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長いコロナ禍や物価高、円安といった国内状況、さらに、ウクライナ情勢、イスラエル・パレスチナ紛争の激化など、国際情勢も不安定な状況が続く昨今。そうしたなかで、今の若者は国や社会についてどんなことを感じているのでしょうか?日本財団が実施した「18歳意識調査」をもとに、「自国」に関して若い世代が抱く考えをお伝えします。
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人種・国境を越えて、市民、企業、NPO、政府、国際機関などと連携し、子ども・障害者・災害・海洋・人道支援といった幅広い分野の活動の支援を行っている日本財団では、次世代を担う若者の意識を問う「18歳意識調査」を継続的に実施しています。先日公表された第62回の調査では「国や社会に対する意識」をテーマに、日本、アメリカ、イギリス、中国、韓国、インド6カ国の17歳~19歳を対象にアンケートを実施しました。
まず、「自国の将来について」を聞いた設問で「良くなる」と回答した人の割合を見ると、日本は15.3%と6カ国中ワースト1位となっています。反対に「良くなる」と回答した割合が最も高かったのは中国で85.0%にのぼります。日本と中国とでは、70ポイント近い大差がついていることに。各国のなかでも特に日本の若者は、自国の将来にあまり期待していない状態が見て取れます。また、日本は「変わらない」「どうなるか分からない」という回答が各国と比べて多いこともわかります。
「悪くなる」という回答に関しては、イギリスが最も高く40.4%、次いでアメリカ34.2%、韓国31.2%という順になっています。
日本財団「18歳意識調査第62回-国や社会に対する意識(6ヵ国調査)-」より
ここからは「現在の自国において、以下の項目に同意しますか」と尋ねた結果を見ていきます。まず、生活にかかわる8項目では、日本で最も同意する人が多かったのは「知力やスキルを持つことは、成功につながる」で74.4%でした。次いで「努力は、成功につながる」(65.3%)となっています。この上位構成については、若干の違いがあれど、ほかの国にもほぼ共通しています。自国は知力やスキル、努力次第で成功することができる国だと考える若者は多いようです。
そんななか、日本のみの特徴として見られるのが、「若者への支援は充実している」に同意する人の少なさです。その結果、「高齢者への支援は充実している」との差も開いています。ほかの国ではその差が10ポイント未満であるのに対し、日本では「若者への支援は充実している」が38.6%と、「高齢者への支援」に対して25.9ポイントもの開きあります。若い世代が、「自分たちは十分な支援を得られていない」と考えていることが想像される結果でした。
日本財団「18歳意識調査第62回-国や社会に対する意識(6ヵ国調査)-」より
次に、ジェンダーや国籍などによる活躍の制限について聞いたものがこちらです。日本の結果を見ると、「障がいの有無によって、社会での活躍の場は制限されない」(44.6%)が他の4つと比べてやや少ないですが、それ以外は5割ほどで大きな差は見られませんでした。他の国も日本と大きな違いはありません。
ただし、全体的な視点で見た時、各国と比べて日本は、どの項目においても同意の割合が低いということがわかります。およそ半数の若者は、能力やスキルとは異なるものによって活躍が制限され得ると感じているようです。
日本財団「18歳意識調査第62回-国や社会に対する意識(6ヵ国調査)-」より
最後に、自国と他国との比較にかかわる5つの項目を尋ねた結果を見てみましょう。
日本では「自国と比べて、他国の方が優れていると思うことがある」に同意する人が66.1%で一番多くなっています。次いで「自国には、自分が目標としたい人物がいる」(57.8%)、「機会があれば留学や他国で就労をしてみたいと思う」(52.8%)という結果です。
各国と比べると、すべての項目で日本は6カ国中最下位であることがわかります。とくに「機会があれば留学や他国で就労をしてみたいと思う」と「自国は、国際社会でリーダーシップを発揮できる」(41.1%)に関しては、他国との大きな差があるという結果でした。
日本財団「18歳意識調査第62回-国や社会に対する意識(6ヵ国調査)⁻」より
日本の現在の若者が自国に対して持っている意識を、6カ国の比較から見ていきました。全体を通して日本の若者は自国に対してネガティブな考えを持っている傾向にあるようです。これは単に若者だけの問題ではありません。若い世代の約3割が自国の将来が悪くなると感じていたり、ジェンダーや国籍などによって活躍が制限され得ると思っている若者が半数近いという現実を、重く受け止めるべきでしょう。
(マイナビ子育て編集部)
18歳意識調査第62回-国や社会に対する意識(6カ国調査)-/日本財団調査対象:日本、イギリス、アメリカ、中国、韓国、インドの17歳~19歳の男女調査時期:2024年2月22日~3月5日有効回答数:各国1,000
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