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東京都台東区にある「谷中銀座商店街」。夕日の名所である「夕やけだんだん」と呼ばれる階段が有名で、どこか懐かしい雰囲気のこの商店街は、映画やドラマの舞台としてもよく使われる。そんな谷中銀座商店街のことを、普段利用している人たちはどう思っているのだろうか? ユーザー100人にアンケート調査を行い、そのホンネを聞いた。
谷中銀座といえばメンチ&猫!? 地元の人も観光客も大勢でにぎわう商店街
日暮里駅から歩いて数分の場所に、谷中銀座商店街はある。昭和20年ごろに誕生したこの商店街は、全長170mとそこまで長くはないが、およそ70もの店舗が軒を連ねている。個人商店も多く、“昔ながら”の懐かしい雰囲気が残るこの商店街。ユーザーたちはどんなところが好きなのだろうか。
●好きなところ(複数回答)
1位:美味しいお店がある(42.0%)
2位:活気がある、雰囲気がよい(40.0%)
3位:自分の好きなお店がいくつかある(38.0%)
4位:安いお店がある(36.0%)
4位:個人経営のお店がある(36.0%)
6位:商店街の長さがちょうどいい(34.0%)
7位:お店の種類・数が豊富(28.0%)
8位:お店の人と会話しやすい雰囲気がある(27.0%)
9位:混雑度がちょうどいい(25.0%)
10位:お店の人が気さくに話しかけてくれる(24.0%)
4割以上の票を獲得し、1位になったのは「美味しいお店がある」の項目。周辺住民の生活に寄り添う商店街では活気やコストパフォーマンスはもちろんだが、“味”という点も重要なポイントと言えるだろう。実際に訪れた際、コロッケやメンチ、焼き鳥などのお総菜も多く販売されており、あちらこちらに魅力的なものが見受けられ目移りしてしまった……。
僅差で2位になったのは「活気がある、雰囲気がよい」の項目。この項目は、ほかにフリーコメントでも詳しく聞いているので、紹介しよう。
「昔のこの商店街は地元の人の台所という感じでにぎわっていましたが、最近は各地からの観光客であふれている」(56歳・男性)
「とてもレトロでノスタルジックな感じでよい」(37歳・男性)
「遅くなると社会人が多くなり、飲み会など活気のある感じで、気取らずに過ごせる雰囲気」(37歳・女性)
「地元の人から高齢者、若い世代まで多様な世代が行き来していて、懐かしさと活気がある」(35歳・女性)
「小さいお店が無数にあり、ちょっとした小道にもお店が隠れていたりして、探索する楽しみがある」(45歳・男性)
「猫好きにはたまらない商店街。猫グッズがたくさん売っている」(51歳・男性)
最近では、地元の人だけでなく外国人観光客にも人気のようで、取材当日も多くの人でにぎわっていたが、休日には1万人前後の人が訪れるというから驚きだ。
次いで、3位にランクインしたのは「自分の好きなお店がいくつかある」だった。この項目についても、フリーコメントでよく行くお店を聞いてみた。
【肉のサトー(精肉・総菜)】
「谷中メンチや谷中コロッケがおいしい」(44歳・男性)
「谷中メンチが大好き!」(45歳・女性)
【丸初福島商店(貝類・川魚)】
「貝類の専門店は珍しい」(54歳・男性)
「お酒のアテに生ガキやあん肝などを買います」(38歳・女性)
【やなかしっぽや(焼き菓子)】
「甥っ子や姪っ子が商品(猫のしっぽをモチーフにした焼ドーナツ)の形が好きなのでよく買う」(40歳・男性)
「かわいいだけじゃなくて、おいしい」(51歳・男性)
【谷中銀座 招き屋(焼き菓子)】
「福にゃん焼きが好きなので」(36歳・男性)
【肉のすずき(総菜)】
「ここのメンチカツは絶品。おみやげにしてもよし」(35歳・男性)
お総菜のなかでも、メンチカツやコロッケを買いによく行くというユーザーは多い様子。食べ歩きにもちょうどいいし、夕飯のおかずやちょっと小腹が空いたときにもピッタリなので、つい通ってしまうのも納得だ。また、商店街の雰囲気のコメントにもあったように猫をモチーフにした商品も多く人気。
ノスタルジックな雰囲気のお店や、見た目がかわいい商品を取り扱うお店が多く、SNS映えすること請け合いだが、「写真撮影をするときは一声かける」がこの商店街のルール。注意しよう!
「あのお店が欲しい」vs.「今のままでいい」ユーザー間でも意見が割れる!商店街の雰囲気やよく行くお店など、谷中銀座商店街の好きなところを聞いてきたが、一方で「改善してほしい」と感じるところはないものだろうか? 上位10項目は以下のとおり。
●改善してほしいところ(複数回答)
1位:あてはまるものはない(31.0%)
2位:人が多くて混雑している(25.0%)
3位:自分の好きなお店があまりない(12.0%)
3位:アーケードがない(12.0%)
3位:開催されるイベントに興味がわかない(12.0%)
6位:お店の種類・数が少ない(11.0%)
6位:美味しいお店がない(11.0%)
6位:汚い・清潔でない(11.0%)
9位:高いお店がある(9.0%)
9位:商店街の長さが短い、もしくは長い(9.0%)
1位は「あてはまるものはない」ということ、また「好きなところ」の数値やコメントから推測すると不満をもっているユーザーはそんなに多くはないようだ。2位の「人が多くて混雑している」の項目も、裏を返せば活気があり、にぎやかであることの証拠といえるだろう。3位以下の項目でも、どれも数値に大きな差は見られず、わずか10%前後の回答にとどまった。
それは、「この商店街は好きですか?」という質問への回答にもあらわれており、「とても好き」「好き」の合計は86.0%。対し、「あまり好きではない」「まったく好きではない」の合計がわずか2.0%と、満足度の高さがうかがえる。
とはいえ、不満ではないが要求はあるようで、「この商店街に不足しているお店」を聞いてみると、以下のようなコメントが挙がった。
「ラーメンなどの軽食系」(37歳・男性)
「アクセサリーのお店」(37歳・女性)
「猫カフェが欲しい。また、観光客のために休憩所や泊まれる民泊があるとよい」(43歳・男性)
「レンタルCD・DVD店が欲しい」(36歳・男性)
「ケーキ屋」(46歳・女性)
「若者向けの洋服屋」(32歳・女性)
また、お店ではないが、谷中銀座商店街にはトイレがない。そのため、「トイレがないので困っている人を見かける。仕方なく飲食店に入るのはかわいそう」(63歳・男性)との意見も。
しかし一方で、「今のままで十分満足」(44歳・男性)、「古き良き日本の商店街の雰囲気をずっと残してほしい」(45歳・女性)、「この雰囲気を壊さず、今のままであり続けていってほしい」(56歳・男性)と、変化を求めない声もあり、ユーザー間でも意見は割れているようだ。
谷中銀座商店街は個人商店が多く、人との触れ合いや温かさが感じられる。また昔ながらの下町の雰囲気が味わえるという点も、ユーザーをとりこにする要因のようだ。わずか170mの道のりには、その何倍もの魅力が詰まっている。
●調査概要この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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