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おやつを買うとき、せんべいとおかきのどちらを買うか悩んだことはありませんか。せんべいとおかきの違いは、正直よくわからないという人も多いでしょう。今回は、よく似たふたつのお菓子について、歴史や作り方もまじえて違いを解説します。もう買い物で迷うことはありませんよ。
おかきとおせんべいは、味も食感もよく似ています。スーパーのお菓子売り場では、同じコーナーに並んでいることが多いですね。
両者の大きな違いは、原料です。
おかきの原料は、もち米。おせんべいの原料は、うるち米です。どちらもお米が原料なので、味や食感が似ているのは当然。ただ、お米の種類が違うため、多少風味が違います。
もち米は、おもちを作るときに使うお米。おもちを焼くとふくらむように、おかきも焼かれてふくらみ、軽い食感になります。うるち米は、私たちがふだん食べているお米です。火を加えてもふくらみにくいので、おせんべいは硬い食感になります。
商品名に「おかき」「おせんべい」という言葉が入っていないものは、パッケージ裏の原材料名で確認しましょう。
おかきは、もともと正月飾りの鏡餅を割って作るお菓子でした。鏡餅は、お正月があける鏡開きの日に、1年の無病息災を祈願して家族みんなで食べます。鏡開きの日は地域によって違いますが、1月11日に行われるところが多いようです。
鏡開きの日まで飾られた鏡餅は、当然硬くなっています。これを木槌などで欠いて食べるので、「欠き餅」。そこに平安時代の女房言葉の「お」がついて、「おかき」と呼ばれるようになりました。
一方のおせんべいは、形の悪いくず米や粉になったお米を利用して作られていました。一説には、お団子屋さんがあまった団子をのばして焼いたのがおせんべいのはじまりともいわれています。しかし、弥生時代には穀物を粉にして、平たくして焼いた食品があったということがわかっています。おせんべいが庶民のおやつとして広く親しまれるようになったのは、江戸時代からです。
おかきとおせんべいでは、形が違います。もちろん、お米を粉にして整形して焼くので、好きな形にできるわけですが、おかきは四角い形が多く、おせんべいは丸い形が多いです。
おかきは、おもちをついたあと、四角い木箱(のし箱)に入れて整形し、切り分けて焼いて作ります。そのため、四角い形になるのです。箱に入れずに丸く整形したお餅を切り分けた、半月形のおかきもあります。
ちなみに、同じもち米でできた米菓子に「あられ」があります。あられは、小さいおかきの名称です。パラパラとした粒が冬に降る霰(あられ)に似ていることなどから、あられと呼ばれています。
おかきもおせんべいも、さまざまな味付けのものが売られていますが、基本の味は醤油。ここにも微妙な味付けの違いがあります。
おかきは、醤油にみりんや砂糖、出汁などを加えたたれを使って焼き上げます。おせんべいは、醤油のみで味付けするものが多くなっています。
これは、おかきがおもに関西地方を中心に食べられているお菓子であることに起因します。関西では出汁の味を重視する出汁文化が根付いているため、味付けにも出汁を使用するのです。
おせんべいは、醤油の生産が盛んな関東地方でおもに食されていたため、醤油のみで味付けすることが主流になりました。
おかきの材料であるもち米とおせんべいの材料であるうるち米(663kcal/100g)を比べると、もち米(801Kcal/100g)のほうが若干カロリー高めです[*1]。
もちろん、味付けによってカロリーは大きく変わりますが、基本の材料・味付けだと、おかきのほうがカロリーは高めになります。おかきは焼いて作りますが、生地を油で揚げて作る「揚げ餅」も、「おかき」という名称で売られていることがあります。揚げてある分、カロリーも高くなりますので、気にする方は製法にも注意してみてください。
おかきとおせんべいの違いは、調べてみると微妙に感じますが、実際に食べ比べてみると、やはり違うものだとわかります。伝統的に長く食べられているお菓子ですので、日本人の感覚として両者の違いが身についているのかもしれませんね。どちらもお茶請けにぴったりのお菓子です。日本茶を用意しておいしくいただきましょう。
(マイナビ子育て編集部)
参考文献[*1] 文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
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