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毎日元気に学校に通っていたわが子が突然不登校に。仲の良い友達もいて先生には代表委員も任されて……一体どうして?
精神科医として30年以上、発達障害の診療と研究に携わる本田秀夫先生による著書『マンガでわかる発達障害の子どもたち』(SBクリエイティブ、マンガ:フクチマミ)では、自閉スペクトラムの不可解な行動についてママ・パパのお悩み別に具体的なサポート例をマンガと共にわかりやすく解説されています。
第五回目となる今回は、ある日突然体が動かなくなり、登校できなくなってしまったお子さんのケースについてお届けします。
イラスト:フクチマミ「マンガでわかる発達障害の子どもたち」より
自閉スペクトラムの特性がある子は、独特の行動をとることがあります。そのため、園や学校での集団活動で、まわりの子どもたちとペースが合わないこともあります。
しかしなかには、自分のペースやスタイルをあまり表に出さず、周囲のやり方に適応しようとする子もいます。上のマンガのお子さんは、そのようなタイプだと考えられます。
毎日誰かに気を遣っていれば、気疲れしますよね。がんばりすぎて体調を崩してしまう子もいます。元気はつらつと学校に通っていた子が、実はものすごく気配りをしていて、ある日突然体が動かなくなり、登校できなくなってしまうというケースもあるのです。私はそのような経過を「突然不登校」と呼んでいます。
このマンガも「突然不登校」の一例です。このお子さんもクラブ活動などで、気を遣う場面が多かったのかもしれません。
イラスト:フクチマミ「マンガでわかる発達障害の子どもたち」より
こういうお子さんが「今日は学校に行きたくない」と言い出すと、最初は休ませても、それが続くと「いつも元気に行っているじゃない」「友達も待っているよ」などと声をかけ、励まして学校に行かせようとしがちです。
しかし、毎日気を遣ってがんばってきた子どもが「行きたくない」と言い出すのは、限界を超えたときです。実はそれまでに「何も言わずに代表委員を引き受ける」といった形で「無理をしているサイン」が出ていることがあります。
イラスト:フクチマミ「マンガでわかる発達障害の子どもたち」より
子どもを見ていて「大変そうだけど、この子ならできる」と思う瞬間があったら、その段階からケアをしたほうがいいかもしれません。「無理だと言ってきたらやめさせよう」と考えていると、対応が遅れて「突然不登校」になることもあります。
本人が無理なく活動できるやり方を、さりげなく提案していくのがベストです。例えば、クラブや委員の負担が強そうに見える場合には「参加日を減らす」「担任と相談して調整をお願いする」「活動をやめてほかの活動に集中する」といった選択肢を親が示して、本人の希望を聞くのもいいでしょう。子どもがすぐに決断できない場合もあるので、「○月までは続けてみて、無理なく参加できるかどうかを確認する」といった選択肢を用意しておくのもいいと思います。
本人に任せると限界までがんばってしまう場合は、大人のサポートも必要なのです。
著 本田秀夫/イラスト フクチマミ『マンガでわかる発達障害の子どもたち』(SBクリエイティブ)より抜粋
この記事のライター
マイナビウーマン子育て
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