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1月中旬、日本列島を襲った強烈な寒波。「あれ、冬ってこんなに寒かったっけ?」「お布団から出られない」など、悲鳴にも似た寒いツイートが続出していた。今回は、日本各地の厳しい寒さとそのインターネット上の様子をお伝えするとともに、究極の防寒対策がなされている「南極建築」についてもご紹介しよう。
強烈な寒波で例年以上に寒い、寒い!
冬が寒いのは当たり前とはいえ、2017年1月は例年以上の寒さを感じた人も多いはず。「今季最強の寒波」「数年に一度の寒さ」などと報じるニュースも目についた。しかも、雪が積もるイメージのない、名古屋や広島などの市街地が雪に覆われた写真や映像を見ると、確かに風情はあるものの、「こりゃあ寒いよな」などと、痛感したことだろう。
こうした強烈な寒さはツイッターなどでも話題となっていて、「寒い」や「寒波」などと書き込む人が続出。
「寒いとおもったらまいなすいちど…。寒波過ぎモスクワと同じ気温。」
「今回の寒波で比叡山も真っ白になりました。」
「寒いというより、冷たい」
「もっと寒い国や地域があると思うとぞっとする。」
一方で、冬なんだから寒いのは当たり前、騒ぎ過ぎというコメントも。
「いっちゃなんだけど、日本に四季があると誇るんなら、冬に雪がふっても当然と思うべきでは?」
おっしゃるとおり、冬が寒いのは当たり前なんですが、個人的には冷え性で寒いのが苦手なため、やっぱり寒いのは、避けたいというのが本心だ。だが、この地球上には究極に寒いといえる場所がある。それが南極。そんな南極の基地はどうなっているのか。2016年冬に刊行され、南極の基地での建築とその歴史を一冊にまとめた『南極建築1957-2016』(LIXIL出版)から、その半端じゃない寒さとの戦いぶりをご紹介しよう。
過去最低気温は-89.2度! 知られざる南極建築の世界とは南極といえば、『南極物語』や『南極料理人』などの映画にもなった、極限まで寒い世界。記録に残る過去最低気温は、-89.2度! ちなみに日本の最低気温はというと、北海道旭川で-41度。もう考えるのが嫌になるほどの寒さだが、一歩間違えれば凍死、ということだけは確実に分かる。
そんな厳しい「南極」での基地建築計画が立てられたのは、1955年のこと。その後、2016年まで57次の越冬隊が結成され、建築も拡張改良されてきた。「南極建築」の巻末には建築&設備という今までの歩みを年表にまとめたものがあるのだが、それによると日本の南極基地には新幹線式の水洗トイレに風呂、温水床暖房、厨房にプロパンガス調理台、スプリンクラー消火設備なども設置されているという。しかも風呂には女性用風呂まであるのだ。最近では、太陽熱利用や風力発電装置などがもうけられていて、省エネルギーや環境負荷を最小限におさえる試みがなされている。
「南極建築」には、驚くようなエピソードがいくつも紹介されているのが、印象的なのは、最初の建築プランでは断熱性を考えて窓がなかったということ。隊員の切実なリクエストで30cm四方の窓が設置されたのだとか。窓は4枚あわせの強化ガラスでガラスの間にちっ素ガスを充填していて、しかもフタつきだという。こう考えると、建物はいかに開口部(窓)から熱が出入りしているのかが分かるが、一方で、いくら断熱性のためといっても、壁だけの空間で暮らすことに人間は抵抗があるんだな、と気がつく。
ちなみに各個室は約2畳で、造り付けの机と物入れが間仕切りの役割を果たしている。椅子はなく、ベッドが椅子代わりで、机は折りたたみ式だ。究極のコンパクト空間ともいえ、昨今話題の「ミニマリスト」の先駆けといえるかもしれない。避難所でもプライバシーが大事といわれるので、どんなにミニマムな空間でも自分だけの空間は大切。これは基地での話だが、家庭にもミニマムな個人用の空間があるといいのかもしれない。
床にはディーゼル発電機の排熱を利用した温水式床暖房があり、常時15〜20度に保たれているとか。わが家は初期費用をけちって「床暖房」を導入しなかったが、やはり導入すればよかったと後悔した。
「南極建築」は厳しい条件下で、日本人がどうやって快適な空間をつくってきたのか、をまとめた一冊だ。また、極限の環境下で何を大切にすれば快適に暮らせるか、という創意工夫もつまっているので、家づくりの参考になる点もあるかもしれない。興味のある人はぜひ、一度、手にとってみてほしい。
この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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