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上野動物園で生まれたシャンシャンが火付け役となり、近頃は空前絶後のパンダブーム。連日、パンダ!パンダ!とメディアを賑わせ、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いですが、一方で不動の人気を誇る“
飛ばぬ鳥”
がいるのをご存じでしょうか。
昨年、とある「好きな動物ランキング」では犬、猫に続き、堂々第3位にランクイン。「キュートな姿に骨抜き、腰砕け!」との声が続出する魅力的な“
飛ばぬ鳥”
といえば—そうペンギンです。
彼らの生態は未だ解明されていない部分が多いのですが、調べれば調べるほどなんとも“
どんまい”
な生活ぶりが浮かび上がってきました。さて、何が“
どんまい”
か?ここで、そのエピソードの一部を紹介しましょう。
①よちよち歩きより、腹で滑るほうが実は速い!?
水族館や動物園で見るペンギンたちはボーッと突っ立っているイメージの方が強いかもしれません。ですが、よちよちと不安定に歩く姿を想像してもらえればわかるように、実は彼らは腹で滑った方が速く移動できるんです。
体の大きいエンペラーペンギンなどは、腹ばいになってズベーッと氷の上を滑ります。しかも、「ふむ、ここは滑りやすそうだな!」と氷のツルツル度をチェックをするという徹底ぶり。ふとっちょペンギンは腹で滑る方が楽だし、速いんです。
②換羽中は頭はモヒカン、お腹はペコペコ!?
そもそもペンギンの体中に生えているのは、毛じゃなくて羽毛って知っていました?(みなさん、ペンギンは“
鳥”
ということ、お忘れなく!)
彼らには、古い羽毛が新しい羽毛へ生え替わる「換羽期」が年に一度訪れます。この換羽中は防水機能が落ちるため、彼らは海へ魚を捕りに行けません。
……ということは?おのずと絶食をするしかないのです。
一番大きなエンペラーペンギンは平均34日間も換羽に時間がかかるため、終わるころには体重が半分くらいになってしまいます。なんという、悲劇!換羽期間中は空腹に耐えながら抜け落ちるのをじっと待つことしかできません。できるだけエネルギーを使わず、ひたすら風に吹かれながら。
そして、この換羽にはおもしろい個性が出ます。頭のてっぺんだけ羽毛が残ってモヒカンみたいになったり、胸元だけに残って胸毛みたいになったり……。抜け落ちる箇所によって、どんまいな感じが高まります。腹ペコなうえに、不恰好なスタイルを晒されるなんて、人間だったら耐えられない!
③うんこを撒き散らすから、巣の周りにうんこの花が咲く!?
小石を積み重ねて巣をつくるアデリーペンギンの巣の周りには、巣を中心に放射状に白い線があり、花のような模様ができます。
これが何かって?
うんこですよ。ペンギンのうんこ。
彼らは自分の巣は汚したくないので、おしりを巣の外に突き出してうんこを飛ばします。密集した場所に巣をつくるアデリーペンギンは、お隣さんの体にうんこをかけてしまうこともしばしば。文字通りうんこまみれになりますが、彼らにとってはお互い様なのかうんこにまみれてもケンカになることはありません。潔いのか、鈍感なのか……。
このようなペンギンたちのちょっぴり笑えるどんまいなエピソードを、大人たちが本気で集めた『それでもがんばる! どんまいなペンギン図鑑』が大好評発売中です。驚きのペンギントリビアは、あなたを魅惑のペンギンワールドへ誘います。
どんなに不条理なことがあっても、“
どんまいだな!”
とひたむきに懸命に生きる彼らから、日々、癒やしとパワーをもらえること間違いありません。
文_宮本香菜
イラスト_しば、鮎
※画像、文章の無断転載はご遠慮ください
『それでもがんばる! どんまいなペンギン図鑑』
著者:渡辺佑基 監修
この記事のライター
宝島オンライン
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