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【大久保麻梨子、台湾5年生】華流俳優・劉以豪と「家族」に!? ~初めての春節~
台湾で暮らす外国人が、1年のうち最も暇な時期。それは、旧正月(春節)だ。
日本同様、元旦の1月1日にも新年の挨拶はするが、それよりも台湾では旧暦に基づいたお正月を盛大に祝う。
旧正月が近づくと学校も仕事も一斉に休みに入り、家族団らんで過ごすのが通例。
家族思いな台湾の人たちは、一家全員の休みがそろうこのチャンスに海外旅行を楽しむことも多い。そうすると航空券が普段の2~3倍の価格に跳ね上がってしまうため、せっかくの長期休みにも、日本へ帰国する気が失せてしまうのだ。
2012年1月22日(日)、私は台湾で初めて、旧暦の年越しを迎えようとしていた。
ちょうどその頃、語学学校への通学と並行して、現地の芸能事務所へ無事に所属。広告などの仕事をスタートして共演者さんやスタッフさんと知り合い、台湾人の友だちができはじめた頃だった。
だが、そんな台湾の人たちも旧正月には家族と集まるし、語学学校のクラスメートも大半が帰国してしまう。
私は、例の狭くて窓のない部屋で1人、暇を持て余していた。
暇つぶしにのぞいたのが、台湾の友人たちに「やってないなんて信じられない」と言われて開設したFacebook。ぼんやり眺めていると、みんな、それぞれの家族と一緒の写真をUPしている。
なんだか寂しさを感じていたら、CM撮影で共演して仲良くなった人気俳優兼モデルの男の子、劉 以豪(リウ・イーハオ)からメッセージが届いた。
「お正月だから日本に帰ってる?」
「ううん、台湾だよ」
「何してるの?」
「何もしてないよ。1人で家にいる」
「えっ!? 大晦日なのに1人っきりだなんて!!」
普段から、家族で集まる機会が多い台湾。中でも、この春節は1年で最も大事な日なのだ。
そんな時に1人でいるなんて信じられない!ダメだ!! と心配され、最終的には「今から家へおいで」と誘われてしまった。
大事な日の家族団らんに、見知らぬ外国人が突然、お邪魔するなんて……。さすがに厚かましすぎて、気が引ける。
けれど直前にFacebookを見て、私も家族が懐かしくなっていた。それに、台湾の一般家庭の旧正月の過ごし方をぜひ体験してみたい。そんな好奇心も手伝って、結局お邪魔させていただくことに。
(↑treasures編集部 注:写真手前が劉 以豪さん。ちなみに劉さんは、癒し系俳優として大人気♥)
手土産を買い、教えてもらった住所に向かう。家の呼び鈴を押すと、出迎えてくれたのは、顔のちっちゃい優しそうなお母さん。「歓迎光臨(ようこそ)」と、笑顔でドアを開けてくれた。
家の中にいたのは以豪と、以豪のお父さん、お姉さん、そして綺麗な毛並みの犬が2匹。
リビングに通されると、テーブルの上には中国料理レストランでしか見たことがない、くるくると回る円卓が。そして、その上いっぱいに、お母さんが作った料理が並べられている。
日本を出てから、約9カ月。すっかり家庭の味に飢えていた私は、その温かな食卓を見ただけで、ぐっと来るものがあった。
全員でテーブルを囲み、お父さんの掛け声に従って何度も何度も乾杯。美味しいお酒と豪華な手料理をいただく。
みんな、私のつたない中国語にも優しく耳を傾けてくれて、本当に温かい時間を過ごさせてもらった。
食後に談笑していると、お母さんが真っ赤な封筒を持ってやってきた。
何かと思えば、この真っ赤っかな封筒が台湾版“
ポチ袋”
。中にはお年玉が入っているのだ。
以豪とお姉さんに配られ、その後、私にも差し出される。
それは本当に申し訳ないからと遠慮すると、縁起ものだからもらってね、と封筒を握らされた。
「もう娘のようなものだから、いつでも遊びにきなさい。
明日も明後日も何も予定がないのなら、うちで過ごしなさい」
そうハグをされた私は本当に、翌日から旧正月の間、毎日お家に通った。
それからというもの、たびたびご飯を食べにきなさいと電話をもらったり、病気の時には病院に連れて行ってもらったり、彼氏ができたら連れてきなさいと言ってくれたり……。すっかり家族の一員に。大切に思ってくれているのが、ひしひしと伝わってきて幸せな気持ちでいっぱいになる。
そんな台湾の家族と、毎年、旧正月になると行く場所がある。
台北で有名なお参りスポット「行天宮」だ。
お正月はもちろん、普段でもなにかモヤモヤする時なんかに行くと、不思議と元気になれる。いわば、私のパワースポットだ。
寺廟内は春節だけではなく、日ごろから多くの参拝客で賑わっている。みんな、それぞれ真剣に願い事をするために足を運んでいる。お祓いのために並ぶ列でも私語厳禁という気合の入りようだ。
(↑treasures編集部 注:参拝客が持参するカラフルな供えものや花)
そんな境内に立つと、おのずと自分自身と向き合う時間が持てる。迷ったり考えすぎたりした時、リセットするには格好の場所なのである。
ちなみに、この「行天宮」は仕事運の上昇が狙える寺廟でもある。いま現在、私が台湾の芸能界で女優業に打ち込めるのも、ここの神様のお陰なのかもしれない。
【麻梨子的台湾案内⑤ 行天宮】
商売繁盛の神様として信仰されている三国時代の将軍、関羽をまつっている。青い服を着たボランティアによる無料のお祓い、「収驚」が名物。屋根の上にあしらわれた龍や不死鳥など、独特な造形美も鑑賞したい。
「ここ、行天宮は、占い横丁があることで人気のスポットでもあるのですが、地元の方にとっては商売の神様としても、とても有名なんです。
私自身も台湾に移住して、仕事をしていくなかで大きな挫折に直面。日本に帰ろうかな~と悩んでいた時期があったんですが、そんな時、よくここへ足を運んでいました。
そのご利益なのか、それも乗り越えることができたの。私が身をもって体感した行天宮パワー。
日本のみんなにも必ず訪れてもらいたい、おすすめパワースポットの1つです」(麻梨子)
<アクセス方法>
MRT中和新蘆線「行天宮駅」から徒歩5分
住所:民權東路2段109号
開門時間:4:00~22:30(祭事による時間変更あり)
【Profile】
大久保麻梨子(おおくぼ まりこ)
1984年9月7日、長崎県生まれ。
2003年に「Sea Story Audition 2003 マリンちゃんを探せ!!」で初代グランプリを獲得し、芸能界デビュー。グラビアアイドルとして活躍する。2008年、女優業をスタート。CMやドラマ、映画で活躍するのと同時に、写真集を計9冊出版。
2011年、台湾に移住。中国語を学びながら、台湾の芸能界でタレント・女優として活動開始。2013年、日本人として初めて、台湾最大規模のテレビアワード「第48回金鐘獎」テレビ映画部門 最優秀助演女優賞に輝く。2016年TTV連続ドラマ「幸福不二家」では主演を務めた。
目標は女優として幅広い役に挑戦することと、台湾アンバサダーとして日本と台湾の橋渡しをすること。
Text 大久保麻梨子
*次回は3/19(日)掲載予定です。
※文章・画像の無断転載はご遠慮ください
大久保麻梨子 公式Instagramアカウント→
@marilog0907
所属事務所:オフィス303
www.office303.jp
この記事のライター
宝島オンライン
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