当の写真からは、Sanaeさんの几帳面な人柄がうかがえますが、ご本人は否定し、
「一口コンロ生活ではできることが限られています。だから、面倒くさがりな人のほうがかえって向いているんじゃないかと思います」とのこと。
「学生時代に100円ショップでアルバイトをしていたので、三角コーナーがわりになる『自立するビニール袋』など、便利グッズの知識が多いのが役立っているかもしれません」と、はにかみながら話してくれました。
得意料理は○○○! 一口コンロユーザーの意外な共通点3名の方に一口コンロ生活について伺った結果、必須だったのは「電子ケトル」と「電子レンジ」でした。また、みなさんお弁当持参派で、つくり置きのおかずを休日に料理しています。つくり置きのおかずは野菜が多くなりますが、みなさん「お野菜が大好き」というところも同じでした。
一口コンロでつくりやすいメニューを伺ったとき、出てきた答えもいっしょでした。それは「パスタ」です。
100円ショップなどでも買える、水とパスタを一緒にいれてレンジに入れてチンすると茹で上がるケースを、みなさん重宝しているそうです。これを使えばパスタを茹でている間にコンロでソースを料理できるため、「簡単」「便利」「麺がのびない」など、大好評でした。
一口コンロの狭いキッチンだとしても使わないのはもったいない話。ほかの家電との組み合わせなどで工夫すれば、楽しく自炊することができそうです。「キッチンが狭い」を理由に、なんとなく料理を避けている方も、気負わないで少しずつ自炊生活にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナルこの記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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