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2020年3月14日、山手線と京浜東北線に「高輪ゲートウェイ駅」が開業した。JR東日本が品川―田町間を一体開発する「品川開発プロジェクト」の一環で、山手線の駅としては1971年開業の西日暮里以来49年ぶりの新駅。駅名が適切か否かが議論になったことは記憶に新しいが、世界へ向けた国際拠点として再開発がすすむ品川エリアの象徴となる玄関口=ゲートウェイであることは間違いない。そんな、今最も注目が集まる地域である品川へアクセスが良い場所はどこだろうか。シングル向け物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)を対象にした、最新の家賃相場ランキングを分析してみた。●品川駅まで電車で30分以内、家賃相場の安い駅TOP10駅
順位/駅名/家賃相場/(沿線名/駅の所在地/品川までの所要時間(乗り換え時間・駅から駅への徒歩移動時間を含む)/乗り換え回数)
1位 羽沢横浜国大 5.10万円(JR東海道線・相鉄新横浜線/横浜市神奈川区/30分/1回)
2位 三ツ沢上町 5.40万円(横浜市営地下鉄ブルーライン/横浜市神奈川区/28分/1回)
3位 保土ヶ谷5.60万円(JR横須賀線・湘南新宿ライン/横浜市保土ケ谷区/24分/1回)
4位 三ツ沢下町 6.00万円(横浜市営地下鉄ブルーライン/横浜市神奈川区/27分/1回)
5位 京急新子安 6.15万円(京急本線/横浜市神奈川区/25分/2回)
6位 東白楽 6.20万円(東急東横線/横浜市神奈川区/28分/1回)
7位 弁天橋 6.28万円(JR鶴見線/横浜市鶴見区/24分/2回)
8位 大口 6.30万円(JR横浜線/横浜市神奈川区/29分/1回)
8位 小田栄 6.30万円(JR南武線/川崎市川崎区/22分/2回)
10位 新子安 6.35万円(JR京浜東北線/横浜市神奈川区/21分/0回)
ランキングはすべて神奈川県で、過半数が横浜市神奈川区に位置する駅が占めた。1位の羽沢横浜国大駅も、同区が所在地だ。
JRと相鉄の直通に伴い、昨年11月30日にできたばかりの新しい駅。周辺はそれまで鉄道の整備が不十分な鉄道空白地帯で、都心へのアクセスが良いとは言えない地域だったが、同駅の開業により移動時間も交通費も大幅に短縮された。駅名のとおり横浜国立大学の最寄駅で、学生にとっては非常にうれしい変化だったことだろう。
駅ができたばかりのため周りは閑静な住宅街が広がるが、自治体や横国大の研究チーム、ゆかりのある企業などにより、2023年度を目標にした開発が進行中。商業施設の入ったタワーマンションや子育て支援施設などの建設も計画されている。近い将来の利便性の向上を見込めるため、今から目をつけておいても損はないだろう。
3位の保土ヶ谷駅は保土ケ谷区。品川まで直通でも30分以内だが、横浜駅で乗り換えれば25分以内で品川に着くことも可能だ。
駅直結のショッピングセンターなどはあるが、そこまで大きな商業施設などはなく、静かな住宅街という印象。江戸時代には宿場町であったことを示す史跡などを、街並みのあちこちで見かけることができる。
横浜駅とは隣駅で、駅間距離は約3km。横浜の中心地で遊んでもし終電を逃したとしても、いざとなったら徒歩でも帰宅が可能な距離だ。買い物や遊びの便利さと静かな日常生活が両立できるのは魅力的だろう。湘南新宿ラインを利用すれば、渋谷や新宿などの繁華街へも乗り換えなしで利用が可能だ。また、約1kmの場所に相鉄線の天王町駅があるため、鎌倉方面へのアクセスも良い。
新子安駅、京急新子安駅の2駅に注目6位の東白楽駅は、人気路線、東急東横線の駅だ。各駅列車しか停車しないが、横浜駅との距離は約2km。保土ヶ谷駅同様、横浜駅へ頑張れば歩いていくことができる距離だ。
単身者向けの部屋は駅の近くに多く、少し駅から離れるとファミリー向け物件が目に付く印象だ。近くにはイオンスタイル東神奈川店など大きなスーパーもあるため、日常の手軽な買い物も便利だ。
ランキング内で品川までの所要時間が一番短いのは10位の新子安駅。京浜東北線の沿線のため乗換が不要なのも大きな利点だが、川崎駅で乗り換えれば約20分と、さらに所要時間を短縮させることも可能だ。
京浜工業地帯にあるため、駅南側は工場が広がっている。工業地帯とあまりに近い物件を選ぶと、少し騒音が気になるかもしれない。しかし駅の反対側は、閑静な住宅街。深夜1時半まで営業しているスーパーなどもあるため、帰宅が遅くなる職種の単身者にとっては、逆に狙い目と言ってもよいかも。
また新子安駅は、5位の京急新子安駅と隣接しており、京浜東北線と京急本線の2路線を使うことが可能な地域でもある。家賃がより安い京急新子安駅付近で物件を借り、アクセス至便な京浜東北線を使う、という活用の仕方もできるのだ。また、京急新子安駅の近くには、横浜市内でも屈指の規模の大口通商店街がある。下町風情があふれる専門店などもあり、日々の生活にうるおいを求める人にとっても満足できそうだ。
人々の営みには変化がつきもの。街も同様だ。変革期を迎えたエリアは、それだけで魅力的なものだが、普段の生活には、あまり刺激がありすぎるのも少し疲れることもある。最先端を行く品川へ向かうのに便利ながらも穏やかな住宅街、という“メリハリ”は、家探しの際に忘れず心に留めておきたいようにも思える。
●調査概要この記事のライター
SUUMO
172
『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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