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時代とともに変化する! ショップのインテリアから見た「東京の街」

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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変化する東京の街、インテリアに注目したショップめぐりのススメ

東京は、あらゆる「最先端」が集まる場所。なかでも、カフェ・レストラン・ホテル・商業施設などの建築物は、東京の街を日々進化させています。しかし皆さんは、時代とともに変化していく建築物の内面に注目したことがあるでしょうか。建築物の内装、特にインテリアを見ることで、東京という街をさらに理解できる――。そう話すのは『TOKYOインテリアツアー』の著者で、建築家・デザイナーの浅子佳英(あさこ・よしひで)さん。今回は浅子さんに、東京で見るべきインテリアスポットや、その楽しみ方について伺いました。
数年で店舗が変わってしまうスピードの速い街だから、最新のデザインに出合える

浅子さんは、インテリアデザイナーの安藤僚子さんと共に2013年から東京のインテリアを見て回るツアーを企画し、その記録を一冊の本『TOKYOインテリアツアー』(LIXIL出版)として出版しました。

【画像1】インテリアツアーをガイドするインテリアデザイナーの安藤僚子さん(中央)と建築家の浅子佳英さん(右端)(写真提供/浅子佳英)

【画像1】インテリアツアーをガイドするインテリアデザイナーの安藤僚子さん(中央)と建築家の浅子佳英さん(右端)(写真提供/浅子佳英)

「インテリアツアーを始めたのは、インテリアを学ぶためのアーカイヴが必要だと思ったからなのです」
浅⼦さんによると、⽇本では建築と違って、インテリアについての学術的な研究や批評がほとんどないとのこと。⽇々改装されていくショップ・インテリアの歴史が残されていないのは残念だと、友人の安藤僚子さんとSNSで参加者を募り、インテリアツアーを始めたそう。

浅子さんは「東京のインテリアや商業建築は、世界でも5本の指に⼊る」と話します。「東京のショップは更新速度が速く、好きなショップが2年でなくなることも。しかしポジティブに捉えれば、そのときの最新作が目の前にある街なのです」

なかでもおすすめなのは、ショップのインテリアに注目すること。東京のホテルやレストランにも一見に値するインテリアが並んでいますが、利用するのに費用がかかります。
「ショップなら、少し勇気をもてば誰でも⾒学できますからね」
と、アドバイスしてくれました。

ショップを飾る最新のインテリアデザインを見て回ると、自分はどんなインテリアが好きなのか、真似したい色づかいはどれかなど、自宅のインテリアに取り入れたいアイデアが見つかる楽しみもありそうです。

街の個性とショップ・インテリア、影響し合いながら変化し続ける

では、実際にインテリアを楽しむ街歩きのポイントはどんなところにあるのでしょうか。

「東京のなかでもエリアごとに特性があり、街歩きをすると違いが⾒えてきます。その街の成り⽴ちや、過去からの変化を知ると、ショップ・インテリアの⾒⽅も深まります」

例えば、渋谷区・神宮前の裏原宿エリアにある「Cat Street(キャットストリート)」と呼ばれる遊歩道は「元々、渋谷川という川だったので道がうねっています」。

周辺の建物の建て替えが進んでも、「Cat Street」はあくまで側溝を埋め立てたスペースで道路ではなかったので、両脇に立ち並ぶ建物は建て替えができませんでした。その結果「古家のリノベーション店舗なので賃料が安く、若者向けのショップが軒を連ねた」という歴史があるとのこと。

その後、「Cat Street」は道路に指定され、この道沿いにも新しいビルが立ち並ぶようになり、だんだんと“裏”ではなくなっていきました。ショップのインテリアも尖ったデザインからポピュラーなデザインへと、客層に合ったインテリアに変化してきたのだそう。

【画像2】裏原宿「Cat Street」(写真/PIXTA)

【画像2】裏原宿「Cat Street」(写真/PIXTA)

表参道、代官山、銀座……。各エリアで注目のインテリアとは?

浅子さんがインテリアに注目したエリア・ショップについて伺いました。まずは表参道エリアのショップについて、浅子さんは以下のように話します。

「今年の3月で閉店してしまいましたが、『Sally Scott 表参道店』。デザイナー皆川明氏のブランドで、そのキャラクターであるサリーが“おじさんの別荘を勝手にリフォームした家”がテーマ。アンティーク家具や小物使いが、懐かしくもかわいいインテリアになっていました。

ハイブランドでは『セリーヌ』が必見。クリエイティブディレクターのフィービー・ファイロによるインテリアは、素材の使い方が面白く、現代的でラグジュアリーな空間になっています」

裏原宿と共に表参道は、これからまだまだ変化を重ねてゆく街のようです。

「代官山も個性的な街ですね。その時代の核となる複合施設によって、代官山エリアの住民層も変化してきました」

特徴的な複合施設といえば、まず挙げられるのは建築家の槇文彦によって1967年から1992年にかけて建設された「ヒルサイドテラス」。建物の中に歩道や小さな庭をいくつも抱え込んだ豊かなパブリックスペースを持つ建物です。さらにその用途も住居、オフィス、ショップ、ギャラリーなど、多岐にわたっています。また、2000年には「代官⼭アドレス」が駅前に完成。こちらも高層マンションやショッピングセンターなどによって構成された複合施設です。

「渋谷から1駅という好立地にもかかわらず、比較的ゆったりとした雰囲気をもった代官⼭には感度の⾼い⼈たちが集まり、⻘⼭に次ぐファッションの街となっていったのです」

しかしその後、店舗の賃料が高騰したことで、新進気鋭の面白いショップは中目黒方面にシフトしてしまい、代官山人気は落ち着きました。

「最近はヒルサイドテラスで育った世代が子育て世代となって、子ども服のショップなどが増えましたね」

そこへ2011年に、「代官山 T-SITE」がオープン。世界的に有名な建築家ユニット「クライン ダイサム アーキテクツ」のデザインによって建築された複合施設で、蔦屋書店を核に大人のライフスタイルを提案しています。

「T-SITEは街の救世主となり、若者から団塊世代まで求心力のある施設となりました。インテリアも3棟がつながる動線をよく考えられており、商品を楽しみながらくつろげる空間が広がっています」

【画像3】「代官山 T-SITE(蔦屋書店)」(写真/PIXTA)

【画像3】「代官山 T-SITE(蔦屋書店)」(写真/PIXTA)

最後に注目エリアとして挙げるのは、銀座。日本で一番地価が高い銀座は、ハイブランドや一流企業が居並ぶエリアです。マクドナルドもスターバックスも1号店は銀座でした。世界が注目する銀座では、どんなショップのインテリアを楽しみながら街歩きができるのか伺いました。

「同じラグジュアリーブランドでも、銀座と青山・表参道では建物のあり方も違います。高層建築となる銀座ではファサードデザイン(建物の外観)に重点が置かれた建物が多いですね。最近の話題でいえば何といっても、4⽉にオープンした『GINZA SIX』。こちらは内部に立派な吹抜け空間があるものの、外部は周囲の街と切り離されたつくりになっています」

【画像4】今年4月にオープンした「GINZA SIX」(写真/PIXTA)

【画像4】今年4月にオープンした「GINZA SIX」(写真/PIXTA)

「ただ、銀座は1階のテナント料が高いため、ラグジュアリーブランドがそろってしまいがちです。そうすると、街が画一的になり魅力も維持できなくなると思うのです」

浅⼦さんは、1階路面にカフェや飲食店のような人々がくつろげる場所があることこそが、街に活気をもたらすと話します。

「これから高層化が進む渋谷エリアには、テナントやインテリア含め、今以上に多様性をもち、銀座とは異なる独自の変化をとげてほしい」と、浅子さんは街やインテリアの多様化に期待されていました。

東京の街はオリンピックに向けてますます変化を続けています。街のインフラや建物が着々と進化、成長するなかで、インテリアについても「東京の街が、その内面探しをしているよう」(浅子氏)。それに伴って、東京に立ち並ぶ数々のショップのインテリアがどう変貌してゆくのか、私たちも見続けて行きたいですね。

●取材協力
・浅子佳英さん 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

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SUUMO

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