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現在、日本国内にはひとり親世帯が130万以上あると言われています。自身が当事者であったり、身近にシングルマザーやシングルファーザーがいる人も少なくないでしょう。今回は、厚生労働省が実施している「全国ひとり親世帯等調査」をもとに、ひとり親世帯となった理由や就業・収入など状況から、その実像を見て行きます。
厚生労働省ではおおむね5年ごとに「全国ひとり親世帯等調査」を実施しています。最新となる令和3年度版では、母子世帯4,105世帯、父子世帯1,329世帯、養育者世帯123世帯に調査が行われました。本記事ではその結果に基づき、ひとり親世帯の実態をお伝えします。
まず、ひとり親世帯になった理由を確認しましょう。母子世帯については、「離婚」が79.5%で約8割を占める結果となっています。「死別」5.3%とわずかでした。また、「未婚の母」が10.8%となっています。
一方、父子世帯でも「離婚」が69.7%で大多数であることは同じですが、「死別」も21.3%と2割を超えており、母子家庭に比べておよそ4倍となります。なお、「未婚の父」はわずかに1.0%と、こちらも母子世帯とは大きな差が見られました。
厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」より一部改変
次にひとり親世帯の就業状況を見てみると、母子世帯では、母親が就業している世帯は全体の86.3%でした。ちなみに、ひとり親世帯になる前にも就業していたという人は78.8%。ひとり親世帯になってから就業した人はわずかなようです。
さらに、雇用形態を見ると、「正規の職員・従業員」が48.8%で約半数を占めます。次に多いのが「パート・アルバイト等」で38.8%でした。
一方、父子世帯では、父親が就業している世帯は全体の88.1%で母子世帯と大きな差はありません。ただし、ひとり親世帯になる前の就業率は96.7%なので、父子世帯となって仕事をやめた人が一定数いることが想像できます。
就業形態については、「正規の職員・従業員」が69.9%で多数を占め、「自営業」は14.8%、「パート・アルバイト等」は4.9%でした。母子世帯と比べて正規雇用の割合が高く、また、「パート・アルバイト等」が非常に少ない点も、母子世帯とは大きく異なっています。
厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」より一部改変
最後に「世帯収入」について見て行きます。
母子世帯の平均年間収入(母自身の収入)は272万円で、そのうち、母の就労による平均年間収入は236万円。さらに、同居親族を含む世帯全員の収入を合わせると、世帯年収は373万円となります。
なお、世帯年収373万円という数字は、国民生活基礎調査による児童のいる世帯の平均所得を100として比較すると、45.9となります。母子世帯の収入の少なさがわかります。
一方、父子世帯では、平均年間収入(父自身の収入)は518万円、そのうち、父の就労による平均年間収入は496万円ということです。同居親族を含む世帯全員の収入を合わせた世帯年収は606万円でした。母子世帯と比べると父子世帯の方が収入が多いといえます。
また、国民生活基礎調査による児童のいる世帯の平均所得を100として比較すると、74.5でした。
厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」より一部改変
今回はひとり親世帯に関する調査をご紹介しました。ひとり親世帯になる理由は離婚が主であり、とくに母子世帯の場合に多いこともわかりました。離婚後に母親が子どもを引き取り育てるケースが多いためでしょう。また、就業の状況や収入面でも、母子世帯と父子世帯での違いが見られました。もちろん父子世帯も十分な収入とはいえないでしょうが、母子世帯はいっそう厳しい状況にあることがうかがえます。
(マイナビ子育て編集部)
■令和3年度 全国ひとり親世帯等調査/厚生労働省調査対象:全国のひとり親世帯および養育者世帯(母子世帯4,105、父子世帯1,329、養育者世帯123)調査時期:令和3年11月1日有効回答数:母子世帯2,653、父子世帯866、養育者世帯93
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