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思春期になると、恋愛に関心を持つ子も増えてくるもの。親として子どもの恋愛について、どう話せば良いのか困ってしまう方は少なくないのでは?
今回は、これから思春期を迎える年頃の子どもが抱きがちな・恋ってなに?・性のあり方などの疑問について、「えんみちゃん」のニックネームで全国の小中高校で性教育活動を行っている産婦人科医の遠見才希子先生のレクチャーを『わたしの心と体を守る本 マンガでわかる! 性と体の大切なこと』(KADOKAWA)よりお届けします。
A. 人と人との関係には、いろいろな「好き」のかたちがあります。親やきょうだいなど家族のことを好きな気持ち、友だちのことを好きな気持ち、それだけでなく、恋愛としてだれかのことを好きな気持ちを抱くこともあるでしょう。
恋愛のパートナー (恋人)になりたいと思う相手に、自分の気持ちを伝えることを「告白」、そして恋愛のパートナーになって、いっしょにすごすことを「付き合う」といったりもします。
A. 「付き合ったらキスをしなければいけない」というわけではないよ。愛情表現にはいろいろなかたちがあるから、キスなど性的な行いをしない恋愛もあるよ。「付き合あう=性的な行為をするのが当たり前」と考えるのはまちがいだよ。性的な行為をする場合は、おたがいに性や体についてよく知ったうえで、性的同意をとることが大切だね。
からだの性だけでなく、性にはいろいろな要素があります。心の性、好きになる性、表現する性など、いろいろな性のあり方をセクシュアリティといいます。人それぞれ微妙にちがう多様性や、年齢や経験によってゆれ動く流動性もあります。セクシュアリティはその人だけの大切なものです。ほかの人に教えたくない場合もあるので、打ち明けられたことを、その人の同意なくほかの人に話すことはいけないことですね。
生まれたとき、性器の見た目などによって「男性」「女性」に分けられるよ。ときどき、すぐにどちらかわからない赤ちゃんがいて、時間をかけて決めることもある。女性の体も、男性の体も、人それぞれちがいがあるよ。
自分の性をどうとらえるかを、心の性(性自認)というよ。心の性は、「男性」「女性」だけではなくて「どちらでもない」と感じたり、たとえば「90%くらい男性で、10%くらい女性」と感じたりすることもある。生まれたときにわりあてられた体の性に違和感がない人もいれば、ある人もいる。性自認に合わせて、体や生き方を自分でえらんで変えていく人もいるよ。
どんな性の人を好きになるか、どんな性の人に性的な興味を持つかを、好きになる性(性的指向)というよ。自分とちがう性(異性)を好きになる人、自分と同じ性(同性)を好きになる人、異性も同性も好きになる人、相手によって変わる人などさまざま。また、そもそも恋愛感情や性的な興味を持たない人もいるよ。
髪型、服装、メイク、身につけるもの、しぐさ、「わたし」「ぼく」などの自分の呼び方や言葉づかいなど、見た目やふるまいで自分らしさをどのように表すかを、表現する性(性表現)というよ。表現する性は、体の性や心の性と同じとは限らないよ。
SOGIEという考え方SOGIEは、性的指向(Sexual Orientation)、性自認 (Gender Identity)、性表現(Gender Expression)の頭文字からつくられた言葉だよ。だれもが持つセクシュアリティの要素に着目することで、「性のあり方は自分にも関わる問題なんだ」ととらえやすくなり、性の多様性を認め合うことにつながるよ。だれもが自分のセクシュアリティを尊重され、差別されることなく、自分らしく生きることができる社会にするためにはどうしたらいいか考えてみよう。
社会や文化の中でつくられる性をジェンダーといいます。性別によって期待される役割(性役割)な どをおしつけられてしまうと、生きづらさや差別につながったりします。「女の子はこうあるべき」といったジェンダーのすりこみは、小さなころから身近にあります。 ほかの人から言われる「女の子らしく」「男の子らしく」よりも「自分らしく」を大切にして、みんなの「その人らしさ」も大切にできるといいですね。
強くてやんちゃな女の子もいるし、おしとやかでおかしづくりが好きな男の子もいるね。性別のイメージにとらわれすぎないようにしよう。
「女の人は家事や子育てをすべき」「男の人は仕事をすべき」という言葉は、性別による役割(性役割)を決めつけているね。女の人も男の人も、仕事・家事・子育てをする家庭が増えているよ。
「女の子のくせに……」「男の子のくせに……」という言葉は、ジェンダーの差別がふくまれる可能性があるよ。そういう言葉は、気にしなくてもいいんだ。自分の気持ちや好きなことを大切にしよう。
『わたしの心と体を守る本 マンガでわかる! 性と体の大切なこと』(著:遠見才希子、漫画:アベナオミ 、イラスト:碇優子、刊:KADOKAWA)より一部抜粋・再編集
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