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子育て中は悩みやストレスを抱えることも多いのではないでしょうか。子供の年齢によっても悩みの性質は異なるものですが、特に思春期を迎えた子供がいるときには、悩みが大きくなりやすいかもしれません。中学生の親を対象にした調査に心理的な状況に関するデータがあるので、ご紹介します。
反抗期の子供との接し方に悩むなど、ちょうど思春期ごろになると、幼少期とは異なる大変さがあります。そのときに、子供のことにばかり目を向け、自分の心の状態について鈍くなり、知らず知らずにストレスを溜めてしまうことで、うつになってしまう事態は避けたいものです。また、イライラしてしまうことで、子供との関係が余計に悪化する場合も考えられます。
では、実際に思春期の子供のいる親はストレスを感じているのでしょうか?
中学2年生の子供とその親を対象に実施した「子供の生活状況調査の分析 報告書」の中で、うつ病や不安障害などの精神疾患をスクリーニングすることを目的として開発された「K6」という調査方法を用い、保護者の心理的な状況を調べたものがあります。
その結果がどうだったのか、見ていきましょう。
保護者の心理的な状態(K6 のスコア)/内閣府「令和3年 子供の生活状況調査の分析 報告書」より
「K6」は「神経過敏に感じた」「絶望的だと感じた」「そわそわ、落ち着かなく感じた」「気分が沈み込んで、何が起こっても気が晴れないように感じた」「何をするのも面倒だと感じた」「自分は価値のない人間だと感じた」という6つの項目にどの程度該当するか尋ね、スコアを算出します。算出したスコアが高いほど、抑うつ状態が強いことを示しています。
10点以上だと「気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている」とされていますが[*1]、本調査では「10~12点」が9.7%、「13点以上」は9.2%という結果になりました。両者をあわせると18.9%になります。
とはいえ、この数字が果たして多いのか、少ないのかというのが気になりますよね。
比較対象として、「2019年国民生活基礎調査」[*1]では、K6のスコアが10点以上の人の割合は、20歳以上で10.3%となっています。また、国の事業である「健康日本21(第二次)」の目標の項目の1つに「こころの健康」がありますが、そこでは、K6のスコアが10点以上の人の割合を、令和4年度に9.4%にすることが掲げられています[*2]。
これらと比べると、18.9%という数字は高いといえそうです。
思春期の子供の行動に悩んだり、塾の費用など経済的な負担が増えたりすることで、心の余裕がなくなりやすい時期のかもしれません。また、新型コロナウイルスの影響も考えられるでしょう。
参考文献 [*1]厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」 [*2]国立健康・栄養研究所:健康日本21(第二次)分析評価事業
世帯の状況別、保護者の心理的な状態(K6 のスコア)/内閣府「令和3年 子供の生活状況調査の分析 報告書」より
また、世帯の状況別に分けて見ると、スコアが「13点以上」の割合は、「ふたり親世帯」では7.9%であったのに対し、「ひとり親世帯」全体では18.1%、「母子世帯」のみでは19.1%と、およそ2倍以上多くなっていることがわかりました。
ひとり親の場合はふたり親と比べて負担が多く、精神的ストレスも増えやすいことが想像されます。
新型コロナウイルスの影響も考えられますが、中学生の子供のいる親は、精神的負担を感じている人が少なくないことがわかりました。国が定める目標値と比べても2倍以上になっています。
自分ではストレスを感じていることを気づきにくいケースもあるので、特にストレスを感じていないようでも、リフレッシュの時間を常に持つよう心がけたりできるとよいかもしれませんね。
■令和3年 子供の生活状況調査の分析 報告書(内閣府)調査対象者:中学2年生及びその保護者サンプル数:2,715組調査期間:令和3年2月12日(金)~3月8日(月)調査方法:郵送配布-郵送回収またはオンライン回答
(マイナビ子育て編集部)
※画像はイメージです
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