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住民経営マンションを取り上げる本連載の第5回では、クロスエアタワーを紹介する。高架の首都高3号渋谷線と山手トンネルの高低差約70mを接続し、ジャンクション、公園、集合住宅などを合わせて建設。世界でもほぼ前例のない高度な土木技術を駆使した複合再開発で生まれたマンションだ。メイン写真手前は9階で接続する人工庭園。2回転ループした高速道路の屋上、地上約35mの高さにつくられており、未来感漂う先鋭的な構造だ。
ヨガ教室や、ケーキ教室など多彩なイベントが盛況
第4期理事長の礒辺氏が話す管理組合の方針は、クロスエアタワーの未来的な外観と異なる家庭的なものだった。
「縁あって同じマンションに暮らすのだから、やはり良いコミュニティを築きたいというのが理事会の総意です。そのため、住民間の交流を促そうといろいろなイベントを行っています」
その内容が充実している。2年前から始めたヨガ講座は6階の広いラウンジを使って月に十数回実施。著名インストラクターの指導が好評で、毎回約15~30名の枠がすぐに埋まる。昨年10月半ばには初の試みとして、タワー屋上で中秋の名月に照らされながらのヨガも実現させた。また、住民自ら名乗り出て講師役を務めるクリスマスケーキ教室開催や、ひな人形の寄贈など理事以外の住民からの働きかけも目立つ。「新年会、ハロウィン、クリスマスツリー点灯式+コンサートなどのイベントもあり、これらが盛況なことから住民の皆さんが能動的に動いてくださるようになったと思います」
さらに、住民の声や状況に応じて共用施設のカスタマイズも進めている。「ハイルーフや大型SUVなどの所有者が想定より多かったため、余裕があった普通車用の駐車スペースを大型車用に割り当てました。また、駐輪場内に各々の空気入れが置かれて雑然としていたので、エアーコンプレッサーを購入して各自の空気入れを片付けていただいたほか、空きスペースを活用してトランクルームも増設しました」
定期的なイベントだけでなく、住民の日常的な暮らしにも目を配り、整然として快適な共用空間を保つ。こうした取り組みが功を奏して住民の愛着は着実に増しているようだ。それを象徴するのが、理事の成り手に困らないことだと礒辺理事長は話す。
「40代、50代が中心で忙しい世代ですが、主体的にマンション管理に臨もうとする姿勢を感じます。この機運を次につなげていきたいですね」
※この記事は『都心に住む』2017年9月号(7月26日発売)からの提供記事です
※管理組合のルールや方針は変更される場合があります
この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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