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「物を投げる」「人を叩く」攻撃行動をする子どもたち…反射的に止めに入る前にやるべき“3つのこと”<愛着問題の視点から>

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目次

言う事を聞かずに文句を言ったり、物を投げたり壊したり……子どもの気になる行動を目の当たりにすると、大人はつい「やめさせなくては」と言う思いにかられますよね。しかし、子どもの行動にはすべて理由があるのだそうです。

和歌山大学教育学部教授 米澤好史先生は、こどもの愛着障害の第一人者であり、保育園・幼稚園、小中高校など幅広い現場に触れながら、親や教育者・支援者へ“愛着の問題”解消のアドバイスを行なっています。

前回に続き、今回は子どもの気になる行動が起こった時、実際にどんな対応をしていけばいいのか具体的なメソッドについて米澤先生の解説を、著書『発達障害? グレーゾーン? こどもへの接し方に悩んだら読む本』(フォレスト出版)よりお届けします。

3つの工程で解決策が見えてくる

毎日の生活のなかでこどもの気になる行動が起こったとき、実際にはどんな対応をしていけばいいのでしょうか。

「どうしたらいいんだろう」とつまずいたときにすぐできる、具体的なメソッドについてお話ししていきます。

このメソッドは、いわば日々の“心がけ”のようなもので、つぎの①から③の3つの工程を繰り返し実践していけば、こどもの気になる行動は確実に減っていきます。

どんなにつまずきが大きいケースの場合でも、必ず方向性が見えてきますから、焦らず肩の力を抜いて取り組んでください。行きつ戻りつを繰り返すうちに、こどものことも自分自身のことも、よく見えてくるようになります。あなたの感受性が生き生きと働き出すのです。

では、その実践メソッドをご紹介していきましょう。

気になる行動が出ているなと思ったら

STEP①こどもの気になる行動の原因を探ってみるSTEP②自分のかかわり方が、こどもの行動にどう関係しているか確認するSTEP③かかわり方をひとつ変えてみる

こどもに困った行動があらわれた際は、ぜひこの3つの工程を行ってみてください。

③でひとつ試してみて、どんな変化が起きるかを観察してみましょう。もし何か問題が出てきたら、また②の工程に戻ります。

この①から③を、行きつ戻りつ繰り返していけば、「もう何をしてもダメなんじゃないか……」と諦めかけていた困りごとにも、必ず解決策が見えてきます。ではここで、お悩みの多い困った行動をいくつか例にとって、実践メソッドの進め方をご説明してみましょう。ただ、ここでご紹介するのはあくまでも例であって、現実にはひとつとして同じケースはありません。ですから、実際のシチュエーションでは、あなたとお子さんにとってやりやすい進め方で、実践してください。

攻撃行動をしてしまう

STEP①まず「なぜ、攻撃行動をしてしまうのか」その原因を探ってみる

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※画像はイメージです

こどもの行動には、どんな行動にでも、必ず原因があります。

攻撃性というのは、自分の思いと違うことを強いられたり、こころに嫌な気持ちがたくさんわき起こっていたりすると、強くあらわれる傾向があります。また、人とのかかわり方がわからず、自分の思いをうまく伝えられないために手が出てしまう、という場合もあるでしょう。

とくに攻撃性が強く出ているときは、今この瞬間だけではなく「以前に何か嫌な経験をしていないかな?」と振り返ってみましょう。そうやって原因を探ると、「そういえば、この前のあのこと、放置していたかもしれない」と思い当たる節が見つかるかもしれません。

STEP②自分のかかわり方が、こどもの「攻撃行動」に関係しているかを確認する

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※画像はイメージです

こどもの攻撃行動を目の当たりにすると、たいていの場合、反射的に止めに入ってしまいます。けれども、こどもにとっては、それがいちばん嫌なことですし、混乱します。

ですから、もし、あなたが「やめなさい」と止めに入っている場合、そのかかわり方は、攻撃行動を増幅していることになります。まず、この事実を知っておくのが先決です。

そして、自分のかかわりを振り返ってみます。

STEP③止めずに、他のことに誘って気をそらしてみる(=かかわり方をひとつ変えてみる)

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※画像はイメージです

止めに入るのではなく、こどもが「いい気持ち」になるほうへと誘ってみます。殴ったり暴れたりしたことをとがめるのではなく、気分を違う方向へとそらすのです。腫れ物にさわらないようにするということではありません。いったん横に置いておいて、親も一緒に違う方向を向くのです。たとえば、体を動かすと気持ちが変わったりしますから、ちょっと背中をさわってあげて、興奮状態をおさめて別のことをしてもいいかもしれません。

とりあえず場所を変えてみるのもいいでしょう。無理に移動に促すのではなく、好きなことにそらしたりしてみましょう。どうしても難しいときは、前からではなくこどもの後ろから抱きしめて、どこかへ連れていってもかまいません。

違う方向を見ることで、結果的に攻撃性を出す必要がなくなることがよくあります。

時間が経てば、どうして嫌な気持ちになったかの理由も振り返れます。ことが起きたその瞬間に、その場で全部なんとかしようと思う必要はありません。

タイミングを逃してしまったら、あとでもう一度やってみればいいのです。

できることを少しずつやっていきます。

この3工程は、「心がけ」ですから、何度行っても、いつ行っても問題ないのです。

『発達障害? グレーゾーン? こどもへの接し方に悩んだら読む本』のほかの記事はこちら

この記事は、米澤好史著『発達障害? グレーゾーン? こどもへの接し方に悩んだら読む本』(フォレスト出版)より一部抜粋・再編集したものです。

書籍『発達障害? グレーゾーン? こどもへの接し方に悩んだら読む本』



この記事のライター

マイナビウーマン子育て

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