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一人暮らしをスタートさせ、インテリアにこだわって統一感を出したり、暮らしやすいように家具を好きな配置にしたり、理想の部屋にしたいと思う人も多いのではないでしょうか。しかし、いざ自分でコーディネートしようとすると、お金をかけてインテリアや小物を買ったけれど、無難な仕上がりになり、描いた理想や自分らしい部屋とはほど遠い仕上がりになることも多いよう。そこで今回は、東京で活躍するインテリアコーディネーターの山口恵実さんに協力していただき、低予算でも理想の部屋に近づけるコーディネートのヒミツを探ります!
オシャレにしたいと思う人ほどよく陥りがちな【無難部屋】
山口さんと訪れたのは、一人暮らしを始めて7年の萬年(まんねん)さん、29歳・女性の賃貸部屋。萬年さんは部屋に統一感を出したいと考え、白とベージュ・茶色をベースに家具やインテリアをチョイスし配置したと話してくれました。色を絞ってインテリアを選ぶ考えはとてもいい方法なのですが、選んだ色が多くの人が選びやすい白・ベージュ・茶色なので、部屋の個性がない、いわゆる「無難」なコーディネートになってしまっています。また、部屋全体を見たときにアクセントとなるものがなかったので少し寂しい印象を受けました。
萬年さん自身、部屋の印象を変えたいと思いつつも、一見統一されているように見えるこの部屋をどこから変えていいか分からず、悩んでいるそうです。今回のコーディネート予算は3万円。無難部屋からの脱却を図ります。
無難部屋の印象を変えるカギは「アクセント」と「目線」まずは、山口さんに部屋の中で改善できるポイントを聞いてみました。
―――今回のコーディネートで部屋の改造ポイントとなる部分はどこでしょう?
まず1つは、インテリアのなかに「アクセント」が不足していると感じました。現在、白や茶色がベースとなっているので、メインカラーに萬年さんの好きだと仰っていた「ブルー」を持ってくる。好きな色があると気分が上がるので、自分の部屋がもっと好きになれると思います。
あとは、ベッドやラグの色が濃くて目線が下に行きがちなので、目線を上に向けられるようにインテリアを整えられたらいいのではないでしょうか。大きなものだと、照明器具も印象を変えるのにピッタリです。賃貸だと元からシーリングライトがついている部屋もあって、なかなか気づかない部分なんですが、今回は照明も思い切って変えてみようと思いました。それから、最近賃貸にも増えてきたピクチャーレールですね。フックさえつければ、好きなアートや写真が飾れるので、これは活用したいですね。
予算3万円で購入したコーディネートアイテム紹介改善ポイントを踏まえたうえで、山口さんが今回のコーディネートアイテムとして選んだものがコチラ。
1.アクセント用のクッション
左:アクセントクッションINアイビー(中身付)/ニトリ 1380円(税抜)2.インテリア照明
照明:SINNERLIGペンダントランプ竹/IKEA 8999円(税込)3.気分の上がるアート
ポスター:TVILLINGポスター2点40x50cm 地平線/IKEA 500円(税込)4.観葉植物
植物:HEDERA HELIX鉢植12cm/IKEA 399円(税込)5.ベッド用品
以上、大きく5つのコーディネート部分に関するアイテムを購入。商品は全部で15種類、合計で2万8860円(税込)となりました。
低予算のときは、ニトリやIKEAなど、種類豊富なアイテムが低価格で手に入る場所でアイテムを購入するのがオススメ。配送料はかかりますが、家までの配達サービスもあるため、大きな買い物をする際にも便利です。
【無難部屋】から【爽やか美人部屋】への大変身!購入したアイテムを使い、早速部屋をコーディネートしました。
萬年さんが好きな「ブルー」には気持ちを落ち着ける効果があり、安心と信頼感をかもし出す色でもあります。チョイスしたブルーのクッションやアートなど洗練されたブルーに囲まれ、気分の上がる部屋を目指しました。
また、ブルー一色ではなく、サブカラーとして観葉植物のグリーンを入れることでプラスのアクセントに。観葉植物効果で部屋の空気の流れが清らかになった印象も受けます。思いきって変えた照明も部屋全体を優しい雰囲気で包んでくれています。
今回家具類は一切変えないコーディネートでしたが、コーディネート前と印象がガラリと変わりました。改めて、コーディネートのすごさや重要性を感じました。住人の萬年さんも洗練された出来映えに感動し、「これから気持ちよくすごせそうです!」ととても喜んでいました。
最後に山口さんからコーディネートの工夫点やこれからすぐに役立つアドバイスをいただきました。
―――実際にコーディネートをしてみてどうでしたか?
今回、予算3万円と限られたなかでのコーディネートで、どれだけ印象が変わるか不安でした。しかし元々の部屋の色がシンプルだったので、アクセントとして取り入れたクッションや観葉植物がうまく映えてくれました。空気の流れがキレイに感じられる爽やかな部屋になったのではないでしょうか。
―――改めて、コーディネートの工夫点を教えてください。
カーテンを変えたり、大きな家具を変えるともちろん印象は変わるんですが、そこに頼らず、テーマカラーを決めて、それに合わせたインテリアや小物アイテムをチョイスしていきました。萬年さんの好きな色を取り入れて、住む人の気分が上がるように、部屋で過ごすことが楽しくなるように想いを込めてコーディネートしました。
―――これから部屋の模様替えをしたい、印象を変えたいと思っている人に向けてアドバイスをお願いします。
そうですね、ただなんとなく気に入った家具・インテリアを買うのではなく、購入する際に、キーとなるテーマカラーを決めることがオシャレな部屋への第一歩だと思います。部屋の中に色が多すぎるとごちゃごちゃしてまとまりにくいので、今回のブルー・グリーンのように、2,3種類に絞ってインテリアをチョイスすると部屋に統一感が生まれます。
また、部屋で過ごすことが楽しくなるよう、壁などにアートや写真を飾ってみてください。壁に模様がついているならいいのですが、白いママだと少し寂しい印象になります。最近ではピクチャーレールがついている賃貸住宅も多くなってきたので、ぜひ備え付けのモノは活用してほしいなと。自分が好きなモノがパッと目につく場所に飾ってあると、住んでいて気持ちがいいものですよ。
予算3万円と限られたなかでの今回のコーディネート。無難な部屋から住む人の好みを取り入れた素敵な部屋へ大変身を遂げました。大きなものを変えなくても、アクセントを取り入れるだけで印象が変わる。目線をあげることで気分が上がる。山口さんから教わったコツはすぐにでも使えることばかりでした。「自分の部屋、無難かも……」そう感じた方はぜひすぐに試してみてはいかがでしょうか。
●インテリアコーディネータープロフィールこの記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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