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月4万円以下で戸建てに住める!? “空き家バンク”って何?
田舎への移住を決意。まずは賃貸に住んでみようと思ったものの、いざ引越し先を探そうとすると適当な賃貸物件が見つからない……。そう、実は田舎で賃貸物件を見つけるのは至難のワザなのです。
都会なら民間業者で探せる賃貸物件も、田舎では難易度が高い。家賃の相場が月4万円以下と低く、業者の報酬限度額は法的には貸し主・借主から合計で1カ月分以内。業者が扱ってもガソリン代どころか、赤字になりかねないからだ。
そんな時、頼りになるのが「空き家バンク」の存在。
「空き家バンク」について、名前を聞いたことはあるけれど、なんなのか分かっていないという人も多いのでは?
空き家バンクとは、地方自治体(通常は市町村)が間に入って、空き家の所有者と利用希望者を結び付ける制度のこと。それにも宅建業者や宅建協会が仲介する間接型、最終的に当事者間で交渉・契約する直接型の2パターンがある。(中略)
空き家バンクを利用するには、個人情報の登録が必要だ。これは住所や家族構成、利用目的などを明記するもので、二地域居住目的は不可の自治体もある。さらに「地域社会に積極的に参加する」といった誓約書に署名・捺印を求められることもある。
空き家情報は、自治体のホームページで閲覧できるほか、多くが電話、郵便による問い合わせに対応している。まずは賃貸か売買かで絞り込もう。
ふむふむ、なんとなく分かってきましたね……。
では、「空き家バンク」を使えば、どんなメリットが期待できるのでしょうか?5つのポイントに沿って解説します。
1. 月4万円以下の賃貸物件が
手に入りやすい。
2. 過疎地域の田舎物件が探せる。
冒頭で述べたとおり、民間業者で取り扱うと赤字となりかねないのが田舎の賃貸物件。ですが「空き家バンク」は基本的に自治体が過疎対策として行っているため、営利目的ではありません。そのため賃貸物件も扱っているのです。
3. 500万円以下の
安い売買物件が豊富にある。
近年の物件動向を見ると、空き家バンクでも売買物件の比率が高まっている。以前は「盆暮れに使うから」「仏間があるから」「地域の人に恥ずかしいから」といった理由で売却をためらう人が多かったのだが、空き家が社会問題に発展したこともあり、早めに処分したいと考える人が増えてきたのだ。
そのため価格も低めに提示する所有者が多く、なかには「住んでもらえるなら無償譲渡してもいい」という人までいる。地域や物件にもよるが、500万円以下で空き家バンク物件を探すのは難しくなくなった。
4. 物件取得、建物改修などに対して
助成する自治体が多い。
田舎暮らしの初期資金は、大きな出費になりやすい。
たいていは物件費用、リフォーム費用、引っ越し費用の3種類の負担が発生するからだ。そこで、最近は多くの自治体が助成金を支給するようになった。例えば、空き家と宅地をセットで取得すれば価格の
10㌫・100万円を上限に支給、空き家を再生工事したら最大70万円を支給、引っ越し費用の半額・10万円を上限に支給といった具合だ。
支給の金額や条件は自治体によって異なるが、数十万円単位の助成金に対して「助かった」と話す移住者は少なくない。
5.地域社会にすんなりと入っていける。
空き家バンクが本来、過疎対策を目的にしている以上、自治体の担当者は「地域に溶け込める人に利用してほしい」と考えている。自治体の不動産業務ではないので、そこは誤解しないことだ。逆に言うと、空き家バンクの利用は地域社会への入り口を意味する。空き家調査の段階で区長などが関与しているので、地域住民への挨拶回りなどのフォローも期待できるのだ。
こんなメリットたっぷりの「空き家バンク」、田舎暮らしを考えているならば利用しない手はないですよ!
そして「田舎暮らしの本」3月号では「空き家バンクのイチオシ物件150」を大特集!こちらも物件探しの参考に、ぜひご一読を!
文/山本一典
イラスト/関上絵美
※誌面画像の無断転載はご遠慮ください
この記事のライター
宝島オンライン
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