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突然ですが、日本人は世界一睡眠時間が短いって知っていますか?
毎日、6時間眠れれば大丈夫。
実はそんな人こそ「睡眠負債」のリスクをはらんでいるのです!!
約4000万人が睡眠時間6時間未満ってホント?
日本人の睡眠時間は減り続けている!
アメリカのミシガン大学が世界100ヵ国の平均睡眠時間を調査したところ、オランダがもっとも睡眠時間が長く、日本がもっとも短く最下位という衝撃の結果となりました。また、厚生労働省の調査でも、睡眠時間が6時間以下という人が2007年から2015年のわずか8年の間に約9%も増加し、現在、成人人口約1億人のうちの4割にあたる約4000万人の睡眠時間が6時間未満であることがわかりました。
なぜ、わたしたち日本人の生活は飛躍的に便利になり、豊かになっているというのに、睡眠時間は減少し続けているのでしょうか。
「睡眠負債」と「睡眠不足」はなにが違う?
6時間睡眠で満足している人こそが「睡眠負債」の恐れあり!
睡眠不足の人は、「朝、もう少し寝ていたい」「真っ昼間なのに、なんだか眠い」など、睡眠が足りないことを自分で自覚しています。自覚しているので、それをみずから解消しようとすることができます。
対して睡眠負債を抱えている人は、毎日6時間程度の睡眠がとれていて、特に問題を感じていないことに問題があります。
本来、理想的な睡眠時間は6時間半から7時間半程度とされています。
わずか30分や1時間の睡眠不足なら大丈夫!――と思う人もたくさんいると思いますが、睡眠不足は“
なかったこと”
にはならず、1日わずか30分の不足が蓄積し、平日5日間で2.5時間、1ヵ月で10時間、1年で120時間、20年でなんと2400時間もの睡眠負債にふくれ上がってしまうのです。
そして睡眠負債を抱えたままだと、判断力が低下したり、忘れっぽくなったり、イライラして感情的になったりと、日常生活を妨げるさまざまな不調を招きます。
また、本人は起きているつもりでも脳が勝手に寝てしまう「マイクロスリープ」という現象が起こることもあります。日常生活の中で起こるのであればまだいいのですが、車の運転中や精密作業をしているときにマイクロスリープが起きると、命をおびやかす重大な事故につながることもあります。
そして、長年にわたって睡眠負債を蓄積し続けると、がんや糖尿病、高血圧、心疾患、脳卒中、認知症などの重篤な病気の発症率が高まることが近年の研究で明らかになっています。
たとえば、睡眠が不足した状態だと、がん細胞が大きくなりやすいことが研究により確認されていて、睡眠が足りている人と足りていない人を比較すると、男性の場合は前立腺がんのリスクが約1.38倍に、女性の場合は乳がんのリスクが約1.67倍に高まるといわれています。
さらに、睡眠が不足すると血管が収縮し血圧を上昇させるのですが、たった1日睡眠が足りないだけでも血圧が上昇し、高血圧症を発症することもあります。高血圧が引き金となって、脳梗塞や心筋梗塞、脳出血にもつながるので、いかに日々の睡眠が大切かがわかります。
「30分早寝&30分遅起き」「朝15秒の日光浴」で睡眠負債を返済
よく眠る人は人生の満足度が高い!
理想的な睡眠時間は人それぞれですが、短過ぎても長過ぎても体と脳のためにはよくなく、一般的に6時間半から7時間半がベストな睡眠時間であるとされています。睡眠負債を返済するために、また、質の高い睡眠を得るために、ぜひ今晩からチャレンジしてほしいことを紹介します。
●30分早寝&30分遅起き大作戦!
6時間睡眠の人が急に1時間睡眠を増やすのは、なかなかむずかしいものです。それなら、いつもより夜30分早く寝て、朝30分遅く起きるのはどうでしょう。この方法ならできそうな気がしませんか?
●朝15秒の日光浴で夜の眠りが深くなる
睡眠の質を向上させるホルモン「メラトニン」は、強い光を浴びることで分泌が止まり、その14~16時間後に再び分泌が始まります。たとえば、朝7時に起きたら、カーテンを開けて15秒間朝日を浴びましょう。そうすると、夜10~12時ごろにメラトニンが分泌され、深くて質の高い眠りに導いてくれます。
●体を温めて、深部体温を下げる!?
日中の活動時には体の中心部分の体温「深部体温」は高くなっています。逆に、睡眠中は毛細血管に血液が流れ、深部体温が低くなることでぐっすり眠ることができます。
深部体温を下げるために効果的なのは、入浴。眠る1時間前に、体温より少し高い39~40℃のお湯に15分ほど浸かることで、上がった体温を下げようとする機能が働き、就寝時にはちょうどよく深部体温が下がります。
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12月18日(月)発売の『ぐっすり眠れる睡眠の本』では、自分が睡眠負債を抱えているかどうかがわかるセルフチェックを掲載しているほか、睡眠負債を返済するさまざまな方法を紹介しています。
毎日きっちり7時間寝よう!と決めて、それが叶わないとストレスになってしまうので、実践可能な方法で自分なりの“
よい睡眠”
を見つけることが大切です。ぐっすり眠れている人は人生の満足度が高いといいます。睡眠負債を返済して、自分史上最高の眠りを手に入れましょう!
※画像、文章の無断転載はご遠慮ください
『TJ MOOK ぐっすり眠れる睡眠の本』
監修:枝川 義邦(脳科学者/早稲田大学 研究戦略センター 教授)
この記事のライター
宝島オンライン
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