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「信州の贅沢な田舎を体感する温泉宿」をテーマとした、長野県にある星野リゾートの温泉旅館「界 アルプス」に、俳優でフォトグラファーの染谷ノエルが訪問。そこでの体験を2回にわたってレポートします。1回目は歴史ある大自然の恵みの湯を堪能できる大浴場やご当地部屋「信濃もてなしの間」をご紹介。ここでの宿泊体験を通して、忘れてしまっていた大切な何かに気づけるかもしれません。
囲炉裏(いろり)のあたたかなおもてなしに心ほぐれる温泉旅館「界 アルプス」。
北アルプスの麓に門を構え、雪国のアーケード「雁木(がんぎ)」に沿って棟が建ちます。門から向かって右側に大浴場やお食事処が、左側にロビーやトラベルライブラリー、囲炉裏のある土間などがあります。外の景色に注目しながら施設内を移動してみると、信州の大自然が時間と共に変わりゆく美しい姿に感動することでしょう。
施設内にある中庭には小川が流れていたり、アクティビティにおばちゃん講師がいたりなど、まるで故郷に帰ってきたかのような、どこか懐かしくあたたかい気持ちになれる場所です。
界 アルプスの公式サイトをチェック >「界 アルプス」が位置する大町温泉郷。そのお湯は、約400年前に発見された北アルプスの麓に湧く秘湯「葛(くず)温泉」からの引湯です。それが実現したのは昭和38年のことで、大町温泉郷は比較的新しい温泉地となります。
泉質は、弱アルカリ性の単純温泉。癖がなくさっぱりとしているので、何度でも入浴したくなります。
内風呂は、ヒノキの香りが心地よく、広々とした空間。窓から入る光で青く見える湯面に、窓から見えるアルプスの山々が映ることも。
大自然に包まれた露天風呂。目の前には雄大なアルプスの山々が広がります。冬には山々が白く雪化粧した姿が見られたり、雪見風呂を楽しめたり。情緒あふれる日本の冬を堪能できます。
露天風呂を囲んでいる木は、日本固有の落葉樹「カラマツ(落葉松)」。春に芽吹き、夏には美しい緑に、秋には黄金色に染まり、冬は雪化粧と季節により表情を変えます。
夜に美しい星空を見ながらの湯汲みもおすすめ。露天風呂内に設けられた休憩スペースで、適度に休憩しながら入浴すると、のぼせにくくなります。
入浴を楽しんだら、きりえのアートワークと大きな窓のある湯上がり処で一息。フリーで提供されるアイスキャンディーやそば茶、しそりんご酢などをいただきながら、火照った体をクールダウンさせます。
リラックスできる空間で、自然と人が集まる場所です。
温泉に入る前には、湯上がり処で「界 アルプス」の湯守りが、大町温泉郷の歴史や泉質、効果的な入浴法などを説明してくれる「温泉いろは」へ。
湯守りによると、掛け湯を10〜20回して、徐々に体を温泉に慣らしていくのがいいのだそう。温泉の中で軽いストレッチをするのもおすすめなのだとか。入浴後には水分補給をするのをお忘れなく。
信濃大町駅周辺のマップを見ながら、「水」にまつわる話を聞きました。
駅前の本通りを境に、西と東で使っている水が違うとのこと。その昔、道の西側はアルプス上白沢の湧き水を、東側は里山・居谷里という池の湧き水を使って暮らしていると、西の集落では男の子ばかりが、東側の集落では女の子ばかりが生まれるように。
いつしか、白沢の水を「男清水(おとこみず)」、居谷里の水を「女清水(おんなみず)」と呼ぶようになったのだそうです。
今でも、駅前本通りの西側は男清水、東側は女清水の水場が点在していて、蛇口をひねって飲むことが可能。2つの水を飲み比べしながら、水場を巡る街歩きを楽しむことができます。
「界 アルプス」は全室がご当地部屋「信濃もてなしの間」。信州の自然をテーマにしたアートや、伝統工芸・松崎和紙で作られたあたたかみのある灯りなどが飾られた、くつろぎの空間です。
各客室に飾られたきりえのアートワークは、地元きりえ作家・柳沢京子氏の作品。部屋によって異なるデザインの作品になっています。
中庭の奥に位置する離れ。土間にある薪ストーブのおかげで、部屋に足を踏み入れた瞬間に温かく、ホッとします。
薪ストーブの前には椅子とテーブルが用意されているので、薪ストーブを囲みながらお喋りを楽しんだり、ゆったりと炎を眺めたり、思い思いの時間を過ごすことができます。
そしてこの部屋のもう一つの特徴は、2階にも部屋があること。コテージやロッジに来たかのような気分にもなれ、特別感があります。
1階にも2階にも寝室があり、ベッドは全部で4つ。グループやファミリーでの宿泊にも最適です。
きりえのアートワークは、テーブルとソファのある集いの空間にあります。
部屋は広々としていて、大きなテーブルを中心とした空間です。窓の外にはアルプスの山々が見えます。
テレビの上には、山をモチーフにしたカラフルな装飾が。とても可愛らしくて思わずパシャリ。
雷鳥がモチーフのルームキーも可愛いです。
プライベートな空間でも温泉を楽しめる、温泉内風呂付き和室。
部屋についた内風呂は、大きなお釜のような浴槽。丸くて小さな照明が、まるで月のように空間を優しくぼんやりと照らしてくれます。
お湯は、大浴場と同じく弱アルカリ性の単純温泉。湯温は40度に設定されていて、さっぱりとしている泉質とちょうどいい湯加減で、つい長風呂に。
浴室の窓は、少し開けることが可能。のぼせそうになったら窓を開けて、外からの心地よい風を入れましょう。昼間に外からの光が差し込み、湯面に反射する様子も美しいです。
夕食は、半個室の食事処で、雪国らしさを感じられる目にも楽しい会席料理をいただきます。最初に山葵が1本提供され、自分で山葵をすりおろしながらお料理を待ちます。
夢中になっておろしていると、先付け「ローストビーフと信州サーモンの鳴門」の登場です。「信州サーモン」は、長野で約10年かけて開発された、ご当地サーモン。おろしたての山葵を付けていただきます。
牛肉とサーモンという斬新な組み合わせですが、食べてみると意外にも相性バッチリ。食感は柔らかく、山葵が爽やかに香ります。
八寸やお造り、酢の物が豪華に盛られた、宝楽盛り。信州の田舎風景が表現されています。
そしてメインの台の物「雪鍋」。ふわふわの綿あめが印象的な「界 アルプス」の名物料理です。まるでアルプスの雪山のような見た目はインパクト大!
ふんわりと乗った綿あめに、少しずつ割り下をかけ、雪解けのように消えていく様子を楽しみます。溶けることで、割り下に綿あめのまろやかな甘みがプラスされます。
具材に火が通ったら、溶き卵をつけてパクリ。見た目も可愛いのに、味も絶品です。
デザートは「林檎のシャーベット はちみつと山葵の香り」。シャーベットに、はちみつと山葵が入ったヨーグルトソースをかけていただきます。ソースをかけると一気に大人の味に。さっぱりとしたシャーベットで、食事の締めにぴったりな一品です。
今回は、ご当地部屋「信濃もてなしの間」や露天風呂など施設の情報をたっぷりとご紹介しました。
「界 アルプス」で体験できるアクティビティを紹介した記事も、併せてチェックしてみてくださいね。
界 アルプスの予約はこちらから! ><住所>〒398‐0001 長野県大町市平2884-26
<TEL>050-3134-8092(9:30〜18:00)
<駐車場>あり
<車>長野自動車道「安曇野IC」から約60分/北陸自動車道「糸魚川IC」から約90分
<電車>JR東日本「信濃大町駅」から車で約15分
※この記事は2024年2月の取材内容に基づき執筆されています。時期により、イベントや食事などの内容が変更になっている可能性があります。詳細は「界 アルプス」にお問い合わせください。
星野リゾートの温泉旅館「界」をチェック >染谷ノエル(Noel Someya) / 俳優・フォトグラファー
東京都出身。演劇を学ぶため中学卒業後に単身渡英し、ノーサンプトンのBosworth Independent Collegeなどに通う。4年半後に帰国、上智大学にて英文学を専攻。在学中より劇団、東京ジャンクZに所属、舞台俳優のキャリアは15年目を迎える(2023年時点)。写真は留学中、"Photography"の授業がきっかけで本格的に取り組むようになった。旅や日常をドラマチックに切り取る表現を得意とし、雑誌やWEBメディアなどでの作品掲載多数。 撮影、執筆、被写体の三役をこなすキャリアを活かし、取材、連載などでも活躍する。
Twitter: @noel_engeki
Instagram: @noelle.s12
STAFF
Photo&Writing:Noel Someya
Edit:michill編集部
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