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【小麦色(こむぎいろ)】とは、やわらかい赤みのある黄色のことです。日本の伝統色である【小麦色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。
小麦色とは、小麦の粒(つぶ)を思わせるような赤みのある黄色です。
色の名前 小麦色 読み方 こむぎいろkomugi-iro 英語 light brown WEBカラーコード #e4a343 CMYK C=0/M=38/Y=75/K=12 RGB R=228/G=163/B=67
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。
【小麦色】は、小麦のつぶを思わせるようなやわらかな赤みのある黄色の色名です。
小麦は、イネ科コムギ属の一年草の植物で、世界三大穀物のひとつです。古い時代から世界中で栽培されていて、日本にも3~4世紀にはすでに伝わっていました。ですが、小麦から発生した色名は、日本では長いあいだ存在せず、英語の「wheat」の訳語として近代文学で使われていた言葉が、そのまま色名としても定着しました。そのため、【小麦色】は、日本古来の伝統色とはいえません。古い伝統色のなかで近い色には、平安時代の【深黄(こきき)】があります。
【小麦色】といえば「肌」。【小麦色】は、きれいに日焼けした健康的な肌のことを形容する言葉としてよく使われます。また、近代文学での初出は大正15年に書かれた里見弴(さとみとん)の小説『大道無門(だいどうむもん)』と言われています。
小麦色こむぎいろ 中紅なかべに
小麦色こむぎいろ 栗皮茶くりかわちゃ
【小麦色】に合う色のひとつに【中紅(なかべに)】があります。【中紅】は、紅花から作られる片紅(かたべに)で染めた、黄みが強いのことです。【小麦色】は秋のよく晴れた日に照らされ輝く小麦のような色。やわらかなあたかみを感じさせる【中紅】と組み合わせると、可愛らしさも感じられる配色になります。また、栗の実の皮のような赤褐色【栗皮色(くりかわちゃ)】など、赤みのある茶系統の色とも相性がいいでしょう。一方、【浅黄(うすぎ)】やなどの薄い色も、【小麦色】と合わせるとあたかみのある配色になります。
The “小麦 Komugi -means wheat-” is the color name for a soft reddish yellow that reminds one of wheat crumbs.
Wheat is an annual herbaceous plant of the grass family Wheataceae, and is one of the three major cereals in the world. It has been cultivated all over the world since ancient times and was already introduced to Japan in the 3rd to 4th centuries. However, color names derived from wheat did not exist in Japan for a long time, and the word used in modern literature as a translation of the English word “wheat” became established as a color name as it is. Therefore, “小麦 Komugi” color is not a old traditional Japanese color. A color close to it among the old traditional colors is “深黄 koki-ki -means deep yellow-” from the Heian period (794-1185).
The word “小麦 Komugi” color refers to skin. It is often used to describe healthy, well-tanned skin. The first appearance of the word in modern literature is said to be in Satomi Ton’s novel “Daidoumumon” written in 1926.
【小麦色】は、英語の訳語から生まれ、近代文学で使われたことで定着した色名です。健康的に日に焼けた肌の色としてよく使われますね。
ところで、「小麦色の肌」と表現するのは日本だけで、フランスでは日に焼けた肌色を形容するときは「パン・ブリュレ(pain brule)」が使われるそうです。これは、「焦げたパンの色」の意味で、茶色に近い色です。
(マイナビ子育て編集部)
参考文献・『色名がわかる辞典』(講談社)・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)
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