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こんにちは。「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。
この連載では、人生100年時代の折り返し地点、50歳になる前にやめたい悪習慣についてお伝えしていきます。
新型コロナの影響で、テレワークを採用する企業が増え、夫との生活がストレスとなっている人が多いようです。
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#19】
満員電車の通勤ストレスから解放されて喜ぶ人がいる一方で、在宅勤務が長引くについれてストレスを抱える人が増えています。
その上、学校の休校も重なり、夫と子供の三度の食事などやることが増えててんやわんや。
主婦であれば、家事や育児の負担が増えますし、自分自身も働いているのであれば在宅で仕事もこなしながら家のこともやらなければならない状況になります。
そもそも夫が率先して協力してくれるタイプであれば、このコロナ危機を手に手を取り合って一緒に乗り切ろう!と絆が深まるかも知れません。
でも、そんな理想的な夫はそう多くないようで、周囲の女性からは嘆き声が聞こえてきます。
「家にいるから家事を手伝って欲しいのに、『在宅ワークでも仕事中だから』と全く手伝ってくれない」
「夫が家にいる方がむしろ散らかるので腹立たしい」
「一緒に買い出しに行って欲しいのに、自分のやりたいことしかやらない」
などの不平不満が日々蓄積しているようです。
夫への不平不満をよく口にする女性の傾向として、夫への期待値が高いと感じます。
理想の夫像が自分の中に明確にあって、自分の夫に大いに期待しているのですが、当の夫は、全く言うことを聞いてくれない。
諦めずに日々アプローチして、日々裏切られるので、日々不平不満が募ってストレスになります。
我が家のことを引き合いに出して恐縮ですが、我が家は双方が個人事業主なので、そもそもがテレワーク的な働き方で家で顔を突き合わせている時間も多いです。
夫は、暮らせば暮らすほど散らかすタイプで、片付けも料理も皿洗いも洗濯も全くしません。日用品を買いに行くことなども嫌いです。気が向けば、2週間に1回程度掃除機をかけたり、ゴミ出しをしたりしますが、ムラが激しいので長続きしません。
正直、理想の夫像とはかけ離れています。
そんな夫と一緒に生活しながら仕事をする私の秘策は、
これに尽きます。
私自身も料理以外の家事は苦手なものですから、もちろん、夫が率先して協力してくれたらとは思います。
ただし、いくらガミガミ言おうが、相手は動きませんし、こちらとしては期待が裏切られてがっかりするわ、あちらとしてはガミガミ言われて気分が悪いわで心を閉ざしますから、双方にデメリットです。
関係もぎくしゃくして、喧嘩が増えてしまいます。
それに、「理想の夫」とはこちらの都合であって、相手のありのままではありません。どんなにワガママだろうが、これがありのままの夫の人格だと一先ずは受け入れてあげると、相手は油断して心を開き、懐に入ってきます。
突っつくと口を閉じてしまいますが、塩水につけて放置しておくと無防備に舌を出す貝みたいだと常々思っています。
心を開き始めたところで、ちょっとずつこちらの要求を伝えると、ちょっとずつ受け入れてくれるようになります。
地道な作業ですが、喧嘩もなく、夫はのびのびと楽しそうで何よりです。
期待せず、野放しにする作戦をとる場合に、もう一つ大事なのは、こちらのペースを死守することです。
相手のペースを尊重している場合、こちらが譲歩する必要はありません。それをすると、自分の軸がブレるので、ストレスになります。
まずは、自分のやるべきことをやる。
自分の優先しなければならない仕事や育児があるのであれば、まずはそちらから。
そして、家事も自分のペースでやる。
夫が構って欲しそうであれば、女性なりのマルチタスクな能力を発揮して、「ながら」作業で構う。
尽くして差し上げるのが喜びなのであれば、もちろんそのように。
自分のしたいようにする、つまり自分の軸をブラさないことが大切です。
いつ終わるかが見えないテレワークですが、新型コロナの影響だけでなく、今後、多くの企業でこのような働き方が増えてくると思います。
退職後は否が応でも夫婦の時間が増える訳ですし、今回はトレーニング期間のつもりで、夫婦の持続可能な関係性を見つけられたら良いですね。
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」、週1回、土曜の夕方に配信!】

文/内科医・認定産業医 桐村里紗
tenrai代表取締役医師。1980年岡山県生まれ。2004年愛媛大学医学部医学科卒。内科医・認定産業医。治療よりも予防を重視し、最新の分子整合栄養医学や生命科学、常在細菌学、意識科学、物理学などをもとに、執筆、webメディア、講演活動などで、新しい時代のライフスタイルとヘルスケア情報を発信。著書『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)ほか。
この記事のライター
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