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お笑い芸人や音楽プロデュース、テレビ番組のMCなど、多忙な毎日を送りながら、2児のパパとして育児に奮闘する様子をSNSで積極的に発信している古坂大魔王さん。同じように育児や夫婦関係のことで悩んでいるパパ・ママのお悩みに、ズバッと切り込みます。
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自分のやったことをたくさん報告してくる夫……ですか。それは残念なことに僕も身に覚えがあります。育児をあまりしていなかった頃は、うんちの出たおむつを1回替えただけで「よっしゃ~! やったぞ~!」と圧倒的な達成感を得て、いちいち妻に報告していました。今考えると、すごく面倒くさいですよね(笑)。
いちいち報告しているダンナさんは、家事も育児もそれほどやっていないのではないでしょうか? 一方、相談者のみきこさんは、家事も育児も多く担当されているのだと思います。日々ちゃんとやっている人は、それが当たり前になっていて、いちいち言わないと思うんです。みきこさんが日々がんばっている証拠ですね。まずは自分を褒めてあげてください。
ダンナさんに悪気はないかもしれないけど、全体が見えていないんだと思います。それは、みきこさんとの実力差が大きいから。たとえるなら、小学校1年生と小学校6年生みたいなものです。小1は「字が書けた~!」と大騒ぎしますが、小6から見たら「字が書けるくらい当たり前でしょ」ってなりますよね。
大人になっても、仕事でも同じことです。
何が言いたいかというと、まだ初心者のダンナさんに、ぜひプロの凄みを見せてあげてください。ぜひ、いったんはダンナさんの報告を受けとめて、「ありがとう」じゃなくてもいいから……、そうだなあ、たとえば「すごいじゃん!」って大げさに褒めてみてください。
ただ、いちいち一方的に報告されるとイラっとすると思います。だから、さらに笑顔でこう続けるんです。「私も褒めてほしいんだけど、じつは私は食事の買い出しをして、子どもをお風呂に入れて、洗濯をして片付けて、冷蔵庫の掃除をして、おむつのストックを確認して、買い物に行って、ゴミをまとめて……これ全部やったの」って全部を羅列して言ってみるのはどうでしょうか。
その上で、さらに「じゃあ、明日はこれもお願い」とダンナさんの家事や育児のタスクをどんどん増やしていってください。今日は1つなら、明日は2つ、あさっては3つ、とダンナさんのタスクが増えれば増えるほど、みきこさんはラクになっていくはずです。
もちろん育児で大変なときに、こんな工夫をしないといけないのは負担だと思います。だけど、現実的には夫も妻も子どもも100人いれば100通りのタイプがあって、みんななんでもすぐにできるとは限りません。お互いに得意不得意も不満もあって当然だから、現実的に対処していくしかないんじゃないかなと、僕は思います。
男女どちらにしても、家事や子育てが下手ならほかのことで負担してもいいと思います。でも、やっぱり可能な限り夫婦が同じくらいできるように努力することは必要だと思います。こういうふうに言うと、男性からは「女性が多い取材現場にいるからでしょ」「こう言わないと炎上するんじゃないの?」と言われることもあります。だけど、それは絶対に違います。
育児も家事も当事者としてやったほうが楽しいし、家族全員が仲良くなれるんです。以前は、たった3時間だけワンオペで子どもひとりの面倒をみて悲鳴をあげていた僕が、今では子ども二人の面倒を長くみることができる。そして、「いつも私が子どものそばにいなくちゃ」と言っていた妻が、「ひとりで出かけてこようかな」って任せてくれるようになったんです。人は変われるんですよね。
しかも子育ては仕事にも活きていて、オムツ替えにしても、保育園に子どもを連れて行くプロセスにしても、手順がありますよね。おむつはベビーベッドの近くに、おしりふきはここに置いて手に取りやすく……。そういう流れを組むのは、コントの構成を考えるのにも似ていて、仕事にも役立つんです。家事や育児は、家の総務。これができないことには、仕事もできないと思います。
みきこさんは「小さなことを気にする自分も嫌」と書かれていますが、全然小さなことではないし、ダンナさんに「ありがとう」と言っているだけすごい。たとえばですけど、家事や育児の分担量の少ない僕でさえ、もしも妻に一方的に報告ばかりされて、お礼ばかり言うはめになったらイラっとすると思います。だから、この回答が少しでも役に立てばうれしいです。
1973年7月17日生まれ。青森県出身。1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は、芸人、DJ、音楽プロデューサーのほか、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使を務めるなど、マルチな才能を活かして活躍中。2児の父。NHK Eテレ『すくすく子育て』、日本テレビ『スッキリ!』をはじめ、多数のバラエティ・情報番組に出演中。プロデュースするピコ太郎の公式YouTubeチャンネル内に幼児向けコンテンツ「ピコスタキッズ」を開設した。
ピコ太郎のYouTubeチャンネル『-PIKOTARO OFFICIAL CHANNEL-“PIKO ST KIDS”』Twitter @kosaka_daimaou
(取材・文:大西まお、撮影:天田輔[インタビュー]、佐藤登志雄[タイトル・結論]、編集:マイナビ子育て編集部)
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