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2020年度からスタートした大学入試改革を皮切りに、学校教育も知識をインプットするものから「思考力・判断力・表現力」を育てる方向にシフトしています。この「考える力」や「自分の言葉で表現する力」を育むために、家庭でもできることはあるのでしょうか?教育ジャーナリスト・中曽根陽子さんが大きなヒントを教えてくれました。
新しい教育のキーワードとして注目されているのが「探究」です。
探究とは、「物事の意義・本質などをさぐって見きわめようとすること。深くさぐりきわめること」と辞書に書いてあります。
超・ざっくりいうと、考え抜くということですね。
最近は探究型の塾も増えています。子どもたちの好奇心を刺激するさまざまなテーマで、考える力を伸ばすという塾が増えてきました。
もちろんこうした塾は魅力的です。しかし塾でなくても、日常生活に探究する機会はたくさんあります。家庭でも工夫をすれば、子どもの考える力を育むことができるのです。
ポイントは子どもが「なんだろう?」と思ったときに、その疑問をスルーしないこと。そして、わからないことがあれば親も知ったかぶりをせず、子どもと一緒に興味を持って調べてみることです。
あるいは、親が好きなことを一生懸命して、そこに子どもを巻き込むのもよいでしょう。いろいろな発見があるはずです。
考える力のはじめの一歩は、好奇心。そんな視点をぜひ日常にとりいれて、お子さんの興味を開発してみてほしいと思います。
では、自分の言葉で表現する力はどのように育てればいいでしょうか。私が主催しているマザークエストでは、以前親子で「脱・ワンワード」で話す取り組みをしました。
脱・ワンワードとは、単語ではなく文章で話すトライです。
例えば「水!」と子どもが言ったら「お母さんは水ではありません」と返し、水が欲しければ「お水をいれてください」と言い直しもらうというもの。親子で脱・ワンワードの宣言をしてから、1週間取り組みました。
その結果、「親のほうが単語の連発をしていたことに気づいた」という人が多かったのです。これにはお母さんもたちも驚いていました。
さらに意外なことに、子どもからは「お母さんが話をきいてくれるようになったから、よかった」という感想が多かったのです。
脱・ワンワードは、「子どもの話を聞きましょう」というトライではないのになぜでしょう。おそらく、文章で話すことで指示命令が減り、会話が増えたからではないでしょうか。
これは、とっても大きな変化だと私は思っています。子どもにとって「親が自分のことを受け止めてくれた」と感じられるのは安心です。
脱・ワンワードは考える力・表現する力を育むことにつながりますし、親子の信頼関係を深めることにもつながると考えています。
今、盛んに「思考力」といわれていますが、そもそも思考の基礎は言語です。
人間がほかの動物と決定的に違うのは、言葉を持ったこと。しかも、文章で話すようになったからです。
実際、脳科学の進化により、言葉と神経細胞(ニューロン)の発達には関係があることがわかったそうです。神経細胞が太くなれば一度にたくさんの情報を伝達することができます。頭がよくなると言い換えてもよいかもしれません。
ということは、頭のいい子に育てたかったら、文章で話す機会を増やすのが近道なのかもしれません。みなさんも脱・ワンワードの会話にトライしてみませんか。
中学受験ナビの連載『しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ。
この記事のライター
マイナビウーマン子育て
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