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元開成学園校長が教える「要注意な友人」の見分け方は? 思春期の交友関係が気になったら『まずやること』

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目次

思春期に差し掛かり、娘のことはなんとなく理解できるけど、息子のこととなると理解が追いつかないお母さんも少なくありません。以前よりコミュニケーションが難しい中で、勉強のことや友人関係のことが心配なとき、どうすればいいのでしょうか。

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▶︎ 特集「10歳からの心とからだ」の記事はこちら

元開成学園校長の柳沢幸雄先生に「思春期男子との接し方」について聞く本インタビュー。口数が少なくなった子とのコミュニケーションのコツなどを伺った前編に続き、お話を聞いていきます。

■勉強のこと、友だちのこと……つい過干渉になりがちな話題はどうする?

――子どもには何か好きなことを見つけてほしいと思いますが、勉強も部活もあまりやる気がなさそうなときには、どう関わればいいでしょうか?

柳沢幸雄先生(以下、柳沢)13歳から18歳の中等教育教育の時期、とりわけ中学3年から高校1年生の時期というのは、本来はいろんなことに思いを巡らせてぼけっと過ごしながら、自分の将来の道筋を考える時期だと思っています。その時期に自分の内面と向き合い、いろんなことにチャレンジすると、自分の得意なことが見えてきます。

勉強も大事かもしれませんが、この時期は好きなものを見つけることが最優先。「勉強は?」といいたくなる気持ちは横において、子どもがエネルギーを注げるものを見つけるサポートをするといいかもしれません。子どもの興味があれこれうつって長続きしなかったとしても、好きなこと探しの途中だと考えて、長い目で付き合いましょう。

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――子どもの友人関係が心配なときはどうすればいいですか?

柳沢思春期は親から離れて、友人からの影響が強くなっていく時期です。そんなときに、親が「どんな子なの?悪い子じゃないよね?」などと聞いたらうんざりしてしまいます。どんな子と友人関係にあるのか気になるようなら、そのお友だちを自宅に呼んで、ご飯を食べさせてあげるのがおすすめです。私も学生のころ、実家が肉屋さんの友人がいて、その家の特製コロッケを食べによく遊びに行っていました。この年頃はいつも空腹ですからね。

家に遊びに来たら、友だちの様子を見てみましょう。好きな食べ物を聞いたり、アレルギーがあるかを聞いたりすることから、その友だちとの会話のきっかけにもなります。食事をしながら話す様子を見てみると、自分の子どもの精神状況もよくわかるものです。

今までの友人にはいないようなタイプだったり、学校以外で知り合ったと思われるタイプだったときは、どこで仲良くなったのかをさりげなく聞いてみましょう。学校に居場所がなくて外に逃げ場を求めているケースもあり、その場合は注意が必要です。

――これから思春期を迎える子を持つ親が、小学校のうちに準備できることはどんなことでしょうか?

柳沢子ども自身に成長が見られたら、言葉にしてほめてあげることです。思春期に入る前に、親が自分をきちんと見てくれていると実感できていると、親子の信頼関係を築くことができます。ほめるときのポイントは、ほかの子やきょうだいと比べる水平比較ではなく、その子の過去と現在とで比べる垂直比較でほめること。たとえばスイミングなら、「25mから50mまで泳げるようになったね」や、サッカーなら「力強いシュートが打てるようになったね」という感じです。「かっこよかったね」「がんばったね」だけでは子どもの心に届きません

子どもは必ず成長しています。もし伸びていないと感じるなら、それは親の観察眼がないのかもしれませんね。しっかり子どものがんばりを見て、具体的に褒めることです。具体的に自分の成長を認められると、それは子どもの自信につながります。 自分を信じることができれば、人は自然と成長するものですよ。

■子の思春期、親は自分自身の楽しみを見つけて

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――これから我が子が思春期を迎える親は、どのような心持ちですごしていけばいいでしょうか。

柳沢今、息子さんが10歳ぐらいなのであれば、「最後のチャンスだからたくさん抱きしめてあげてください」とお伝えしたいです。思春期になれば、男の子を抱きしめようとしても逃げ出してしまいますから(笑)。

以前、開成学園の校長をしていたときに合格した生徒の保護者に必ずお話することがありました。「皆さん本当にお疲れさまでした。そしてご卒業おめでとうございます。密着した子育てからは今日でご卒業です。子どもはもう親から離れるので、これからはご自分のために時間をお使いください」と。

思春期は親から巣立つ準備をしています。そして親も子離れをする時期です。子どもを黙って見守り、上手に距離を取るには、親も自分の人生の楽しみを見つけるといいかもしれませんね。

(解説:柳沢幸雄先生取材・文:早川奈緒子撮影:梅沢香織)


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