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家の中でみんなが一番長く過ごす場所、LDK。どんな空間をつくったらくつろげる場所になるのか。リフォームをする際の間取りの考え方や光の取り入れ方などを、今注目の2人の専門家、スタイル工房のチーフプランナー鈴木ゆり子さんと、ハンディハウスプロジェクトの中田裕一さんに語ってもらった。
くつろげるLDKにするには、変化に対応できる余白が必要
鈴木 くつろぎの定義は人によって違いますよね。例えば、ソファの上でゴロゴロするのが好きな人もいれば、床に座ってソファに寄りかかる方が落ち着く人もいます。
中田 その意味でも、家を設計するときに、今どんなふうに暮らしているかを理解することは、すごく大切ですね。
鈴木 ご自宅に伺った際に、ご家族の好きなくつろぎスタイルとか、持っている物の量とかいろいろな情報を受け取っています。ただ、くつろぎ方は時間とともに変わっていく部分もあるので、私はリフォームで100%つくり込まなくていいと思っています。全部を決め込むと暮らしが窮屈になるので、余白を残して暮らす人に季節や時代で変えてもらえたらいいですよね。
中田 そうですね。例えば夫婦2人の間は、家族が一番長く過ごすLDKを最大限にして、子どもの成長や家族構成の変化に合わせて、1LDKや2LDKに仕切っていくこともありですよね。安らげる場所があれば、そこがその人にとってのリビングになるのだと思います。
中田 居心地よく暮らすためには、目線への配慮も大切ですね。LDKにも収納や物を隠せるスペースはあった方が、見た目がうるさくならないからホッとできます。
鈴木 特にキッチンは物が多く煩雑に見えがちですものね。
中田 僕はパントリーをつくるときに、リビングから見えない場所に配置できないかを考えるようにしています。
鈴木 私も大型家電などはリビングの視線から外すようにしています。余計な物を視界に入れないこともくつろぎ空間の要件の一つです。
中田 そういう普遍的な部分は、プロとしてきちんと考え、伝えていきたいですね。
鈴木 仕上げ(内装)は完成形を想像しやすいですし、お施主様の好みを活かすことで、自分らしくいられる空間になりますよね。
中田 素材もテイストもさまざまな物があるので、自分たちの好きな物を選んでほしいですね。その方が住まいへの愛着も増して、和める空間になる。以前の住まいの古材を使って、歴史を継承できることもリフォームの魅力です。
鈴木 古い物の良さと、新しい部材や設備の性能の良さの両方が共存できますからね。
中田 性能という点では、僕は断熱リフォームをきちんとすることをお薦めしています。家の中でゆったり過ごすために、断熱性は重要なファクターですから。
鈴木 心地のいい明るさも大切です。ガラスを間仕切り壁に入れたり、ガラスブロックを使ったりすることで、奥の部屋や廊下にも光や風を取り入れることができます。
中田 くつろぎ空間には採光や通風、断熱性などのハード面と、自分たちらしく過ごせる間取りや人の目線を気にしなくていい収納などのソフト面があるということですね。
リフォームでくつろぎ空間をつくるには「余白」「目線への配慮」「好みの内装」を重視すると良いことが分かりました。みなさんもこれを参考に、くつろぎ空間を手にいれてくださいね。
文/中城邦子
●取材協力この記事のライター
SUUMO
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