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部屋探しの際、「家賃は○万円まで」「駅から徒歩○分まで」といった希望をすべてかなえるのは、難しい場合がほとんどだ。さまざまな条件に、どう優先順位をつけるかがポイントになる。今回は、賃貸住宅に住む「一人暮らしのシングル」の男女にアンケートを実施。重視したポイント、重視しなかったが実は重要だったポイントなどについて聞いてみた。
最も重視したのは「家賃」。妥協したのは「築年数」
「一人暮らしのシングル」200名(20~30代の男女各100名ずつ)に部屋探しで「重視」したポイント、「妥協」したポイントをそれぞれ聞いた。結果が、下記の表だ。
「重視」したポイントは、やはり「家賃」を挙げた人が最も多く、約8割。一方、「妥協」したポイントでも2位と上位に挙がっているのが特徴的だ。
「家賃○万円まで」といった条件は誰もが重視するが、それ以外の条件をかなえるためには緩和せざるをえなかった、という人が多いよう。フリーコメントにも、
・「予算より高かったが、周辺環境や、内装・通勤時間を考えると仕方なかった」(33歳・女性)
といった声が多く寄せられた。
「特になし」も23.5%で同率1位ではあるが、それを除くと「妥協」したポイントで最も多くの票を集めたのは、「築年数」。「重視」したポイントのランキングでは、8位と高くなかったことから、多くの人が妥協しやすいポイントといえそうだ。フリーコメントでは、
・「ある程度リノベーションされているので、築年数については妥協した」(35歳・男性)
・「新築で駅から遠い家と、新築ではないが立地条件が良い家で悩んだ末、駅近を優先して築年数は妥協。家賃のわりに部屋も広くて満足したので」(31歳・女性)
のように、「古い」というマイナス面をカバーするポイントがあればよしとする声も多かった。
「重視」・「妥協」したポイントを見てきたが、ここで注目したいのが「重視しなかったが、実は重要だった」ポイント。つまり、部屋探しの段階ではあまり重要だと思っていなかったが、実際に住んでみて、その重要さに改めて気づいたポイント。これから部屋探しをする人には、とても参考になるデータといえそうだ。
「特になし」を選んだ人は43.9%だが、裏を返せば、住んでみてから重要だったことに気づく人は半数を超えるということ。なかでも1位の「防音性」は、「重視したポイント」ランキングでは16位。特に一人暮らしの場合、家族の話し声がないため、気になることが多いのかもしれない。
・「隣の話し声が丸聞こえ」(30歳・男性)
・「上の階の物音や足音がよく聞こえるのでもっと調べておけば良かった」(34歳・女性)
などの声が多かった。
2位の「日当たり」は、重視したランキングでは7位。シングルの部屋は、そもそも部屋数が少なく、角部屋でなければ窓の面積も小さくなりがちなので、切実な問題だ。
・「日当たりは、気分も左右されるので重要だった」(30歳・女性)
という声や、気分の問題だけでなく、
・「日当たりが悪いので部屋がジメジメしてカビが生えやすい」(神奈川県・男性・38歳)
という実害も。
いずれも物件の内覧時には分かりにくいポイントが多く挙げられた。しかし、防音性は建物の構造によって違いが出るなど、物件データから推測できることもある。心配なことは不動産会社に聞いてみよう。
部屋探しでは、誰もがたくさんの希望・条件を挙げつつ、時には妥協しながら候補を絞っていく。一人暮らしの場合、自分の都合だけで決められるので、カップルやファミリーよりは条件の優先順位をつけやすいだろう。物件を内覧するときは、実際に暮らしたときのことを、さまざまな時間帯・季節・シチュエーションで想像し、後悔のない部屋を選ぼう。
●調査概要この記事のライター
SUUMO
172
『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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