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「社会全体で子供を大切にする気運を醸成していこう」という東京都の活動「こどもスマイルムーブメント」。その理念に賛同し、子供の笑顔を生む先進的な取り組みを行っている企業・団体の取組を表彰する「こどもスマイルムーブメント大賞」の受賞企業・団体が今年も決定! 11月27日に東京都庁にて表彰式が行われました。
東京都が掲げている「チルドレンファースト」というビジョン。このビジョンを実現するための活動の一環として行っているのが、「こどもスマイルムーブメント」です。これは、さまざまな企業や団体が行う「子供の目線を大切にした取り組み」を推進し、子供を大切にする社会気運の広がりを目指すもので、なんと約1,900もの企業・団体が参画しています。
この「こどもスマイルムーブメント」の一環として、子供の笑顔を育む先進的な取り組みを行っている企業・団体を表彰し、その功績を広く周知することを目的に2023年に創設されたのが「こどもスマイルムーブメント大賞」です。今年は「子供部門」「子育て世代部門」の2部門で、それぞれ3つの企業・団体が受賞しました。
こどもスマイルムーブメント大賞 表彰式
当日は、東京都の小池百合子都知事、「こどもスマイルムーブメント」のアンバサダーを務めるタレントの伊集院光さん、パラアスリートの谷真海さんが参加。当日の表彰式の様子と、今回受賞した企業・団体の取り組みについてご紹介します。
「子供部門」の最優秀賞として選ばれたのは、子供たちによるフリーマーケット「キッズフリマ」を運営する、特定非営利活動法人キッズフリマです。
小池都知事(左)からトロフィーを受け取る特定非営利活動法人キッズフリマ 代表理事 赤池慶彦さん(右)
キッズフリマは、売るのも買うのも子供だけで行うフリーマーケット。物の売り買いを通して商売の面白さを体感しながらマネーリテラシーが身につくほか、物を大切にするリユースの意識を身に着けることができます。また、大人は声をかけずに外から見守ることで、子供たちの自主性や交渉力、コミュニケーション能力を育みます。
子供たちが楽しみながら多様な学びにつながることに加え、2006年から開催しており、開催数は都内累計280回以上、総来場者数は約12万人と、多くの子供たちの体験機会の創出を実現している点も高く評価されました。
代表理事の赤池慶彦さんは、「この受賞を機に、もっと多くの東京都の子供たちに体験を通じた学びの場を提供していけるよう、スタッフ一同尽力していきます」と語りました。
このキッズフリマは主に小学生を対象としたイベントですが、投票では中高生からの支持率も高かったのだとか。今後の取り組みの拡大にも期待したいですね。
「子供部門」優秀賞を受賞したのは、スポーツで防災力を育むプログラム「防災スポーツ」を主催する株式会社シンクです。
伊集院光さん(左)からトロフィーを受け取る株式会社シンク 代表取締役の篠田大輔さん(右)
「防災スポーツ」は、災害時に役立つさまざまな防災の知識と技を、スポーツ競技を通して実際に体験しながら楽しく学ぶことができるというもの。
従来の防災教育は、知識の習得に留まりがちでした。一方でこの「防災スポーツ」は、防災時に必要な行動を身体で覚えることで、いざというときに実践しやすくなり、自分自身や周りの人の命を守ることにつながります。さらに地域や教育機関などさまざまなステークホルダーと幅広く連携しながら活動している点も評価され、受賞に至りました。
ご自身が阪神淡路大震災で被災した経験を持つ、代表取締役の篠田大輔さん。その際に体力と防災知識の重要性を痛感したことから、こうしたプログラムを企画したそうです。「将来、周囲の人を守る側の立場にもなりうる子供たちに対し、スポーツを通じて生きる力を育み、楽しみながら災害に備える場を今後もたくさん作っていけたらと思います」と抱負を語りました。
伊集院光さん(左)からトロフィーを受け取る一般社団法人 育児総合研究協会 理事長の谷口真穂さん(右)
「子供部門」優秀賞を受賞したもう1団体は、オンラインキャリア教育プログラム「tobiraドリームプロジェクト」を提供する一般社団法人 育児総合研究協会です。
「tobiraドリームプロジェクト」は、200以上のさまざまな分野で活躍するプロフェッショナルから、オンラインで直接話を聞くことができるプログラムです。世の中にはどんな仕事があるのか、どんなやりがいがあるのか、そして今の学校の勉強がどう仕事につながっていくのか、実際に活躍する大人たちの生の声を通じて理解できるため、子供たちの将来ビジョンやその実現に向けた道のりの設計に役立ちます。
この充実したプログラムを全ての学校に無償提供しており、島しょ部など体験機会が限られる地域にも積極的に展開している点が評価され、受賞に至りました。
アンバサダーの伊集院光さんは、「周りの友人が、親という役目を果たす中で大人になっていくのを目の当たりにしてきたが、私は子育て経験がなく、妻からはよく『あなたは“57歳児”だ』とよく言われる」とコメント。「だからこそ、子供の目線に立ってこれらの取り組みを見たときに、子供たちが自発的にやりたいと思うであろうプログラムになっていることに感銘を受けた」と語りました。
自身は「ひねくれた子供だった」という伊集院さん。「こんなものが昔からあれば、この“57歳児”ももう少し素直な大人になれたような気もします」と締めくくりました
小池都知事(左)からトロフィーを受け取る株式会社GOOD PLACE 管理部 総務課課長の松井伸城さん(右)
「子育て世代部門」の最優秀賞として選ばれたのは、育業取得者と同僚社員の両者を支える子育て休業応援手当制度を運用する株式会社GOOD PLACEです。大手企業に先駆けて2022年から、育業をする社員の業務引継者に手当を支給(10万円/月を業務引継者で分割)してきました。
育業をする本人だけでなく、支える同僚にも焦点を当てたアプローチに加え、出産前後特別休暇の拡充などを併せて導入した結果、なんと男性育業率100%を実現。育業をする・しないではなく、いつから育業するか、と話せる企業風土が醸成されている点が評価されました。
管理部 総務課課長の松井伸城さんは、受賞の喜びとともに「今後も誰もが働きやすい環境づくりに尽力していきたい」と語りました。
谷真海さん(左)からトロフィーを受け取る一般社団法人 ANDMAMACO 代表理事の前川知佳さん(右)
「子育て世代部門」優秀賞として選ばれたのは、働きたい子育て女性や孤立しがちな子育て女性への応援プロジェクトに取り組む一般社団法人 ANDMAMACOです。
ANDMAMACOは、妊娠期から出産後の育児期までの女性に対し、悩み相談や起業・就職支援を展開してきました。子育て女性が働きやすい社会の実現に貢献している点に加え、また、産後うつなどになりがちな子育て期の孤独や不安解消にもつながる取り組みである点も評価されました。
谷真海さん(左)からトロフィーを受け取るBABY JOB株式会社 取締役 事業本部長の脇実弘さん(右)
「子育て世代部門」優秀賞として選ばれたもう1社は、保育施設向けにおむつのサブスク「手ぶら登園」を提供するBABY JOB株式会社です。
「手ぶら登園」は、保育施設に直送される紙おむつやおしりふきを月額定額で利用できる使い放題サービス。日々のおむつ管理の手間が軽減され、保護者・保育士双方に対するメリットが大きい点に加え、おむつを保育施設に直納する仕組みにより、子育て世代の経済的な負担も軽減している点が評価されました。
「出社前に登園する保護者の荷物負担を少しでも軽くしたい」という思いでこのサービスを始めたという取締役 事業本部長の脇実弘さん。「全国の保育施設でこのサービスが使えるようになるまで、拡大の努力を続けていきたい」と語りました。
自身も2児の母であるアンバサダーの谷真海さんは、次男が通っている保育園が「手ぶら登園」を導入しているそうで、「忙しい毎朝の登園準備がだいぶ楽になっています」とコメント。他の子育て世代部門の取り組みについても、「都と民間のこうした取り組みのおかげで、東京都が子育てしやすい街になっていることを私自身が実感しており、子育て世代として大変心強く思っています」と、感謝と祝辞を述べました。
9歳と2歳の男の子を育てているという谷さん。長男が小さかった時と比べて、次男の育児負担が格段に軽くなっていることを実感しているそう
小池都知事は、各受賞団体の取り組みについて祝辞を述べるとともに、「子供たちが健やかに夢を膨らませながら育っていく社会、そして子育て世代の皆さまが安心して子供を産み育てられる社会を実現したい」と、こどもスマイルムーブメントの設立背景やチルドレンファーストを掲げる意義について改めて説明。「子育てで毎日が楽しいと思えるような東京にしていきたい」と抱負を語りました。
祝辞を述べた小池都知事
東京都 こどもスマイルムーブメントhttps://kodomo-smile.metro.tokyo.lg.jp/
(取材・文:剛家朋子)
この記事のライター
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