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普段SF作品を読まない人からも「心の奥深くに刺さった」との声が多数で発売前から大反響の小説、間宮改衣さんの『ここはすべての夜明けまえ』1,430円(税込)が3月6日(水)に発売される。
間宮改衣さんのデビュー作『ここはすべての夜明けまえ』は、第11回ハヤカワSFコンテストの編集部選考で全員が満点、最終選考で大激論の末、特別賞を受賞した作品。『SFマガジン』2024年2月号にて全文掲載して以来、書評家、作家、読者から大反響だ。
SFマガジン編集長の溝口さんが一読して衝撃を受け、「少しでも多くの人に読んでもらいたい!」と『SFマガジン』2024年2月号への全文掲載を決定し、早川書房公式X(旧Twitter)で書店員向けゲラ読み募集を開始。
SNSの投稿を見た人々が「気になる」「ぜひこれは読みたい!」と話題沸騰となり、200人を超える書店員にゲラを読んでもらった。
あらすじは次の通り。2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む、おしゃべりが大好きな「わたし」は、これまでの人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める。
それは約100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術を受けるときに父親から提案されたことだった。
ひらがなの多い独特の文体で語られる「わたし」の家族史。終わりかけた2123年の世界から約100年前を回想して描かれるのは、私たちの生活に突き刺さる「現代日本」の物語だ。
家族やジェンダーの問題を切実に描きながら、「アスノヨゾラ哨戒班」(Orangestar)や棋士・永瀬拓矢さんのエピソードも登場。ボーカロイド好きの人、将棋が好きな人にも注目の物語だ。
多数の書店員から熱い感想が届いており、丸善ヒルズウォーク徳重店の熊谷由佳さんは「はじめて『アルジャーノンに花束を』に出会った時のような、『虐殺器官』を読んだ時のような、新しい文学の誕生に立ち会ったという思いがあります」とコメント。
くまざわ書店阿倍野店の山中津加紗さんは「まだ2024年は始まったばかりなのに、今年のナンバーワンが私の中で決まってしまったかもしれない。どうしよう。噓みたいな、信じられない読書体験だった」などとコメントしている。
また、担当編集者は「ぶっちぎりで今回のベスト。この書き方に挑んで成功させてしまうのはちょっと尋常ではない。こういう切実さを評価するために公募賞はあるのだと思う」とコメントしている。
装画は『水車小屋のネネ』(津村記久子さん/毎日新聞出版)や『嚙み合わない会話と、ある過去について』(辻村深月さん/講談社)を手掛けている北澤平祐さん。
装幀は『黄色い家』(川上未映子/中央公論新社)、『スピノザの診察室』(夏川草介/水鈴社)を手掛けている名久井直子さん。鮮やかな色彩のなかに真っ白な人物がいる装画と、特徴的な本文をあしらったカバーも、本書の魅力を伝える。
発売前から大好評の『ここはすべての夜明けまえ』を手に取ってみては。
『ここはすべての夜明けまえ』詳細:https://www.hayakawabooks.com/n/nb4116804595e
(佐藤 ひより)
この記事のライター
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