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【検証】自転車発電は、太陽光発電に勝てるのか?

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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自転車発電は、太陽光発電に勝てるのか? 検証してみた

きつい、辛い、帰りたい。

なぜ僕は部屋の中で自転車を漕いでいるのだろうか。なぜ一生懸命に走っているのだろうか?
【画像1】(写真撮影/大嶺 建)

【画像1】(写真撮影/大嶺 建)

今、僕は部屋で必死に自転車発電を行っている。そして僕の横では女の子がくつろいでピザを食べている。ふざけているわけではない。これはれっきとした闘いなのだ。己の魂をかけた挑戦なのである。

こんなカオスな空間が生まれたのには理由がある。きっかけは1カ月前に遡る。

遡ること約1カ月前【画像2】リクルート住まいカンパニーの社屋(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像2】リクルート住まいカンパニーの社屋(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

とある日、SUUMOジャーナル編集部に打ち合わせに行く用があった。そのときにたまたまSUUMO編集長である池本さんにお会いした。

SUUMO編集長はとても気さくだった。初対面の僕に向かって「君の顔めちゃくちゃ長いね!」と言って緊張をほぐしてくれるような人だ。あくまで緊張をほぐすために言ってくれたことであり、バカにされたわけではないと、僕は池本編集長を信じている。信じている。

【画像3】池本編集長(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像3】池本編集長(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

池本編集長「最近注目の集まっているエコな住宅関係で記事をつくりたいと思っているので、おもしろいネタがあったらぜひ一緒にやりましょう」

そんな声をかけてもらったので、僕はとっさに

「自転車発電と太陽光発電のどっちが勝つのか比べたらおもしろそうですよね(笑)!」

と冗談半分で提案した。僕は過去にママチャリで日本一周した経験があり、それをやっているときにふと思った疑問をここで出してみたのである。

そしたらそのネタに池本編集長が予想外に食いついてくれ、大盛り上がりしてネタがどんどんと膨らんでいった。

【画像4】(写真撮影/大嶺 建)

【画像4】(写真撮影/大嶺 建)

そして気づいたらこうなっていた。

もちろん自転車を借りて、部屋を借りて……と段取りを踏んでやっているので、いきなり拉致されて企画に巻き込まれたという意味で言っているわけではない。

冗談で言った企画が、編集部から連絡が来て、ガッチリとした企画になり、まさか家を借りて行うほどの大掛かりなものになるとは思っていなかったのだ。あれよあれよと気づいたらあとに引き下がれない状況になっていたのだ。

大人になると「言葉に責任をもたなきゃいけない」というのは本当のことであったと学んだ。

ただし、やるからには負けたくない。過去にママチャリで日本一周した経験は本当であるし、勝つ気でやらないとものごとはまったくおもしろくない。記事もおもしろくならない。

かくして「自転車発電 vs 太陽光発電」の火ぶたが切って落とされた。

自転車発電 vs 太陽光発電自転車発電 vs 太陽光発電の対戦ルール
・ママチャリを使用して発電を行う
・宿泊して2日にわけて行う
・制限時間は最大10時間(借りている部屋の使用時間が決まっているため)
・Wh(電力量)で対決する ※1時間でどのくらいの電力が稼げるかの値

今回の企画を簡単に言うと「自転車発電で太陽光発電に勝てるのか?」という検証である。

【画像5】(写真撮影/大嶺 建)

【画像5】(写真撮影/大嶺 建)

【画像6】(写真撮影/大嶺 建)

【画像6】(写真撮影/大嶺 建)

自転車発電と太陽光発電を比べるために、今回は積水ハウスの賃貸住宅をお借りすることができた。亀有駅から徒歩5分という好立地な部屋だ。

ここまできれいな部屋を用意されていたら、僕の言った「あとに引けない状況になっている」という言葉の意味がよく分かると思う。やるしかないのだ。

【画像7】(写真撮影/大嶺 建)

【画像7】(写真撮影/大嶺 建)

実はこの家は太陽光発電ができるだけでなく、なんとその日に発電した電力量がどのくらいかを見ることができる「HEMS」という端末までついているのだ。

こんなに今回の企画に適した家もなかなかないだろう。

【画像8】(写真撮影/大嶺 建)

【画像8】(写真撮影/大嶺 建)

今回の企画では「vs 太陽光発電」という形をとるために、仮想対戦相手を用意した。仮想対戦相手には太陽光発電ができる家で一日過ごしてもらう。

つまり「自転車で一生懸命漕ぐ人(自転車発電)」vs「家でダラダラ過ごす人(太陽光発電)」という、図式にして分かりやすくした。

仮想対戦相手として選んだのはアイドルのカワシマユカさんだ。彼女はアイドルグループを自ら運営して立ち上げている途中であり、現在はアイドルニートを自称している。そのため一日中家の中ですごしてもらう今回の企画に合っていると思ったからだ。

あと「企画的に写真が地味になりそうだから女の子を呼んだ」という大人の事情もある。むしろこっちの理由がメインかもしれない。

【画像9】(写真撮影/大嶺 建)

【画像9】(写真撮影/大嶺 建)

ちなみにカワシマユカさんには、仮想敵なので「なるべく僕がムカつくようなことをやってほしい」とお願いしてある(お願いしなきゃよかったと後悔した)。

どうでも良いけど灰色のパーカが被っていて、親戚のぎこちない記念撮影みたいになった。

自転車の準備に時間がかかる/部屋の説明を受ける【画像10】(写真撮影/大嶺 建)

【画像10】(写真撮影/大嶺 建)

ということで対戦は始まったのだけれど、まずは下記のように自転車発電の準備をしなければならない。

自転車を家の中に運び込む

発電機を組み立てる

発電機に自転車をセットする

自転車発電のセットは有限会社ひのでやエコライフ研究所でお借りした。これが予想以上に組み立てるのに時間がかかる重労働であった。というか僕はイケアの家具すら組み立てるのを挫折したことがある男だ(結局そのときは兄を呼んでことなきを得た)。

【画像11】(写真撮影/大嶺 建)

【画像11】(写真撮影/大嶺 建)

このときもなかなか上手く組み立てられず、写真撮影をしてくれているカメラマンに手伝ってもらいながら2時間くらいかかってようやく準備をし終えた。この組み立て段階が今回一番だったと言ってもいいくらい大変だった……。

【画像12】説明をしてくれているのはZEH体験宿泊のPR担当をしている向井さん(写真撮影/大嶺 建)

【画像12】説明をしてくれているのはZEH体験宿泊のPR担当をしている向井さん(写真撮影/大嶺 建)

そのころカワシマユカさんはこの家の設備の説明を受けていた。

この家はZEH(ゼッチ)の基準を満たした家である。ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、断熱や省エネ、そして太陽光発電などで電力を売り、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の電気代をゼロにするという住宅である。

【画像13】ソーラーパネルが最初から設置されている(写真撮影/大嶺 建)

【画像13】ソーラーパネルが最初から設置されている(写真撮影/大嶺 建)

【画像14】お風呂も大気の熱を利用してお湯を沸かすエコキュートが採用されている(写真撮影/大嶺 建)

【画像14】お風呂も大気の熱を利用してお湯を沸かすエコキュートが採用されている(写真撮影/大嶺 建)

【画像15】窓はなんとガラスが二重になっており、外の冷気が入りづらくなっている。外側にガラスがあるため、内側の窓には水滴ができずカビの心配もない(写真撮影/大嶺 建)

【画像15】窓はなんとガラスが二重になっており、外の冷気が入りづらくなっている。外側にガラスがあるため、内側の窓には水滴ができずカビの心配もない(写真撮影/大嶺 建)

今回借りた部屋も、高断熱材を使用した壁、2枚のガラス板でつくられた複合ガラスの窓など、熱を逃がさないようなエコなつくりになっている。そして太陽光発電ができるので家で電力を生み出し、それを自動で売ってくれる。

家の工夫によって熱を外に逃さずにエコな過ごし方ができ、さらに自分の家の電気代を太陽光で生まれた電気でまかない、実質的に電気代が概ねゼロ以下になるようになっているのだ。

【画像16】太陽光発電などでどのくらい電気が売れたのかは、HEMSという端末ですぐに確認することができる(写真撮影/大嶺 建)

【画像16】太陽光発電などでどのくらい電気が売れたのかは、HEMSという端末ですぐに確認することができる(写真撮影/大嶺 建)

ZEHの家に無料で宿泊体験ができるキャンペーンがあり、今回はその中の一つを借りているという形だ。

【画像17】(写真撮影/大嶺 建)

【画像17】(写真撮影/大嶺 建)

発電機の準備をしながら横で僕も聞いていたんだけど、「ZEHってどういう意味か知っている?」という質問に対して、カワシマユカさんは

「ゼッチって漢字でどう書くんですか?」

と聞くほどだったので本当に何も知らないようであった。それにしても漢字という発想はなかった。「絶地」と書くと思ったのだろうか? 漢字で書くと『るろうに剣心』とかに出てくる必殺技っぽくなる。

【画像18】(写真撮影/大嶺 建)

【画像18】(写真撮影/大嶺 建)

カワシマユカさんが説明を受けている間に着々と準備を進めて、いよいよ自転車は組み上がった。あとはひたすら漕ぐだけだ。

自転車発電の計算方法【画像19】(写真撮影/大嶺 建)

【画像19】(写真撮影/大嶺 建)

ということで僕の勝負がいよいよ始まった。時刻はだいたい16時ごろ。22時までは漕げるので、6時間は漕げる計算になる。あとはとにかく必死に漕ぐだけである。

それにしても異質な空間である。女の子がいる部屋で僕はひたすら自転車を漕いでいる。なんだろうこの空間。新しいフェチ動画として世に発信したほうが良かったかもしれない。

【画像20】自転車発電の仕組み(画像作成/megaya)

【画像20】自転車発電の仕組み(画像作成/megaya)

自転車発電といっても、漕げば漕ぐだけ電力が溜まっていくという仕組みではない。(蓄電ができれば話は別であるが、)どれくらいの電力を消費するか、が計算される。

分かりやすくいうと、例えば自転車に繋いでスマホを充電する場合はMAXで5W(ワット)までしか発電できない。つまりずっと5W分のスピードを出して漕げば充電されるわけだ。

しかし例えばドライヤーの場合は約1000Wほどあるので、その分の力を常に出してないといけない。自転車を一生懸命漕いでもそのW数にいかない場合は、ドライヤーが動くことはないのだ。ほぼ全力でずっと漕いでいないといけないので、自転車発電でドライヤーを動かすのはかなりの労力がいる。

つまりW数が高いもので発電すれば大変だけど稼げる電力は大きくなり、W数が低いもので発電すれば楽だけど稼げる電力が小さくなるのだ。

【画像21】(写真撮影/大嶺 建)

【画像21】(写真撮影/大嶺 建)

今回はWh(ワットアワー)という単位で勝負を行う。Whとは1時間でどのくらいのWを発電しているかを表す単位だ。100Wを1時間使ったら単純に100Whだ。

ざっくりと言ってしまえば1時間の平均の値で勝負することになる。つまりは継続ができなければまるで意味がないのである。

なので僕はとにかく継続して電力を稼ぐことを目的として、体力的に負担が低いスマホを自転車に繋いで、常に5Wの発電をするようにした。

【画像22】スマホのメーターで発電量を確認できる(写真撮影/大嶺 建)

【画像22】スマホのメーターで発電量を確認できる(写真撮影/大嶺 建)

【画像23】(写真撮影/大嶺 建)

【画像23】(写真撮影/大嶺 建)

とにかく止まることが悪なので、ひたすら漕ぐ。ママチャリ日本一周した経験が蘇ってくるものの、やったのはもうすでに7年も前の話だ。体力的には今とかなり違う。普段運動しないので開始10分でかなり体力が奪われた。足が早くも笑っている。

【開始1時間】暑さとの闘いだと気づく【画像24】(写真撮影/大嶺 建)

【画像24】(写真撮影/大嶺 建)

【画像25】(写真撮影/大嶺 建)

【画像25】(写真撮影/大嶺 建)

それにしても暑い。ZEHの家では高断熱材を使用しているので、部屋がとてもあたたかい。普段なら快適で過ごしやすい家なのかもしれないが、自転車を漕いでる今はそれが仇になっている。

とりあえず着ていたパーカを脱いだ。あと脱水症状が怖いので、水分は多めにとるようにした。

【開始から2時間】着替えてテンションをあげる【画像26】(写真撮影/大嶺 建)

【画像26】(写真撮影/大嶺 建)

走り始めて1時間経ったころに、膝がガクガクしていることに気づいた。運動不足がここに来て響いている。早くも辛くなってきた。

しかしこちらも太陽光発電に勝つために準備はしっかりとしているのだ。テンションをあげるために着替えよう。

【画像27】(写真撮影/大嶺 建)

【画像27】(写真撮影/大嶺 建)

【画像28】(写真撮影/大嶺 建)

【画像28】(写真撮影/大嶺 建)

【画像29】(写真撮影/大嶺 建)

【画像29】(写真撮影/大嶺 建)

【画像30】(写真撮影/大嶺 建)

【画像30】(写真撮影/大嶺 建)

ということでサイクルウェアに着替えた。初めて着たけど異常にカッコイイ……!

なぜこれを着たのかというと『弱虫ペダル』という自転車漫画が僕は好きで、ロードバイクに憧れがあるのだ。なのでサイクルウェアを着ただけで自然と笑みがこぼれてくる。やる気も出てくるのだ。

日本一周のときに学んだことの一つに「体力よりも精神を安定させた方が漕ぐ力が湧いてくる」という僕の中での学びがある。なのでこのサイクルウェアにも大きな働きがあるのだ。断じてただコスプレがしたかったわけではない。

【画像31】(写真撮影/大嶺 建)

【画像31】(写真撮影/大嶺 建)

僕が必死に漕いでる横でカワシマユカさんは『魔法少女まどか☆マギカ』というアニメのSNSゲームをずっとやっており、開始30分くらいでこの体勢になっていた。もはや実家のようである。

僕のことはまるで空気のように意に介していなかった。思っていたよりも図太い子なのかもしれない。

【開始から3時間】夜ご飯【画像32】(写真撮影/大嶺 建)

【画像32】(写真撮影/大嶺 建)

この日の制限時間は22時までなので(念のために騒音の心配も考慮して)、まだまだ先は長い。倒れないように食料と水は定期的にとるようにする。この「自転車に乗りながら携行食を食べる」というのも『弱虫ペダル』の憧れのシーンなのである。箱根の直線鬼と呼ばれる新開隼人がやっていて、それが真似できたのでひそかにテンションが爆上がりしていた。

ただこのくらいの時間が一番つらいのだ。まだまだ終わりは見えないし、漕ぎ続けないといけない。

必死に自転車を漕いでいるとインターホンが鳴った。「誰だろうか?」と疑問に思っているとカワシマユカさんが玄関に向かっていった。誰かがやってきたようだ。

【画像33】(写真撮影/大嶺 建)

【画像33】(写真撮影/大嶺 建)

【画像34】(写真撮影/大嶺 建)

【画像34】(写真撮影/大嶺 建)

【画像35】(写真撮影/大嶺 建)

【画像35】(写真撮影/大嶺 建)

……

携行食を食べている僕を尻目にカワシマユカさんの夜飯がこれみよがしに到着した。ピザと寿司とコーラである。「欧米か!!」という懐かしいフレーズで全力でツッコミたくなる夜ご飯である。

【画像36】(写真撮影/大嶺 建)

【画像36】(写真撮影/大嶺 建)

実においしそうに食べるカワシマユカさんを横目に足を動かす。僕は初めに「闘いなのでムカつくことをやってください」とお願いしているため、彼女は何も間違ったことはしていない。正しい働きなのだ。彼女をキャスティングしてよかった。ムカつくけど。

それから一つ言っておきたいのは、僕はピザや寿司は食べていない。お腹いっぱいで自転車に乗ると辛くなるのは経験則で分かっているし、何事も真剣にやったほうがおもしろくなると思っているからだ。

【開始から4時間】体にガタが来る【画像37】(写真撮影/大嶺 建)

【画像37】(写真撮影/大嶺 建)

だんだんと体力の限界に近づいてくる。足のガクガクが尋常じゃなくなってくるし、飲み物の消費量がかなり多くなってくる。もうすでに2リットルを消費している。

【画像38】(写真撮影/大嶺 建)

【画像38】(写真撮影/大嶺 建)

その一方でカワシマユカさんはポテチを食べながらゴロゴロしていた。まさにアイドルニートに恥じない動きである。

【開始から5時間】昔を思い出す【画像39】(写真撮影/大嶺 建)

【画像39】(写真撮影/大嶺 建)

【画像40】(写真撮影/大嶺 建)

【画像40】(写真撮影/大嶺 建)

体力は消耗しているものの、だんだんとどのくらいのペースで漕げば良いのか掴んできたので、スマホをいじりながらでも走れる余裕が出てきた。

またも自転車日本一周したときの知識が活きてきた。「中途半端に休んだり走ったりしてはいけない」ということを思い出したのだ。自転車で長い距離を走るためには常に一定のペースで走るのが大切だ。マラソンと同じだ。常に漕ぎ続けろ……!!

【画像41】(写真撮影/大嶺 建)

【画像41】(写真撮影/大嶺 建)

僕の心の中で熱い思いがほとばしっているとき、カワシマユカさんはスマホで『弱虫ペダル』のアニメの最新話を見ていた。

いやいやいや、真横で一人でママチャリで必死に走っているんだからこっち見てくれ。スマホに写った『弱虫ペダル』じゃなくて、現実のママチャリ男をせめて応援してくれ。

【開始から6時間】今日のラストラン【画像42】(写真撮影/大嶺 建)

【画像42】(写真撮影/大嶺 建)

途中で足をつりながらも、いよいよラストスパート。とにかく必死に漕いで漕ぐしかない。何も考えず、ただただ走り抜くだけである。ここまで来ると体力ではなく精神の問題である。

大丈夫だ。おれは最後までやれる。走れる。頑張れる。やれる。頑張れ。最後まで……!!

【画像43】(写真撮影/大嶺 建)

【画像43】(写真撮影/大嶺 建)

ちらりと横を見るとアイスを食べながら彼女はこっちを見ていた。

クソ野郎……!!

就寝【画像44】(写真撮影/大嶺 建)

【画像44】(写真撮影/大嶺 建)

6時間走り切ったので、いよいよ就寝である。しかしさすがにアイドルと同じ部屋で寝ることはできないので、池本編集長の紹介で近くにある知り合いの家に移動した。

泊まらせてもらう家は、築95年の木造建築の長屋なので、先ほどのZEHの家と比べてかなり寒い。

【画像45】ZEHの部屋の壁の温度(写真撮影/大嶺 建)

【画像45】ZEHの部屋の壁の温度(写真撮影/大嶺 建)

【画像46】築95年の長屋の壁の温度(写真撮影/大嶺 建)

【画像46】築95年の長屋の壁の温度(写真撮影/大嶺 建)

ついこの前Amazonで「壁の温度が測れる機械」があったので衝動買いした(なんで買ったのか覚えていない)。

試しにZEHと長屋でどのくらい違うのかやってみたら一目瞭然であった。壁の温度が8度も違うのだ。やっぱり高断熱材を使用している効果がハッキリと出ている。数値を見たら余計に寒く感じてきた。壁の温度なんて測らなければよかったと後悔した。

【画像47】(写真撮影/大嶺 建)

【画像47】(写真撮影/大嶺 建)

【画像48】(写真撮影/大嶺 建)

【画像48】(写真撮影/大嶺 建)

あまりに寒かったので寝袋を借りて就寝。まさか家の中で寝袋を使うことになるとは思わなかった。あとこの企画が思ったより過酷で辛い。

こうやって写真で見ると寝るときの差がえげつない……。

ラスト2時間【画像49】(写真撮影/大嶺 建)

【画像49】(写真撮影/大嶺 建)

朝6時前に起きた。前日が過酷で「もうやりたくない……」となるかと思ったが、意外にも気持ちはやる気で満ち溢れていた。

早めにZEHの家に戻り、朝の7時から再び漕ぎ始めた。いよいよ残り2時間である。これで勝負が決まる。

コツコツやっている人が勝つ世の中であって欲しい。そう願いながら必死に漕ぐ。

【画像50】(写真撮影/大嶺 建)

【画像50】(写真撮影/大嶺 建)

思えば21のときに家出をしてママチャリ日本一周をしてから、もう7年も経っていた。あのときはとにかく毎日必死に生きていて、明日のことなどこれっぽっちも考えていなかった。

毎日とにかく必死にペダルを漕いで、毎日必死に限界に挑んだ。

今はどうだろうか?
毎日を必死に生きているだろうか?
一つ一つを大切に生きているだろうか?

どうですか?僕?

あのころを思い出して今はペダルを漕いでいる。久しぶりに全力で生きている。今はそれがただただ誇らしい。

【画像51】(写真撮影/大嶺 建)

【画像51】(写真撮影/大嶺 建)

完走……!!!

今日僕はここで大切なことを思い出し、大切なものを手にいれた。

カワシマユカさんもこの僕の姿にきっと感動しているはずだ……!!

【画像52】(写真撮影/大嶺 建)

【画像52】(写真撮影/大嶺 建)

化粧してました。

結果発表

5Wでずっとやり続けてきた僕の結果は約35Whという結果になった。僕は電力などには詳しくないが、これはそこそこの結果なんじゃないだろうか? 距離もサイクルメーターで測っていて約70kmを走破したことになる。

ということで、運命の結果発表……

【画像53】(写真撮影/大嶺 建)

【画像53】(写真撮影/大嶺 建)

【画像54】(写真撮影/大嶺 建)

【画像54】(写真撮影/大嶺 建)

なんと太陽光発電!!

しかも差が圧倒的だと言う。嘘だ。地道に努力して努力して、必死に漕いだあの時間はなんだったんだろうか。いやいや確認間違いの可能性もある。

それなりに頑張ったがさすがに最新鋭の機械には勝てないかもしれない。しかし「太陽光発電とどのくらい良い勝負ができたか?」ということだ。端末にてその結果を確認する。

【画像55】(写真撮影/megaya)

【画像55】(写真撮影/megaya)

昨日の発電量のデータを確認したのだが、昨日の発電量は1Whや2Whが多く、僕よりかなり低い数値を叩きだしていた。

「あれ? これ結果発表間違っていたんじゃないか?」

と思いもう一度確認したみたところ「単位の読み間違えしていませんか?」と指摘された。ん? 単位?

【画像56】(写真撮影/megaya)

【画像56】(写真撮影/megaya)

 【画像57】(写真撮影/megaya)

【画像57】(写真撮影/megaya)

単位が「kWh」だ。つまり僕が一生懸命に稼いでいた「Wh」の1000倍である。ZEHの家では1時間で最大3kWhも発電していた。太陽光発電に今の同じペースで追いつくためには、僕があと685人はいないとダメということだ。

僕は今まで家庭の電力はWh計算だと勝手に勘違いしていた。だからスマホの5Whを走り抜ければ勝てると思っていた。その勘違いをしたままだったので、つまりはこの企画がスタートした時点で負けが確定していたということだ。自分の無知さが憎い。

さらに僕の漕いだ電力を円に換算(1kWh=24円)すると約0.8円らしい。1円にすら満たない。どんなに頑張っても日本円にはならないのだ。つらすぎる。

真っ白に燃え尽きたよ。

発電は圧倒的に太陽光発電

1日当たりの電気使用量平均は18.5kWhくらいで、この家(ZEH)の発電量は、だいたい20kWh近くはいくらしい。ほぼ発電だけで電力をまかなえていることになる。

自転車だと1日分の電力稼ぐだけでも何年かかるか分からない。自転車発電ってもっと効率の良いものだと思ってた。よくよく考えたら効率がもしよかったら色んな家庭で流行るはずだもんなぁ……。

【画像58】(写真撮影/大嶺 建)

【画像58】(写真撮影/大嶺 建)

【画像59】(写真撮影/大嶺 建)

【画像59】(写真撮影/大嶺 建)

というか必死にやっている感じずっと出してたけど、実はアイス食べたり、カワシマユカさんがつくった動画見てたりしてだいぶ休んでいた。

8時間漕いで70kmしか走ってないのを考えると、思っていたよりサボっていたというのが自分でも分かる。

【画像60】(写真撮影/大嶺 建)

【画像60】(写真撮影/大嶺 建)

最後にカワシマユカさんに「今回、ZEHの宿泊体験でどこが一番よかった?」という話を聞いてみたら、

「シャワーが上下に動くのが一番良かったです!」

と元気よく教えてくれた。いやそれZEH全然関係ないから……!!

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この記事のライター

SUUMO

『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。

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