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40代の婚活はこんなに前途多難なもの? OTONA SALONE編集長・アサミ(47歳)は婚活歴3年半以上。婚活パーティも、婚活アプリも、個室婚活も、バー婚活も、知人の紹介も経験したが、結果が残せないまま現在に至る。
ある日の会食のあと、突然、日本橋にあるバーで、同期の男性にハイシャさん(47歳、未婚・独身、歯科医)を紹介されたのだが……。この物語は40代独女の「実名 顔出し」で書いている、リアル婚活ドキュメントである。
婚活の舞台は、日本橋にあるバーの個室。
ずっとハイシャさんと同期と私の3人で会話をしていたけれど、同期が席を立ってトイレへ行った。必然的にハイシャさんと二人っきりになった。
……と思いきや、個室のドアが開いた。もう同期が戻ってきたのかと思いきや、女性だった。しかも、ハイシャさんがお店に入ってきたとき、一瞬、部屋に入ってきた謎の女性。
ハイシャ「あぁ、ここ座る?」
ねぇハイシャさん、ナチュラルに席を案内してるけど、彼女はどなた?
謎の女性「こんばんは」
低いトーンのハスキーな声。目力も含めて迫力がある。何者だかわからないが、ハイシャさんとはただならぬ関係のような香りがプンプンする。
アサミ「はじめまして」
謎の女性「あなたが、アサミさん」
アサミ「はい、アサミと申します」
謎の女性「はじめまして。私、ハイシャの妹です」
えぇっっっっ! い、妹!? ハイシャさんの妹がなぜここに? しかも、めっちゃ私をガン見してる!!
アサミ「ハイシャさんの、妹さん……」
ハイシャ「そう。似てないでしょ」
アサミ「ええ……。最初、この部屋に入っていらっしゃいました……よね?」
ハイシャ「一緒に来たいって言うから」
来たいっていうから連れてきた? 47歳の男が、婚活相手(私は聞いてなかったけど)と初めて会うときに、妹を同伴するもの?
妹「はい。お店には一緒に来ました。でも最初は兄とお話してもらおうと思って、カウンターで待ってたんです」

ハイシャさんの横に座り、私と対面になったイモウトさん。大きな目をパッと見開いて、私のことを頭のてっぺんから入念に見ている気がする。視線が痛い。
アサミ「兄妹で仲がいいんですね」
突き刺さる視線をかわしたくて話題をふった。
ハイシャ「そんなことないよ。普通だよ」
いや、あんまり普通じゃない気がするけど。
妹「たった一人の兄だから、心配なんです!」
キッパリとした話し方で、言い切る妹さん。ハイシャさんはどちらかというと、のらりくらり話すほうなので、真逆。
妹「兄は本当にいい人なんです。昔から、優しくて、面倒見がよくて、純粋で、お人よしで、情にもろいタイプなんです」
アサミ「お優しい方なんですね、ハイシャさん」
ずっとお兄さんに優しくされて育ってきた妹さん……なのかな。兄妹で仲良しなのはいいことだけれど、それにしてもすごいなぁ。
ウチの姉妹も仲はいいと思ってるけど、婚活に同伴してもらったことはないわ。
妹「でも、その性格のおかげでいろいろあったんです」
アサミ「いろいろ? 例えばどんなことですか?」
妹「情に付け込まれたり、利用されたり、だまされたり」
あぁ、なるほど。
お兄さんがダマされないか心配でついてきたのか。婚活相手がどんな女か、一緒にチェックしようってことね。もしかしてブラコンなのかな、ハイシャさんの妹さん。
妹「前にお付き合いしていた女性は、兄のお金が目当てでした」
ハイシャ「彼女は仕方ないよ。複雑な家庭だったから……」
妹「お兄ちゃんは黙ってて!」
ピシャリと食い気味に、ハイシャさんの発言を遮る妹さん。どうやら、気の強いタイプと見た。
妹「アサミさんは、老舗の出版社で編集長をしてらっしゃるし、兄のお金目当てではないと思いますけど」
と言って、私の身に着けているものを品定めするような妹さん。張りつめた緊張感。
逆に彼女を見ると……なかなかのブランド尽くしだ。大きなリング、腕時計、それにバッグも、わかりやすくブランド物を身に着けている。

↑ハイシャさんが買い、妹さんも呼んでくれた「40代ご無沙汰女子の、ざんねんな婚活」はコチラ。
妹「わりと庶民的な方ですのね」
いきなり初対面でこの発言(苦笑)! なかなかパンチの効いた妹さんだわ。
アサミ「わりとも何も、庶民ですから」
妹「兄から借りて、あなたの本を読みました」
アサミ「ありがとうございます。恐縮です」
妹「ご実家は、東京ではないんでしょう?」
すごいな。そこはかとなくマウンティング感のある質問のしかた……。別にいいけど。
アサミ「はい。埼玉です」
堂々と答える。ラブ埼玉だから。
妹「埼玉。ふーん、埼玉って田舎ですよね。行ったことないけど」
あれ、もしかしてほんのり埼玉をディスってる?
アサミ「埼玉も広いので都会もありますけど、私の実家は秩父市なので山に囲まれた田舎です」
妹「へぇ~。埼玉って田舎しかないと思ってました」
そりゃ、東京から比べたら……。
妹「山に囲まれた田舎だったら、ご実家、さぞ広いお土地をお持ちなんでしょうね!」
これはどういう意図の発言?
アサミ「いや、全然。実家の一軒家があるだけです」
妹「あら、そうなんですの。じゃ、今のお住まいは持ち家ですか? 賃貸ですか?」
なんだかなぁ。これって、会って数分で聞く質問かしら。隠すことでもないから。別にいいけど。
アサミ「マンションですけど、いちおう持ち家です」
妹「ローンは完済してます?」
アサミ「いや、まだ残ってます」
妹「定年前までに完済予定ですか?」
アサミ「まぁ、その予定ですけど……」
何コレ? 何だコレ? 婚活で会ったその日にこんなこと聞かれたの、初めてだわ! それに私だって婚活でこんなこと男性に聞いたこともないわ! なんていうか、品定めされている感じ。
妹「年齢は兄と同じくらいでしたっけ?」
アサミ「はい。同い年みたいです。47歳です」
妹「47歳で女性編集長っていうと、年収はけっこうおありなんですか?」
すごいな! こんな質問がやってくるとは!
アサミ「中小企業ですから。たいしたことないです」
妹「でも編集長さんじゃないですか」
アサミ「いやいや、ただの中間管理職ですから」
妹「ふーん。バリキャリの編集長と会うって聞いたから、どんな華やかな方がいらっしゃるかと思ったけど」
思ったけど……!?
妹「アサミさんは、わりとフツーのお家柄の方なんですね」
ブラコン? マウンティング? 品定め? 妹さんの発言に翻弄されるアサミであった……。
【続きは2020年3月18日(水)17時公開。お楽しみに!】
【前回はコチラ】
【40代編集長の婚活記#187】ソレが理由!? モテそうな47歳・歯科医男性がずっと独身なワケ
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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