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生きていれば誰しも逃れられないのが、「老化」。
年々、お肌のコンディションや髪の毛の質、体力の減少などからその気配を感じている人も少なくないと思います。
ただ老化をありのまま受け入れるよりは、なるべく若々しく、元気でいたいですよね。
そこで老けない体をつくるコツを、アンチエイジングの名医・満尾 正(みつお ただし)先生に聞いてみました。
■なぜ老化は起こるの?
老いのメカニズムはホルモンが大きなカギ
そもそもなぜ人間の体は老化するのでしょう?老化の主な原因としては、
①「細胞の酸化」
②「糖化現象」
③「現代型栄養失調」
④「ホルモン分泌量の変化」
⑤「有害物質の変化」
が挙げられます。
特に④のホルモン分泌量に関しては、男女ともに35歳を過ぎるとDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)の分泌量が低下していくことが知られています。
このDHEA、実はとある呼び名があるのです。
その名も……
「ミラクル若返りホルモン」!
■ミラクル若返りホルモン・DHEAって?
副腎皮質から分泌されるDHEAは、男性ホルモン、女性ホルモンの原料・マザーホルモンであり、肌や筋肉、骨の形成を促進し、記憶力や意欲を高める効果があるとされています。そのため、心身の若返りのためにはDHEAが重要なキーになるといえるのです。
そんな魅力的なDHEAですが、運動をすることによって分泌を促進できます。
運動……そう聞いてげんなりされた方、多いと思います。
長時間のジョギング、水泳、筋トレ……若々しくいたくても毎日きつい運動はムリ!と思われるかもしれませんが、そんな必要はありません!
ホルモンの分泌を促す目的であれば、軽い運動でも効果があるとされています。
中でも一番効果的なのは
ウォーキングです!
■アンチエイジングに効果的なウォーキング習慣
ウォーキング、つまり下半身を恒常的に使って運動することで、DHEAの血中濃度がグンと上昇し、アンチエイジングに効果的とされます。また、運動をすることでインスリンの感受性が向上し、老化ホルモンの一種・インスリンの減少が期待されます。
つまり、ウォーキングを行うことで、若返り効果がアップし、老化を遅らせることができるのです。
また、一度に長時間行う必要もありません。まずは1日の合計ウォーキング時間30分を目標に、10分×3回など、時間を見つけてこまめに歩いても大丈夫です。
実際に歩く際も、無理に早いペースで歩く必要はありません。一緒に歩く人がいるなら、笑顔で会話を続けられるぐらいの「にこにこペース」で十分効果が得られます。
慣れてきたら、「1分間の早歩き」と「3分間のゆっくり歩き」を交互に行う、インターバルウォーキングを取り入れてみるのもいいでしょう。
■ウォーキング以外にもこんなにある!
生活に取り入れやすい「ちょこちょこ運動」
適度な運動には老化ホルモンによって傷つけられた脳の神経細胞を再生させ、脳機能をアップさせる効果もあります。
そのため週に一度、激しい運動を行うよりも、毎日ほんの数分、もしくは日常生活に1動作加えるなど、運動量をコツコツ増やすほうが効果的といえます。
仕事中、家事、リラックスタイムなどにできる「ちょこちょこ運動」をご紹介します。
①ひと駅余計に歩く
ウォーキングのスピードで歩いても構いませんが、意識せず普段のスピードで歩くだけでも毎日続ければ相当な運動量になります。
②ソファーに座るよりも椅子に座る
ソファーは沈み込みやすく、長時間寝転んだり、座り続けると悪い姿勢が身に付きやすくなり、筋肉にも骨格にも悪影響がある場合があります。椅子に座って正しい姿勢を意識するだけで、じわじわと筋力が鍛えられます。
③雑巾がけのすすめ
普段は意識していないかもしれませんが、雑巾を絞る、床を拭くためにかがむ、片手で体を支えて、もう片方の手で拭く……など雑巾がけは思ったより複雑に体を使っています。体を動かし、部屋もスッキリするのであれば、一石二鳥ですね。
運動は量よりも質。日常生活に少しずつ運動を取り入れて、若々しい脳と体を手に入れましょう!
アンチエイジングの名医・満尾正先生が11月に出版した書籍『ウォーキングだけで老けない体をつくる』では、老化の仕組みから、日常生活にひと工夫加えるだけで老化に対抗できる体づくりを紹介しています。
イラスト/桜井葉子
※記事・画像の無断転載や流用はご遠慮ください
『ウォーキングだけで老けない体をつくる』
著者:満尾 正
©Tadashi Mitsuo
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