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日本はまだまだジェンダー格差を感じる人は多いかもしれません。特に結婚や子育てにおいて、古いジェンダー観がいまだ影響を与えている感は否めません。若い世代は国内のジェンダー意識や結婚観、子育て観をどう見ているのでしょうか?他国と比較した調査結果をご紹介します。
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人種・国境を越えて、市民、企業、NPO、政府、国際機関などと連携し、子ども・障害者・災害・海洋・人道支援といった幅広い分野の活動の支援を行っている日本財団では、次世代を担う若者の意識を問う「18歳意識調査」を継続的に実施しています。先日公表された第62回の調査では「国や社会に対する意識」をテーマに、日本、アメリカ、イギリス、中国、韓国、インド6カ国の17歳~19歳を対象にアンケートを実施しました。
自国のジェンダー意識や結婚観、子育て観にかかわる10個の項目について、それぞれ「どの程度同意するか」を尋ねた結果がこちらです。
日本では、「自国では、一般的に結婚して子どもを育てるのが望ましいと言われている」(66.9%)、「自国では、夫婦の両方が働いていることが一般的だ」(66.6%)、「自国では、学歴が高く、所得も高い男性は、結婚相手を見つけやすい」(62.1%)が上位となりました。
反対に、同意する人が相対的に少なかった項目としては、「男性は男性に、女性は女性に適した勉強の分野・科目がある」(52.4%)、「自国では、夫の方が妻よりも学歴が高く、所得も高いことが一般的だ」(51.8%)などがあります。
日本財団「18歳意識調査第62回-国や社会に対する意識(6ヵ国調査)-」より
日本とその他の国とでとくに開きがある項目としては、たとえば「自国では、夫婦に子どもが生まれたら、女性が育児を主に担うことが一般的だ」があります。日本の6割弱と比べて他の5カ国が8割前後と多いのは、少々意外かもしれません。
また、「将来結婚するとしたら、法律婚だけでなく、事実婚も選択肢に入ると思う」、「将来子どもを育てるとしたら、出産だけでなく、養子縁組も選択肢に入ると思う」なども、日本は5割強ですが、各国は7~8割前後となっています。
次に、「自国で暮らす大人にとって必要な資質・能力」はどれかを聞いた結果を見てみます。
日本では「多様性を理解し少数者を尊重する」が最も多く37.1%、次いで「他人との違いを恐れず、個性を発揮する」(32.8%)、「前例にとらわれず、新しく創造的である」(28.5%)という順でした。
6カ国共通して上位に挙がったのは、「多様性を理解し少数者を尊重する」と「他人との違いを恐れず、個性を発揮する」の2項目。多様性や個性の尊重は世界的な流れとなっていることがわかります。
一方、日本と各国の違いとしては、「他人との衝突を避け、調和を重視する」がアメリカ、イギリス、韓国、インドでは上位にあがっていますが、日本は7位でした。
日本財団「18歳意識調査第62回-国や社会に対する意識(6ヵ国調査)-」より
ジェンダー格差が社会問題化して久しいですが、この格差は未だに埋まらないというのが現状と言えます。世界経済フォーラムが公表した「ジェンダーギャップ指数2023」によると、日本の順位はなんと125位。ちなみにイギリスは15位、アメリカは43位、韓国は105位、中国は107位、インドは127位でした。日本社会における女性は世界的に見てまだまだマイノリティだといえます。もちろん、マイノリティは女性だけではありません。障害や人種、国籍、セクシュアリティなどで差別や偏見を受けやすい人々もマイノリティです。今回、若者が大人に必要な資質や能力として選んだ「多様性を理解し少数者を尊重する」ことは、今の日本社会の課題として、受け止めるべきでもあるでしょう。
(マイナビ子育て編集部)
18歳意識調査第62回-国や社会に対する意識(6カ国調査)-/日本財団調査対象:日本、イギリス、アメリカ、中国、韓国、インドの17歳~19歳の男女調査時期:2024年2月22日~3月5日有効回答数:各国1,000
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