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私はおいといて、私の周りには性別、年齢、経歴、職種を問わず、仕事ができる、と評判の人はたくさんいる。尊敬し憧れ、ときには嫉妬してしまうのだが。
身も蓋もないことをいえば、これはモテるモテないと同じで、素質の乏しい人が真似しようとしてできるもんではない。モテる人は何をしてもモテるし、モテない人は何をしてもモテモテにはならない。
それに関しても、学びは得た。モテる人を観察して表面的なことだけ真似るより、モテない人を研究し、あれをやっちゃいけない、と戒める方がモテに一歩近づけるのだ。
仕事に関しても、できる人を見習って無理やりな背伸びや柄にもないことをしてみるより、まずは仕事できない人がやってることを見て自戒すべし。
これもさんざんネタにしてきたが、私はかつて日本一仕事ができないスタッフを雇っていた。そのL美、憎めないおっちょこちょいオバサンではあった。といって、ドジでいい加減なところも承知の上で雇った、のではない。最初はL美をものすごく仕事ができる人だと思い込んだから、高給を払って雇ったのだ。
なんであんなドジオバサンを、というより、なぜ業界に関してまったくの素人、経験0の人を雇ったのか、いろんな人から嫌になるほど聞かれたが。
私はL美を業界に精通し実績バリバリ、ものすごく仕事できる人と思い込んでいたのだ。なぜか。それはL美本人が、「私はものすごく仕事ができます」といったからである。
ズコーッ!あなたも私も今、吉本新喜劇の舞台みたいにズッコケましたね。
具体的な実績や業界人脈、一切なかったのに、あまりにも自信満々、堂々と本人が仕事できます!といいきるから、いい切られてしまったのね。私も負けないドジオバサンよ。
L美のヤラカシで仕事が半減してしまった私を見るに見かねて手を差し伸べてくれたのが、今もお世話になっているホリプロ。まさにプロのマネージャーがついてくれたとき、あまりにも仕事が滞りなく順調に進むのに感激し、なんて仕事ができるのと感激したら。
「えっ。特にすごいことしてないですよ。やって当然のことをやってるだけです」
……これよ、これ。
仕事ができる人は絶対、私は仕事ができる、とはいわないのだ。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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