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「家賃は○万円まで」「駅から徒歩○分まで」といった夫婦それぞれの希望はあったとしても、子どもがいると部屋探しの優先順位をつけるのは一苦労。そこで、賃貸住宅に住む「子持ち夫婦」の男女にアンケートを実施。重視したポイント、重視しなかったが実は重要だったポイントなどについて聞いてみた。
最も重視したのは「家賃」。妥協したのは「築年数」
「子持ち夫婦」200名(20・30代の男女各100名ずつ)に部屋探しで「重視」したポイント、「妥協」したポイントをそれぞれ聞いた結果が、下記の表となっている。
「重視」したポイントは、やはり「家賃」を挙げた人が最も多く、8割以上。一方、「特になし」の回答を除くと、「妥協」したポイントでも2位に挙がっているのが特徴的だ。
「家賃○万円まで」といった条件は誰もが重視するが、それ以外の条件をかなえるためには緩和せざるをえなかった、という人が多いよう。フリーコメントにも、
・「希望の家賃で探すとなかなか見つからず、少し予算をあげたら気に入ったとこを見つけられた」(36歳・女性)などといった声が多く寄せられた。
「妥協」したポイントで最も多くの票を集めたのが「築年数」。「重視」したポイントのランキングでは、9位と高くなかったことから、多くの人が妥協しやすいポイントといえそうだ。
ただし、シングル、カップルを対象とした同じ調査では「築年数」で妥協する際に「見た目の古さ」を気にする声が多いのに対し、ファミリーでは「耐震性」を気にする人が多いのが特徴。フリーコメントでは、
・「古くても修繕がしっかりしているところは新築よりも安いうえに安心できる」(39歳・男性)
・「築年数が39年と古く、耐震診断もしてない物件ではあったが、リノベーションしてあったので選んだ」(38歳・女性)
などの声があった。子どもがいると、建物としての安全性も重要ポイントとして優先順位が上がるようだ。
「重視」・「妥協」したポイントを見てきたが、ここで注目したいのが「重視しなかったが、実は重要だった」ポイント。部屋探しの段階では気にしなかったことも、実際に住んでみると、重視すべきことだったと気づくこともある。これから部屋探しをする人には、とても参考になるデータといえそうだ。
「特になし」の回答者は38.1%だが、データを裏返すと、住んでみてから重要だったポイントに気づく人のほうが圧倒的に多いということが分かる。1位の「収納」は、重視したランキングでは10位。特に入居後に子どもが生まれたり、人数が増えたりした場合、「収納」の不足は大きな問題となるようだ。フリーコメントでは、
・「子どものものがどんどん増えて、部屋が物であふれかえっている」(37歳・女性)
と同様の声がたくさん寄せられた。
2位の「防音性」は、重視したランキングでは、意外にも18位。しかし、集合住宅では赤ちゃんの泣き声、子どもが走り回る足音などの、子育て中の「音」の悩みは切実だ。フリーコメントでは、
・「子どもが生まれて、泣き声や暴れたときの足音など、筒抜けではないかと心配」(29歳・女性)
・「子どもが飛んだり跳ねたりするため、防音性の高い構造かどうかは重要だった」(32歳・男性)
など、外から入ってくる音より、自分の子どもが発生する音が外にもれないかを心配する声が多かった。
「収納」の少なさや「防音性」の低さは、壁面が多い物件を選ぶことで解決できることもある。壁の多い間取りは家具を置きやすいため、後から家具を買い足すことができ、収納家具を置けば「防音性」を高めることもできそうだ。部屋探しをする際に気になることは、不動産会社に聞いてみよう。
部屋探しでは、誰もがたくさんの希望・条件を挙げつつ、ときには妥協しながら候補を絞っていく。特にファミリーの場合、子どもの人数や成長段階などによっても優先順位が変わっていく。そこに何年住むのか、その間に家族はどのようなステージを迎えるのか、よくシミュレーションして後悔のない部屋を選ぼう。
●調査概要この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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