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ジェネリック医薬品を使ったことはありますか?10年以上前から国が使用促進策を出していて、最近外来診療ではようやく半分程度がジェネリック医薬品に変わってきました。みなさんが安心してジェネリック医薬品を使えるように、ジェネリック医薬品とは何なのか、使うことでどんなメリットがあるのか、をお伝えしたいと思います。
医薬品は、まず特定の製薬企業が開発し、厚生労働省の承認を受けたものが"新薬"として市場に出ます。それから特許が切れるまでの20~25年ほど、その製薬企業が独占で製造・販売を行うことができます。その特許が切れた後に、別の会社が同じ有効成分を使って製造・販売するお薬を、"ジェネリック医薬品"といいます。
ジェネリック医薬品は、新薬で効き目と安全性が確立された有効成分を使用して開発されるので、安価で開発ができます。そして、新薬と同等であることを証明する試験(多くは人に投与する試験を行っています)を通過し、厚生労働省が承認を与えます。また、製造における品質基準は、新薬と全く同じです。
ジェネリック医薬品の有効成分や効き目、安全性などが新薬と同じであることがお分かりいただけましたでしょうか。
基本的には、同じです。でも、新薬と違うところもあります。
お薬の形や味などは、改良されていることもあります。
ただし、お薬の効き目や安全性に影響しない範囲と決められており、各種試験において新薬と同等であることを証明し、審査をクリアする必要があります。
ジェネリック医薬品を使うメリットをここでは3つご紹介します。
まず1つめは、ジェネリック医薬品には、新薬をよりよくしたものがあるという点です。新薬では大きくて飲みづらかったお薬を小さくしたり、苦かったお薬をコーティングして飲みやすくしているものがあります。
例えば、お子さん用のお薬で、新薬では苦かった抗生物質に、バナナ味のコーティングをすることで飲みやすくなったという例があります。
また、パッケージを識別しやすくするなどの工夫がなされている場合もあります。
2つめは、一部負担金の軽減ができるという点です。
簡単に言うと、薬局で支払う金額が安くなります。
わたしたちは基本料や指導料、薬価(国で定められている医薬品の金額)などを合算して1割~3割の負担金を薬局の窓口で支払っていますので、ジェネリック医薬品を使ってお薬の価格が新薬の約半分になるとしても、負担金は半分にはなりません。でも、同じ効き目と安全性のお薬で2、3割程度でも負担金が安くなれば、ありがたいですよね。
3つめは、わたしたちの未来のためという点です。
医療費はわたしたちの負担金の他、国や地方の税金や保険料から支払われています。このまま国の医療費が膨らみ続けると、この制度を維持していくことも難しくなると言われています。自分たちの一部負担金だけでなく国の医療費が安くなると思えば、ジェネリック医薬品を選択することは、私たちや子供たちの未来のためにもなると考えられます。
ジェネリック医薬品の理解に、少しでもお役に立てたでしょうか。
すべてのお薬にジェネリック医薬品があるわけではないですし、不安なのに無理に変更する必要はありません。
実は、病院などでは、私たち患者サイドが選択しなくても、既にジェネリック医薬品が使用されている場合が多くあります。「既に使っている」と思うと、不安な気持ちが軽くなってきたのではないでしょうか。
実際に、自分が出されているお薬にはどういう選択肢があるのか、そのジェネリック医薬品はどういうものか、ということを、ぜひかかりつけのお医者さんや薬局で相談してみてください。
この記事のライター
薬剤師、MOT(技術経営修士)
遠藤さちこ
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薬剤師、MOT(技術経営修士)薬局、製薬会社、流通会社等で医薬品やヘルスケアサービスに携わる。コンビニエンスストアと薬局の併設店舗の企画業務等も経験。さまざまな立場で医療や健康を見つめ、幅広い情報収集活動と情報発信を行っている。
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