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普段の暮らしの中で当たり前のように使っている箸には、さまざまなマナーがあります。食事中の印象を悪くしないように、箸の正しい扱い方を把握しておきましょう。今回は、箸の持ち方・取り方・置き方、マナー違反とされる『嫌い箸』について紹介します。
箸の扱い方ひとつで、周囲の人に与える印象は変わります。
箸の持ち方・取り方・置き方のマナーをチェックしてみましょう。
正しい箸の持ち方は、以下の通りです。
1.上の箸は親指の腹・人差し指の腹・中指の第一関節の3本の指で持つ(ペンの持ち方と同じ)
2.下の箸は親指と人差し指の間にのせ、薬指の第一関節で支える
3.食べ物を掴むときは、上の箸を動かして下の箸は固定したままにする
箸先は揃えて、箸の真ん中よりやや上あたりで持ちましょう。
箸置きから箸を取るときは、右手→左手→右手と順に取り上げる『三手(みて)』で行うと美しく見えます。
三手での箸の取り方は以下の通りです。
1.右手で箸の中央あたりを持って取り上げる
2.左手を下から添えて箸を支える
3.右手を箸の下に滑らせて正しい持ち方をする
右手だけで取ったり、左手で取った箸を右手に持ち替えたりすると、雑な印象を与えるので避けましょう。
汁物やご飯をいただくときは、以下のように箸を取ります。
1.椀を両手で包むように取る
2.箸を右手で取り上げ、椀を持った左手の人差し指と中指の間に挟んで支える
3.右手を箸の下に滑らせて正しい持ち方をする
お吸い物や味噌汁を飲むとき、椀の外に出した箸先が一緒に食事をしている人の方に向くと失礼にあたります。
箸先は椀の中に入れて、具を押さえながら飲みましょう。
箸を置くときは、取り上げるときと逆の順で行います。
1.左手を箸の下に添える
2.右手を箸の上に滑らせ左手を離す
3.右手で箸の真ん中あたりを持って箸置きに置く
箸を置くときにガチャガチャと音を立てないように、丁寧な所作を意識しましょう。
マナー違反とされる箸の使い方は『嫌い箸(きらいばし)』と呼ばれ、その数は80種類以上あるといわれています。
ここでは、やってはいけない嫌い箸を25種類紹介します。
周囲の人に不快感を与えないように、チェックしておきましょう。
押し込み箸(おしこみばし):食べ物を箸で口の中に深く押し込むこと
掻き箸(かきばし) :器に口をつけて、箸で食べ物を掻きこむこと
移り箸(うつりばし):一度食べ物を取りかけてから、他の食べ物に箸を移すこと
渡し箸(わたしばし):食事中に、橋を渡すように器の上に箸を置くこと
横箸(よこばし):箸を揃えて持ち、スプーンのように食べ物をすくうこと
受け箸(うけばし):箸を持った状態でおかわりをすること(おかわりするときは一度箸を置くのがマナー)
突き立て箸(つきたてばし):箸をご飯の上に突き立てること
探り箸(さぐりばし) :器の中の食べ物を箸でかき回して探ること
舐り箸(ねぶりばし) :箸を舐めること
叩き箸(たたきばし):箸で器を叩いて音を出すこと
指し箸(さしばし) :箸先で人や物を指し示すこと
揃え箸(そろえばし):箸先がずれたとき、器やテーブルの上に突き立てて揃えること
拾い箸(ひろいばし) :箸と箸で食べ物のやりとりをすること
握り箸(にぎりばし):2本の箸を揃え、握って持つこと
迷い箸(まよいばし):「何を食べようかな」と迷い、料理の上で箸を動かすこと
寄せ箸(よせばし):箸で器を手元に引き寄せること
振り上げ箸(ふりあげばし):箸を持ったまま手を振り上げること
涙箸(なみだばし):箸でつまんだ食べ物の汁を垂らしながら口や器に運ぶこと
ちぎり箸(ちぎりばし):片手に1本ずつ箸を持ち、ナイフとフォークのように使って食べ物をちぎること
撥ね箸(はねばし):食べたくないものを箸でよけること
刺し箸(さしばし):掴みづらい食べ物を箸で刺して食べること
噛み箸(かみばし):箸先を噛むこと
振り箸(ふりばし):箸先についた汁を振り落とすこと
洗い箸(あらいばし):汁物などで箸先を洗うこと
もぎ箸(もぎばし):箸についた米粒などを口でもぎとること
食事をするときは正しく箸を使うだけでなく、周囲の人に不快感を与えない食べ方をすることもマナーです。
ここでは、タブーとされる食事中の行動を紹介します。
食事をするときに猫背や前後姿勢になっていると、見た目が良くありません。
さらに、姿勢が悪いと食べ物が飲み込みにくくなったり、胃が圧迫されて消化が悪くなったりするため、食事中は正しい姿勢を保ちましょう。
【食事中の正しい姿勢のポイント】
・テーブルに対して平行に座る
・椅子に深く腰掛ける
・足を組んだり浮かせたりせず、足裏は床につける
・背筋を伸ばし、軽く前傾姿勢をとる
・顎は突き出さずに、軽く引く
・テーブルとお腹の間は拳ひとつ分あける
同じ料理ばかり食べ続ける一品食いは、『重ね箸』と呼ばれる嫌い箸のひとつです。
他の人が食べにくい・一つずつ料理を片づけていっているように見えるといった理由から、行儀が悪く見えます。
好きなおかずがあると集中して食べてしまう人は、まんべんなく食べるように意識しましょう。
日本では、茶碗や汁椀など片手で持てる大きさの器は手で持って食べるのが基本です。
テーブルに器を置いたまま顔を近づけて食べる行為は『犬食い』と呼ばれ、行儀が悪い食べ方とされています。
片手で持てる器はきちんと手に持って食べるようにして、テーブルに置いた器から食べる場合は顔を近づけすぎないようにしましょう。
食べ物を口に入れるときに、舌を出して受け止めようとする行為は『迎え舌』と呼ばれています。
舌を出す姿は失礼にあたり、行儀が悪いと思われてしまいます。
「下品」「汚い」と悪印象を与えやすいので、迎え舌をする癖がある人は直しましょう。
箸で食べ物を口に運ぶとき、左手を下に添える『手皿』をする人は多くいます。
手を添えた方が上品と考えがちですが、手のひらが汚れると行儀が良くありません。
手皿はマナー違反とされているため、食べ物がこぼれたり汁が垂れたりするのが不安なときは小皿を利用しましょう。
返し箸(かえしばし)は逆さ箸(さかさばし)とも呼ばれ、大皿や鍋から料理を取り分けるときに箸を逆さに持って使うことです。
口をつけた部分が触れないように配慮して返し箸をする人がいますが、手で握っている部分が料理に触れているため、衛生的に良くありません。
取り箸がないときにやってしまいがちなタブー行為なので、きちんと取り箸を用意しておきましょう。
食事中にクチャクチャと音を立てて食べると、周囲の人は不快な気分になり、食欲を失せてしまうことがあります。
口をきちんと閉じないで咀嚼したり、口に食べ物が入っているときに話したりすると音が立ちやすいので注意しましょう。
テーブルの上に肘をついて食事をする行為もマナー違反です。
肘をつくと姿勢が悪くなってだらしなく見えるため、姿勢を正して食べるようにしましょう。
また、食事中に頬杖をつく・腕組みをする・箸を持ったまま身振り手振りをするといった行為も行儀が悪いので避けましょう。
食事中に髪の毛を触ると、髪の毛や髪の毛に付着した汚れが料理に入ってしまう可能性があります。
不衛生な印象を与えてしまうので、食事中は髪の毛を触らないようにしましょう。
また、食事は料理だけでなく、一緒に食事をしている人と楽しく過ごすのも目的のひとつです。
食事中に携帯(スマートフォン)を触られると気になるという人は多く、悪印象を与えやすいので注意が必要です。
大事な用事で触らなければいけないときは、相手に断りを入れましょう。
他にも、食事中に時計をチラチラ見る行為も目につきやすいです。
相手への気遣いとして、食事中は過度に携帯を見たり時間をチェックしたりしないようにしましょう。
日本の食文化で欠かせない箸は使い慣れていることから、持ち方や取り方などを意識しなくなってしまうことがあります。
「自分は大丈夫!」と思っていても、箸の使い方を間違って覚えていたり、知らないうちに『嫌い箸』をしてしまっていたりする場合があるので注意が必要です。
箸は美しい所作で扱い、食事のマナーを守ることで一緒に食事をしている人と気持ちよく食事ができます。
今回紹介した情報を参考にして、正しい箸の使い方を理解してマナーよく食事を楽しみましょう!
・箸の持ち方・取り方・置き方など、箸に関する基本的なマナーを身につけることが大事
・食べ物を箸で口に押し込む『押し込み箸』・箸を舐める『舐り箸』など、マナー違反とされる『嫌い箸』はしないように注意する
・箸の使い方だけでなく、姿勢や食べ方など食事のマナーにも気をつけて、気持ちよく食事をしよう
この記事のライター
michill トレンド
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ファッション、ビューティー、ネイル、ヘアスタイルなど、幅広いカテゴリのトレンドに敏感なアラサー女子です。話題のアイテムの情報や気になる商品のレビューを紹介します。
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