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不動産情報サイト事業者連絡協議会(以下、RSC)が利用者にアンケートを行ったところ、不動産会社への問い合わせ件数や訪問件数などが昨年より減っていることが分かった。不動産会社を事前に絞り込む傾向が強まっているが、ではどうやって不動産会社を選んでいるのだろう?【今週の住活トピック】
「不動産情報サイト利用者意識アンケート」調査結果を発表/不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)売買・賃貸ともに、事前に不動産会社を絞り込む傾向が加速
RSCでは、2003年度からサイト利用者に対して調査を行っている。10年前の2007年度の調査結果を見ると、物件を契約した人が問い合わせた不動産会社の数は平均で3.6社(売買3.9社、賃貸2.9社)、その後訪問した不動産会社の数は平均で2.7社(売買2.8社、賃貸2.3社)だった。
これに対して、2017年度の調査結果では、問い合わせた不動産会社の数は平均で2.8社(売買2.8社、賃貸2.8社)、その後訪問した不動産会社の数は平均で2.1社(売買2.4社、賃貸2.1社)となり、問い合わせる不動産会社の絞り込みが加速している。
地元に強いことに加え、賃貸ではより誠実性を重視?では、不動産会社を選ぶときにどういった点を重視しているのだろうか?
物件を契約した人が、「検索後に問合せや訪問をする不動産会社を選ぶ時のポイント」として挙がったのが物件の「写真の点数が多い」ことだ。中でも「特にポイントになるもの」として選ばれたものも、同じ「写真の点数が多い」ことだった。
「写真の点数が多い」ことと不動産会社選びのポイントは、どう関係するのだろうか?
前提として、最近は物件を選ぶ際に、外観や居室、水まわりなどの写真を多く掲載していることが重視されている。間取図やデータに加え、老朽化や使い勝手が一目で分かる写真を数多く掲載していることは、不動産会社の誠実さなどの姿勢が伝わるということなのだろう。
とはいえ、物件の写真を多く掲載すればいいのかというと、そういうわけではないだろう。売買と賃貸それぞれで、詳しく見ていこう。
売買では、2番目に「他にもたくさんの物件を掲載している」、3番目に「地元で知名度のある会社である」が挙がっていることから、地元に根づいて営業し、地元物件に精通している不動産会社かどうかを見ていると考えられるだろう。
一方、賃貸では、2番目は同じ「他にもたくさんの物件を掲載している」であるが、4番目に「その物件の欠点も書かれている」が挙がっている。「写真の点数が多い」ことを重視する割合が売買よりも高いことなども考えると、地元に精通していることに加え、より誠実性を不動産会社に求めていることがうかがえる。
さらに、売買も賃貸も「店舗がアクセスしやすい場所にある」ことが、特にポイントになる項目として高いことから、訪問する際のアクセスの良さも欠かせないポイントのようだ。
不動産会社に求めるのは「正確」で「詳細」な物件情報調査では、物件を契約した人に「不動産会社に求めるもの」についても聞いている。結果は、売買・賃貸とも他を離して「正確な物件情報の提供」と「物件に対する詳細な説明」がトップ2だった。長く住むことになる物件に関して、プロに対して正確で詳細な説明を即座に求めることは当然だろう。
最後に、RSCとはどういった団体か説明しておこう。
不動産広告をインターネットで検索するユーザーも多いが、RSCは虚偽や不適切な広告が紛れ込んでサイトの信頼性が損なわれることのないように、不動産情報サイトを運営する事業者が立ち上げた団体だ。SUUMOを運営するリクルート住まいカンパニーやアットホーム、LIFULL、CHINTAIなどの8社で構成されている。
物件選びの入り口となるだけに、不動産サイトに物件の正確で詳細な情報が掲載されることはとても大切なことだ。一方で、物件に精通し、物件情報を的確に提供できる不動産会社かどうかを見抜く力もユーザーに求められる。
そういう意味では、不動産会社相互を比較検討しながら、それぞれの力量を見極める力をつけていくことも大切だ。事前に絞り込むだけでなく、比較検討しながら絞り込むという観点も忘れずにいてほしい。
住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナルこの記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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