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郊外×二世帯×築古一戸建てのリフォームって実際どう? 住み手の暮らしをのぞいてみた

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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郊外×二世帯×築古戸建てのリフォームって実際どう? 住み手の暮らしをのぞいてみた

東京の郊外には、築年数がたった一戸建て住宅が数多く残っています。そこに住む人の大半は、シニア層の夫婦。近年では、その子世代が都心にマンションを買うケースも多く、住み継ぐ人がいないために将来的な「空き家化」も懸念されています。
そうした流れには反するようですが、なかには実家を「オシャレにリフォームして二世帯で住む」スタイルを選ぶ人も少なからず存在します。果たして、それはどんな住まいで、どんな暮らしがかなうのか? モデルケースとして、玉川学園前駅徒歩15分の築古一戸建てを二世帯住宅にリフォームし、親世帯とともに暮らすファミリーを訪ねてみました。
「40代から5000万円のローンは無理!」、理想と現実のギャップに気づく

フリーランスの編集者兼ライターとして働くNさん(45歳)。夫と娘(6歳)、息子(3歳)の4人で暮らしているのは、玉川学園前駅(東京都町田市)から徒歩15分ほどの場所にある一戸建て住宅の2階部分。1階には、Nさんの両親が住んでおり、いわゆる二世帯住宅です。

もともとは、Nさんの両親が約30年前に建てた家であり、Nさんが生まれ育った家でもあります。賃貸併用住宅として、長年近隣の大学に通う学生を受け入れてきたのですが、空き部屋の期間がしばらく続いていました。そんな折、Nさんの2人目の妊娠をきっかけに、二世帯で暮らす話が浮上。今から3年前のことです。

Nさん「37歳で結婚、38歳で長女を出産して以降も、フルタイムで出版社に勤務していました。当時は、世田谷の賃貸マンションに住んでいたのですが、41歳で2人目の妊娠が分かって、さすがに仕事も忙しいし、このままの暮らしぶりじゃ続かないなと。子育てを優先させるために退職を決意し、同時に手狭だった部屋を引き払って、家族4人で暮らせる住まいを探そうと考え始めたんです」

本人は、「単なるプライドかな?」と分析しているようですが、とにかく田園都市線沿いに住みたかったというNさん。最初は世田谷区で物件の相場を探り始めますが、夫がマンションよりも広い家を望んでいたため、マンションの選択肢を外し、一戸建てに絞りました。

最初からリフォーム前提で、“田園都市線×一戸建て+リフォーム”、築古で50坪ほどの一戸建てを見て回ったそうですが、世田谷に比べて格段に安くなるわけでもなく、トータルすると5000万円はくだらない現実に突き当たります。

Nさん「中古住宅をおしゃれにリノベーションして住む、というスタイルがはやり始めていたころで、『これでいこう』と。ただ、いざ探し始めてみると、リフォームしがいのあるようなすてきな物件が、そうそうすぐ出てくるはずもなく……(笑)。現実的に、夫婦ともに40歳を過ぎて、5000万円のローンを背負って、好みでもない中古住宅を無理矢理リフォームするのはないなと思いました。2人目をお腹に抱えながらの家探しだったので早く決めたいという思いもあり、田園都市線は断念することに。次に、夫の実家の埼玉か、私の実家の町田か、どちらかに頭を下げ、二世帯リフォームをして住まわせてもらおうという話になりました」

実家2階を昭和テイストからイマドキなおしゃれ住まいへ

最終的に、夫の通勤距離が近かったNさんの実家での二世帯暮らしを選択。新しい家づくりのパートナーに選んだのは、リノベ界のパイオニアとして知られるブルースタジオでした。

Nさん「テレビ番組でブルースタジオが特集されていたのを見たことがあって、これまでにあまりないような、デザイン性に優れたリノベーションをするんだなと印象的だったんですよね。調べてみると、ちょうど中古住宅のリノベーションにまつわるセミナーの告知がホームページに載っていたので、参加してみることにしたんです。時間もなかったので、こちらにセミナー後の相談から現地調査まで一気にお願いすることにしました」

【画像1】4棟がつながっているようにみえる家の外観。1階の右奥が、Nさんの父親の仕事場、母親の教室、住居への入り口となっている(撮影/森カズシゲ)

【画像1】4棟がつながっているようにみえる家の外観。1階の右奥が、Nさんの父親の仕事場、母親の教室、住居への入り口となっている(撮影/森カズシゲ)

リノベーションは主に2階部分のみ。今まで賃貸として貸していた部分と、両親の主寝室部分などを譲ってもらい、家族4人で暮らす2LDK、125m2の住まいに改装しました。

【画像2】改装前(上)と改装後(下)。リノベーションにかかった費用は、1000万円台。Nさん夫婦の貯金と義父母、両親からの援助、残りはローンを組んで賄ったそう(画像提供/Nさん)

【画像2】改装前(上)と改装後(下)。リノベーションにかかった費用は、1000万円台。Nさん夫婦の貯金と義父母、両親からの援助、残りはローンを組んで賄ったそう(画像提供/Nさん)

Tさん「最初は水まわりの工事だけでいいんじゃないかという話があったのですが、やはり自分たちが作りたいインテリアの方向性を優先させたくて。『天井を抜きたい』『間取りも変更したい』『キッチンやお風呂は新しいものを入れたい』という希望をかなえるためには、ある程度の費用は必要でした。もっとかけようと思えばかけられると思うのですが、家自体が古いので今後も何かと修繕にお金が掛かることが予測されるため、“第一期リノベーション”と割り切りました」

【画像3】天井を高くしたかったというNさん。解体してから出てきた丸太梁(まるたばり)をそのまま活かしている部分と、白くペイントした部分に分け、デザイン性の高い仕上がりに。また、天窓をつけて室内に光を取り込んでいる(撮影/森カズシゲ)

【画像3】天井を高くしたかったというNさん。解体してから出てきた丸太梁(まるたばり)をそのまま活かしている部分と、白くペイントした部分に分け、デザイン性の高い仕上がりに。また、天窓をつけて室内に光を取り込んでいる(撮影/森カズシゲ)

【画像4】木目のナチュラルな質感がおしゃれなキッチンは造作。ドイツ製「Miele(ミーレ)」の食洗機もビルトインしている。壁面にはタイルを貼り、見せ方にも工夫を感じられる(撮影/森カズシゲ)

【画像4】木目のナチュラルな質感がおしゃれなキッチンは造作。ドイツ製「Miele(ミーレ)」の食洗機もビルトインしている。壁面にはタイルを貼り、見せ方にも工夫を感じられる(撮影/森カズシゲ)

必要だったのはブランド力よりも、両親と暮らせる安心感

「当初は、『もう世田谷には住めないのか……』という残念な気持ちもありました」と振り返るNさん。妥協を重ねながらも、「自分たち好みの住まい」を手に入れることで気持ちに折り合いをつけた部分もあったとのことですが、実際に住み始めてみると世田谷に暮らしていたころよりも快適性は向上。特に、両親が近くにいる暮らしにメリットを感じていると言います。

Nさん「以前から仕事が忙しいときは、母がわざわざ世田谷のマンションまで足を運んでくれて、子どもの面倒を見てくれていたんです。正直、近くに住めばもっと頼れるのではないかという期待もあったのですが、予想以上に助けられていますね」

では、Nさんの実母にあたるTさん(74歳)は、二世帯にしてからの生活の変化をどう感じているのでしょうか。

Tさん「二世帯で暮らせてすごくうれしい!……とは思いませんでしたね(笑)。私もどこまで手伝ってあげられるか分かりませんでしたし。でも、孫がいるとやっぱり暮らしが活性化するというか、夫婦2人のときよりも明るくなったとは思います。夫(78歳・Nさんの父)も最初は『自分の家が壊される』と嘆いていたのですが、いざ二世帯にしたら、子どもたちの家族に、木曜日はハンバーグ、金曜日はカレーをつくってあげるのが習慣になっているんですよ。私は、得意の折り紙で孫と一緒に遊ぶのが楽しみです」

【画像5】おじいちゃんのカレーが大好きだというNさんのお子さん。おばあちゃんからも折り紙を習っているとか。祖父母が同じ屋根の下で子どもの成長を見守ってくれることの価値は計り知れない(画像提供/Nさん)

【画像5】おじいちゃんのカレーが大好きだというNさんのお子さん。おばあちゃんからも折り紙を習っているとか。祖父母が同じ屋根の下で子どもの成長を見守ってくれることの価値は計り知れない(画像提供/Nさん)

なお、Nさん夫婦は長女・長男。夫サイドからしてみると、妻の実家に移り住むことに抵抗があるかと思いきや、その辺りは、ご両親が顔を合わせたときにきちんと話をしていたとのこと。Tさんは次のように話します。

「娘夫婦に自分たちの老後の面倒を見てほしいとか、同居してほしいといったたぐいの話は、これまでもしたことはありません。ただ、あちらのご両親はどう考えていらっしゃるのかなと心配していたのですが、結納のときに『私たちのことは気になさらず』と仰ってくださったんです。弟さんが近くに住んでいるので、特に不安はないとのことでした」

二世帯住宅を決断する前におさえておきたいポイントがある

二世帯暮らしがうまく行くコツは「お互いの家族に干渉しないこと」と語るTさん。互いの生活音がストレスにならないよう、居住空間も明確に分けたのだとか。
なお、二世帯での暮らしを検討しているなら、親世代の体力をふまえ“なるべく早いうち”に決断するのが望ましいといいます。

Tさん「私たち夫婦がまだ70代で、経済的にも肉体的にも“体力”があるうちでの同居だったので、良かったと思います。親が病気になってからだと、子どもたちにしてみれば『面倒を見ないといけない』というプレッシャーが重くのしかかってきますよね。二世帯だからといって、お互い依存するのではなく、親も自立しないといけないと思います。私も、いつ病気になるか、寝たきりになるか分かりませんが、娘夫婦に『面倒見てくれる?』なんて聞かないし、仮にそうなっても頼ろうとは思っていません」

親世帯、子世帯、双方にとって大きなメリットを生んだNさんの二世帯リフォーム。若い共働き世帯は都心やマンションの合理性・利便性を求めがちですが、「郊外で親世帯と暮らす」という選択肢もあながち悪いものではないようです。何より、実家の建物を活かすことで、低コストでデザイン性の高い家が手に入るというのは大きな魅力でしょう。

まとめると、今回の取材を通じて見えてきた「二世帯リフォーム」を成功させるポイントは以下のとおり。

(1)実家をおしゃれに二世帯リノベーションする方法は無数にある
…ブルースタジオのみならず、昨今中古物件をリノベーションでおしゃれによみがえらせる会社は増えています。外観にはこだわらず、内装や設備のスペックをバージョンアップさせるなら建て替えよりも安く済ませられそうです。

(2)エリアにこだわらなくても、郊外で幸せに暮らせる
…もちろん住むエリアの環境や知名度は気になるところですが、田園都市線沿いの暮らしにこだわっていたNさんも、方向転換したことで低予算かつ満足のいく住まいを手に入れました。「そこに住むことが自分の人生を本当に幸せにしてくれるのか」「ほかのエリアの魅力に気づいていないだけなのではないか」と自問してみるのも手かもしれません。

(3)二世帯で楽しく暮らすには干渉&期待をしないこと
…Nさんの母であるTさんのアドバイスのとおり、干渉と期待はお互いにとって負担になりかねません。親子とはいえ人間同士。特に、義理の親と暮らすことになる夫(もしくは嫁)は、新たな人間関係を構築する必要があるのでストレスにもなりかねません。二世帯だからといって頼ることを前提にするのではなく、自立を意識することがうまくいくポイントかもしれません。

ともあれ、実家が郊外にあるからといって選択肢から切り離すのは早計。「自分たちの理想とする幸せな生活が、どこでならかなえられるのか?」という観点で、実家を活かすことも選択肢の一つとして、考えてみてはいかがでしょうか。

●取材協力
・ブルースタジオ 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

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SUUMO

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