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寒~い冬を乗り切るための必需品、暖房器具。種類も価格帯もさまざまですが、自分の暮らしにフィットするアイテムはどうやって見極めればいいのか、頭を悩ませてしまうもの。そこで、ビックカメラ有楽町店販売員の河島栄輝さんに、暖房器具のタイプや使い分け方法を聞きました。
部屋が暖まるスピードに差がある!
そもそも、暖房器具は部屋全体を暖めるものと、局所的に暖めるもの2つに分かれるそう。そこで、アイテムごとに特徴を紹介してもらいました。
【部屋全体を暖める】
エアコン
石油ファンヒーター
ガスファンヒーター
電気ファンヒーター
石油ストーブ
オイルヒーター など
【局所的に暖める】
遠赤外線カーボンヒーター
セラミックヒーター
ホットカーペット など
では、これら【部屋全体を暖める】カテゴリの製品には、どのような特徴があるのでしょうか。
「『エアコン』は、省エネタイプのものが主流となっていますが、これは一度にグッと暖めて、設定温度にもっていき、最終的には省電力ですむ微風で部屋全体の温度を調整します。そのため、自動運転にすることで、最初に電力が掛かりますが、トータルで考えると電気代は安くなります。設定温度を決めることができて、ある程度自動化して調整できるのはエアコンだけです。
次に、『石油ファンヒーター』と『ガスファンヒーター』ですが、火をつけて風を送るので吹き出し口の温度が高く、部屋全体を温めるスピードは早いです。また、『石油ストーブ』は風は出ませんが、同じく火を使うので暖かさが届きやすいですね。ただ、石油やガスを使う製品は、そもそも石油の購入が手間に感じられる方もいますし、一人暮らしで賃貸に住んでいる場合はガスの口がないという方もいらっしゃいます。
そこで、最近人気が高まってきているのが『オイルヒーター』です。オイルヒーター自体が比較的熱くならないのでお子様のいる家庭は、ストーブ等に比べると火傷の心配が少なくなる点と、風を送らないので肌が乾燥しないという点が評価されています。ただ、エアコンが設定温度に達して省エネ運転を続けているときに比べると、オイルヒーターは1時間当たり10倍の電力を消費するので、コスパはあまり良くないかもしれません」(河島さん、以下同)
ちなみに、オイルヒーターのなかには、消費電力は最大で1500Wのものも。その場合、1時間当たり約40.5円(※)になるため、6時間つけると243円、1カ月でおよそ7200円(※1kWh 単価 27円で計算)。8畳タイプのエアコンが、1時間当たり4円程度なので、やはり割高感が否めません。
こうした点を踏まえて、河島さんは次の方法がおすすめと教えてくれました。
「『オイルヒーター』はすぐに暖まらないので、『電気ファンヒーター』を併用します。電気ファンヒーターは、すぐ暖まる“即暖性”に優れているので、これですぐ部屋を暖めて、『オイルヒーター』を最小の消費電力で徐々に全体を暖めます。そうすることで電気代をおさえることもできます」
遠赤外線効果で無駄な暖房をカット続いて、部屋全体ではなく【局所的に暖める】タイプ、いわゆる“予備暖房”ですが、代表的なものは次のとおり。
「足元や身体の一部を暖めたいというときに使う予備暖房ですが、家の中で足元に置いて使いたいという方も多いかもしれません。すぐに暖まるのはセラミックやカーボンを使っているヒーターです。カーボンとハロゲンで、卵を上に置いてどちらが芯まで熱が通るか実験をしたときには、赤外線効果が高いカーボンのほうが熱を通していることが分かっています。
そのため、座って読書をしたり、パソコンを見たりしているときは、カーボンヒーターを体の近くに置いて暖めるだけで、部屋全体を暖めなくても十分かもしれません」
塵も積もれば何とやら……冬場の電気代は馬鹿にできません。暖房器具を賢く使い分けることで、コスパの良いあったか生活を手に入れましょう。
●取材協力この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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