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ふるさと納税総合研究所は、「ふるさと納税」において自治体が受ける「カスタマーハラスメント(顧客からの嫌がらせ)」の実態調査レポートを発表しました。
2023年度に担当課(室)はお客様(寄付者)からカスタマーハラスメントを受けたことがありますか?
「2023年度に担当課(室)はお客様(寄付者)からカスタマーハラスメントを受けたことがありますか?」と聞いたところ、約50%の自治体が「1回以上」のカスハラを受けたと回答。
「10回以上」が14%と高い値を示しています。また、自治体ではなく中間事業者やポータルサイトへのカスハラは14%あります。
「上記の質問において、受けたことがある、聞いたことがある、と回答いただいた箇所にお聞きします。どのようなカスタマーハラスメントの種類でしたでしょうか?(複数選択)」との設問に対する回答は、「返礼品の再発送の強要」という、ふるさと納税らしいカスハラの内容が25%で最多でした。また、「威圧的な言動」も24%もほぼ同率となっています。その他としては、「寄付額の返還の強要」17%、「執拗な言動、連絡」16%、「精神的な攻撃」9%、「差別的な言動」6%などとなっています。
「担当課(室)がこのカスタマーハラスメントによって受ける影響を教えてください。(複数回答)」と尋ねたところ、「職員のモチベーション低下」が23%、「職員のメンタル低下」が21%などと、職員に精神的な悪影響を及ぼしていることがうかがえます。
その他としては、「対応による通常業務への悪影響」20%、「口コミが掲載されたことでのブランド低下、寄付額低下」15%、「特定の職員に業務が集中する負担」10%などとなっています。
なお「影響はない」と答えた人は1%と、非常に少ない割合となりました。
ふるさと納税カスタマーハラスメントの対策マニュアルはありますか。
「ふるさと納税カスタマーハラスメントの対策マニュアル」の有無を聞くと、ほとんど全ての自治体で対策マニュアルはありませんでした。作成予定の自治体もわずか1%にとどまっています。
「具体的なカスタマーハラスメントの事例をご記載ください。(複数可)」と聞きました。
以下に、カスタマーハラスメントの具体例を多い順に並べています。カスタマーハラスメントの具体例は多岐にわたりますが、特に返礼品の再送強要や精神的な攻撃が多く見られます。
(1)返礼品の再送強要・寄附者都合で受け取れなかった返礼品に対する再送の要求・期限切れのクーポン券やチケットの有効期限延長を強要・返礼品を消費した後での再送要求
(2)精神的な攻撃や暴言・公務員への暴言や人格攻撃・「税金の無駄遣い」「やめてしまえ」などの威圧的な言動・長時間の電話や繰り返しのクレーム
(3)寄付金の返還要求・返礼品が気に入らなかった場合の寄附金返還要求・返礼品に対する不満からの返還要求
(4)対応時間や頻度に関する過度な要求・休日や終業後の対応要求・特定の時間に連絡するよう強要し、業務に支障をきたす
(5)配送トラブルや返礼品の品質に関するクレーム・配送時期が希望通りでないことへの不満・返礼品の品質に対する過剰なクレームや再送要求・配送事故によるクレームが自治体に向けられる
(6)制度や手続きに関する不満や過度な要求・ワンストップ特例申請の不備に対するクレーム・手続き上の問題に対する差別的な発言や不満
(7)返礼品のキャンセルや交換に関する要求・返礼品のキャンセルができないことに対する不満・返礼品の交換や返品をしつこく要求
(8)事業者への過剰な要求や圧力・返礼品提供事業者への不当な要求やクレーム・事業者を通じて自治体にクレームを伝える
(9)特別扱いを求める行為・他自治体での対応を理由に特別な対応を要求・自分の立場や職業を理由にした圧力行為
(10)長時間の問い合わせや繰り返しのクレーム・長時間の電話や繰り返しの問い合わせによる業務妨害・不合理な要求に対するしつこいクレーム
6カスタマーハラスメント対策における課題を教えてください。
「カスタマーハラスメント対策における課題」について聞くと、「寄付者のふるさと納税制度への理解促進」が最も多く、「全国自治体での統一した対策の設定」が続きました。この2つの課題で約半数を占めています。
調査期間:2024年5月2日〜6月7日調査対象:全国の地方自治体調査方法:インターネットによるアンケート調査調査会社:ふるさと納税総合研究所回答数:212自治体
ふるさと納税総合研究所https://fstx-ri.co.jp/
(マイナビ子育て編集部)
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