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固定資産税、払い過ぎてない? 自宅の税額が正しいか自分で確認しよう

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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固定資産税の払い過ぎに注意!納めすぎないためにおさらいしてみよう(写真:iStock / thinkstock)

固定資産税の徴収ミスにより、延滞金などを払いきれずに自宅を売却した夫婦がいたことが話題になった。総務省の調査では、固定資産税の取り過ぎが発覚し、減額修正されたのは全国で25万件以上(2009年度~2011年度)というから、決して他人事ではない。税金は難しいからと、会社任せ、行政任せ、専門家任せにしがちだ。しかし、過払いを防ぐには、税の仕組みを理解し、正しく納税しているか、自らがチェックする心構えが重要だ。

固定資産税の過払いは誰にでも起こること?

今回ニュースになったのは、氷山の一角。固定資産税は地方税なので、ミスが発覚しても内々に処理されているケースもあるだろう。税の取り過ぎは、職員の単純な入力ミスであったり、本来軽減される特例措置が適用されていなかったりと、状況は異なるが、税の決定に「人」が関わる以上、ミスがある可能性はゼロではない。そういう意味でも、自分が納税する額は正しいのか、必ずチェックするべきだ。

マイホームを取得する際、金融機関や不動産会社が諸費用として、税金関係の概算を提示してくれる。しかし固定資産税の場合は、購入後にかかる税金のため、概算の中に含まれないことが多い。

特に新築の場合は、入居時でも実際の固定資産税がいくらになるのか分からないことが多いのが実情だ。ただし、分譲住宅の場合は、販売会社が販売物件の固定資産評価を受けているため、間違った納税通知書が届くことは考えにくい。中古物件の場合は、売主が固定資産税の納税通知書(もしくは、固定資産評価証明書を市町村役場でもらう)を受け取っているため、売買時に年間所有日数で売主、買主で按分し、売主が多く支払っていれば、差額を精算することになる。

今回のニュースでもそうだが、問題が発覚するのは、主に一戸建てだ。土地を購入したのち、建物を新築する場合、分譲マンションや分譲戸建てとは異なり、1軒1軒評価が異なるので、ミスが発生しやすい。これから建てる人も、すでに竣工している人も、課税の仕組みを理解しておいてほしい。

1月1日時点で所有している不動産に課税される

そもそも固定資産税とはどういう税金なのか、おさらいしておこう。

固定資産税は、1月1日時点で土地や建物を所有している人に課せられる税金で、地方税(市町村税)。1月1日時点での土地の価格、建物の価格が算出され、そこに一定の税率が課せられ納税することになる。土地や建物の価格は変動するので、本来は毎年固定資産税が見直されるべきだが、課税事務の簡素化、徴税コストを抑えるために、評価の見直しは3年に1回となっている。

固定資産税額が決まる仕組みは、単純だ。
土地の価格は路線価に基づき、土地の形状や接道状況などによって課税標準額が算出される。路線価自体は実勢価格の80%程度だが、更地の場合は、税の軽減措置はない。土地に住宅が建築されてはじめて、課税標準の軽減が適用される。

建物の価格は「再建築価格」といって、今、同じ建物を建てるとしたら、いくらかかるか、という考えのもと、課税標準額が算定される。よほど華美な住宅でない限り、実勢の40~60%程度の価格になる(詳細は後述)。建物自体に課税標準の軽減措置はなく、新築の場合に限って、一定の期間、税が半減される仕組みである。

つまり、土地も建物も、固定資産税の計算式は、
課税標準額×税率(1.4%※)=固定資産税額
である。
※1.4%は標準税率。市町村によって税率は異なる場合がある

どんな場合に、税の軽減が受けられるのか

固定資産税の本則は、前述の計算式だが、では、どんな場合に税の軽減が受けられるのか。ここが過払いを防ぐ、重要なポイントだ。ここでは話を簡素化するために、一般的な一戸建てのケースで説明する。

住宅建築用の土地に関しては、「住宅用地の特例」があり、以下のように課税標準が軽減される。

小規模住宅用地(土地面積200m2以下の部分)・・・課税標準が6分の1になる
一般住宅用地(土地面積200m2超の部分)・・・・・課税標準が3分の1になる

本則の計算に照らすと、土地面積が200m2以下の住宅用地なら、
土地の課税標準額×1/6×税率(1.4%)=土地の固定資産税額
となるわけだ。

新築の建物の場合は、課税床面積が120m2までの部分(適用の基礎条件は床面積50m2以上280m2以下)について、本則で計算された固定資産税額が3年間または5年間にわたって、半額になる。

3階建て以上の耐火構造、準耐火構造・・・新築後5年間は税金が半額になる
上記以外の一般住宅・・・・・・・・・・・新築後3年間は税金が半額になる

本則の計算に照らすと、建物の課税床面積が120m2以下なら、
建物の課税標準額×税率(1.4%)×1/2=建物の固定資産税額
となる。

いかがだろう。課税の仕組み、税の軽減措置自体は、さほど難しくない話だろう。話がややこしくなるのは、軽減適用には面積の条件があるからかもしれない。土地の住宅用地なら、すべて課税標準が6分の1になるわけではないし、建物も床面積が120m2を超えた分は、税の軽減の対象外になるからだ。各自治体でミスが発生するのは、こうした面積按分での入力ミスも多いのではないだろうか。

計算の元になる課税標準って何?

ここまで読んできて、「その課税標準額が分からなければ計算できない」と思われた方も少なくないだろう。自分で計算しようにも、課税標準額が分からなければ、実は、過払いかどうかチェックしようがないのだ。

自分の家の課税標準額はどうやったら求められるのだろうか。
まずは、土地について。
一般的な宅地であれば、まずは課税標準の大元となる「路線価」が算定基準となる。路線価は地価公示価格や鑑定評価、売買事例などを元に、主要な道路ごとに定められているもの。この路線価に基づき、宅地の状況(奥行、間口、形状など)に応じて固定資産税の課税標準が算出される。今はインターネットなどで路線価が公開されているので、一度チェックしてみるといいだろう。

やっかいなのは建物の課税標準額の算出だ。冒頭で「再建築価格」で算定されると書いたが、実は、それを算出するための「固定資産評価基準」が存在するのだ。これは総務大臣が定めたもので、基本的には全国一律で評価ポイントが決まっている。

固定資産評価基準には、建物の構造、設備仕様、内装材などかなり詳細に区分されたチェックポイントがあり、それぞれに評価額が設定されている。その積算によって課税標準額が決定される(地域性や物価水準などによって、係数調整されているものも)。

筆者も昨年、住宅建築をした。年明けの今年1月に市区町村の税務課調査員の訪問を受け、建物の外周、内部を調査された。実際には、事前に設計図書一式、仕様書一式で調査員は確認しているので、現地調査では図面では分かりにくいところ、図面との相違がないか、といった点を中心に確認していた。

その際、筆者がヒアリングした限りでは、「例えば、内装材で大理石仕上げなど、高価な仕上げや設備を採用していると評価が高くなる」とのことだった。標準的な構造、設備、仕様であれば、実際かかった建築費の40%~60%程度だそうで、筆者の場合は50%弱の評価額だった。その場で、おおよその概算を記入したシートを渡されたので、そこで本則の税額、軽減後の税額が確認できた(もちろん実際の税額は納税通知で最終確認すること)。

これも、興味のある方は、評価基準が公開されているので、参考までに見てみるといいだろう(ただし、このチェックポイントを自分で積算していくのは、難しいだろう)。

納税通知が届いたら、軽減措置の適用がされているかをチェック

課税の仕組みを細かくみてきたが、自分の固定資産税額が誤っていないかをチェックするには、要は、住宅であれば土地に特例が適用されているか、建物の税額は軽減されているかどうかが、最大のポイント。4月に納税通知が届いたら、その部分をチェックすればよい。

書式は市区町村ごとに違いがあると思うが、基本的には、本則で計算された土地、建物の課税標準額が記載され、本来の税額が書かれている。そこから住宅の軽減額が差し引かれ、当該年の年税額が示されている。通知書は束になっていて、ページをめくれば、土地、建物それぞれの計算根拠となる明細が記載されているので、こちらも合わせてチェックしておけば万全だ。

もしも、納税額に疑問を持った場合は、市区町村役場に問い合わせをすること。固定資産税の課税標準は、「固定資産課税台帳」に記載されており、誰でも申請すれば縦覧することができる。ただし、縦覧期間は4月1日から4月20日まで(市区町村によって異なる場合もある)となっているので、疑問を感じたら、即座に行動を起こすこと。そこで修正されず、何らかの不服があれば、納税通知を受け取った日の翌日から60日以内に、審査の申し出をすることができる。

ちなみに、固定資産税の評価額は、不動産取得税、登録免許税の算出にも関係してくるもの。さらに固定資産税は、土地、建物を所有している限り、毎年課税されるものなので、疑問は後回しにせず、早いうちに問題を解決するようにしたい。

最後に、今回のような過払いをなくすために、総務省では「固定資産税のしおり」を作成し、配布している。一般的なケースのほか、店舗併用住宅や商業用地の場合、税負担の調整措置など、かなり詳細に説明された冊子なので、新築を予定している人は、市町村役場で入手するといいだろう。

<固定資産税とは>
■何に対して1月1日時点で所有している土地、建物に課税
■誰に1月1日時点の土地、建物の所有者に課税
■税率課税標準額×1.4%(標準税率。自治体によって異なる場合もある)
■税の軽減土地は住宅用地の軽減特例。新築住宅は3年間または5年間、税額が半額
■課税者市区町村(地方税)
■納税時期3月31日に課税額が決定。4月に納税通知が届く

●「固定資産評価基準」総務省
HP:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/ichiran13/pdf/kaoku.pdf
●「平成26年度 固定資産税のしおり」総務省
HP:http://www.recpas.or.jp/new/jigyo/report_web/h26_shiori.pdf
●全国地価マップ(資産評価システム研究センター)
HP:http://www.chikamap.jp/●関連記事
・住宅ローン控除って、実際いくら戻ってくるの?


【お詫びと訂正】
建物の固定資産税額の計算式において、「×1/2」とすべきところを「÷1/2」と表示しておりました。
訂正いたしますとともに、読者の皆さまにご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
(2017/4/26)

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SUUMO

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