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「彩りの渓流で伊達なひととき」をテーマとした、宮城県にある星野リゾートの温泉旅館「界 秋保」に、俳優でフォトグラファーの染谷ノエルが訪問。そこでの体験を2回にわたってレポートします。2回目はご当地楽「伊達な宴」の体験、川のせせらぎや鳥の声が聴こえ、風が気持ちよく通るせせらきラウンジなど「界 秋保」で体験してきたアクティビティや施設の紹介です!仙台市街地から車で30分ほどのエリアで、日常を忘れるひとときが過ごせます。
【ご当地部屋や豪華な夕食を紹介した1回目の記事はこちらから】
翌朝は、せせらきラウンジのテラスにて「渓流釣り体操」を体験。爽やかな風を感じながらゆっくりと身体を目覚めさせる体操です。
まずは界共通の体操からはじまり、「界 秋保」オリジナルの体操に移ります。名取川には大きな石がゴロゴロ転がっているそうで、「このまま出かけると危ないので、準備体操をしていきましょう!」というストーリーです。準備運動のあと、スタッフが「名取川に向かって歩いていきましょう〜」と言うと、実際に名取川に向かうと思った参加者から「どこから行くの?」と質問されることもあるそうです。そんなやりとりにもほっこり。
足を肩幅に広げ、一歩目で吸って二歩目で吐く。八歩まで大きく腕を振り、足は九十度になるように高くあげます。これで名取川に到着です(イメージ)。名取川到着後は渓流釣りの体操。4~6mほどある釣竿を、振りかぶるイメージで、体を動かします。スタッフと参加者の「みなさま、釣れましたか〜?」「まったく釣れませんでした」というやりとりもお茶目で面白かったです。最後は深呼吸で終わります。
今回は体験を予約していた方の他に、その場にいた方達の参加もあり、とてもにぎわっていました。予約必須ではなく参加しやすいのも◎
界 秋保の公式サイトをチェック >その土地の食文化を感じられる、界ブランドの「ご当地朝食」。「界 秋保」のご当地朝食は、宮城県の郷土料理である「芋煮」をはじめ、地元の三角あぶら揚げや豆腐を味わう和食膳です。
「芋の子汁」は伊達政宗公の好物の一つだそう。豚肉、里芋と仙台味噌を使って仕立てられた芋の子汁は、戦の際に政宗公が「いつか平和な世の中が訪れた時には、芋の子汁を飲んでほっこりしたい」と願った平和の象徴ともいわれています。
まんまるの「吟醸豆腐」は、藻塩とオリーブオイルをかけるのがオススメの食べ方。
「三角揚げ」は、フライヤーで揚げる際に三角形にしたほうが数がたくさん作れる、ということから生まれたそう。固形燃料で熱せられた器で出されるので、お好みで両面を焼いていただきます。
お醤油をたらすと、じゅ〜という音が食欲をそそります。香ばしくてとても気に入りました。
デザートは「梅ゼリー」。夕食のデザート同様、こちらも伊達政宗公が梅の木を海外から持ち帰ったという言い伝えから。さっぱりとした味で美味しかったです。
伝統文化、民芸に触れる体験ができる、界ブランドが提供する「ご当地楽」。「界 秋保」には、ご当地楽専用のお部屋があります。紺色の背景に金色の丸が輝く、軍旗のモチーフが目を引くお部屋で、お座敷の上には、ずらりとお酒や徳利が並んでいます。開始を待つ間は、何が始まるんだろう、とドキドキ。なんだか遊園地でアトラクションを待っているような気分になりました。
火、水、木、金、土の色合いが散りばめられた、伊達政宗公の陣羽織を羽織り、ご当地楽のスタートです。伊達流の宴の心得に触れ、乾杯、一本締めなど、当時の宴の追体験を楽しめるアクティビティです。
一、酒は品格と教のある者同士で飲むこと
二、人間性と精神性を高めること
お酒の席での会話から、人との繋がりを作り、新しい知識を得ることで自身の人間性を高めていたという、政宗公の心得をまずは学びます。
ご当地楽は、盃の持ち方や、お酒の注ぎ方、と続き、お客さん同士で注ぎ合いに移ります。
乾杯の発声は、戦いに勝つ、という意味が込められた「戦勝万歳!」。
乾杯奉行の「戦勝!」のあとに、他の人たちが「万歳!」と言い、その発声とともに、お酒を上に持ち上げ、そのまま口へ。
そのあとは、おつまみの紫蘇巻きをいただきながら、宴を楽しみます。
政宗公が三国一の武将になるという願いを込めてしていたという、伊達の一本締めでお開きです。
お酒が苦手な人や控えている人は、中央にある甘酒をいただくこともできます。
仙台ゆかりの演奏家によって、毎日せせらきラウンジで開催される、和洋楽器による生演奏も必聴です。
この日は、お箏の生演奏でした。「あんたがたどこさ」「かごめかごめ」などの童歌のメドレーは、とても素敵なアレンジ。最後に、仙台にゆかりのある楽曲として、教科書にも載っている 「荒城の月」が演奏されました。
エントランスからロビーまでの間には、風鈴が飾られていました。写真は松笠風鈴です。よくよく見ると全て違う形。通年常設とのことなので、いつでも楽しむことができます。
風鈴は元々魔除けの意味もあるもの。厄除け、魔除けをしてもらえるような感覚で風鈴の音色を聞きながら、中へと進んでいきます。
ロビーでまず目に入ってくるのは、美しい緑を映し出す大きく美しい窓。床も緑色で、統一感のある空間になっています。
入ってすぐの窓辺でシルエット写真を撮るのもオススメ。吹き抜けになっていて天井も高いので、ぜひ縦写真で!
レセプションの後ろには、ほんのりと光が漏れ出す白石和紙という伝統工芸品の壁。手で漉いて作られている和紙のため、大量生産はできない、貴重な逸品です。一枚一枚、よく見ると色や質感が異なります。
秋保温泉にある海馬ガラス工房で作られる、仙台だるまやこけしの伝統工芸品をモチーフにして作られたガラス細工も飾られています。つるりとして、淡い緑に色付けされたガラスは涼しげで、とても可愛らしい作品です。
滞在中、一番お気に入りの場所となった「せせらきラウンジ」。トラベルライブラリーからそのままテラスへと繋がっていて、テラスには足湯があります。
「せせらき」は「せせらぎ」の古語で、「その時々」とか「浅瀬に水が流れる音」といった、音に関する意味があるそう。この空間も外の風や鳥の音を楽しんで欲しい、という願いから名づけられています。
真ん中に生けられた大きな植物、その奥に抜ける緑の景色、風がふわりと入り込んでくる空間、大きな窓の使い方、空間としての色の足し引きがとても心地よい場所です。
せせらきラウンジには、仙台駄菓子や上生菓子、宮城県の素材を使ったおかきなどがずらりと並んでいます。可愛すぎる宝石のようなお菓子もあって、これを好きなだけいただけるなんて夢のよう。
お菓子やソフトドリンクのほかに、梅酒や秋保ワイナリーのお酒なども置かれていて、22時まで楽しむことができます。せせらきラウンジのテラスやお部屋に持っていくことも可能。好きな場所でゆっくりいただけるので、とっても幸せです。
せせらきラウンジのテラスには、川の音や鳥の声と景色を楽しみながら浸かれる足湯が。カウンターで眼下に見える名取川を眺めながら、ラウンジのお菓子などをいただくこともできます。
秋になると、この緑が真っ赤に染まるそう。春は桜、冬は雪景色とつんと澄んだ空気、四季それぞれの風景を体感できます
ロビーに隣接したSHOPで、お土産探しを堪能します。
湯呑みやコーヒーカップ、江戸時代に始まった宮城の伝統工芸である「堤焼(つつみやき)」の徳利なども販売されています。お部屋に菓子皿として置かれていた白いお皿もありました。北欧で学んだ宮城県生まれの女性作家さんによる作品だとか。洋食にも和食にもお菓子皿にもぴったりです。
他には宮城らしい、牛タンや仙台麩、お菓子、オリジナルブレンドの麦茶や和紅茶など、配りやすいお土産もありました。
私のオススメの一つめは、和菓子まめいちの「美人さんのおやつ」です。パッケージがとても可愛らしかったことと、お部屋にも置かれていて実際に食べて美味しかったので、お土産に購入しました。
パッケージは天の川のように星が散りばめられていて、少し角度を変えるとキラキラと光ります。そのこだわりに感動!きなこや胡桃を使ったお菓子で、しっとりとした噛み心地と、きなこの風味が最高。腹持ちもよく、温泉に入る前に食べるのがオススメと教えてもらいました。
二つめは、宮城県産の赤紫蘇を使ったさっぱりとしたシロップ。
ビタミン補給にもぴったりです。希釈すればすぐ飲めるシロップで、湯上がり処にも置かれています。酸っぱすぎず、本当にさらっと飲めました。色も透き通っていて綺麗です。
「界 秋保」は、宮城、仙台、伊達政宗などご当地を感じられる点も素敵ですが、それ以上に記憶に残ったのは、空間の使い方。どの客室も窓が切り取る景色が美しく、緑と青という色同士の手の取り合い方が本当に素敵でした。
開放感がすごくて“綺麗だ”と思う自然が目の前に広がり、とても心地がよかったです。
お部屋やテラスの足湯でゆっくり過ごし、食事やアクティビティで、歴史や伊達政宗に気軽に触れられる。古いことから学べることがたくさんあります。仙台駅からも好アクセスで、気軽に行ける距離感なので、1泊で旅に出たいなと思ったら「界 秋保」、オススメです。
界 秋保の予約はこちらから! ><住所>〒982-0241 宮城県仙台市太白区秋保町湯元平倉1番地
<TEL>050-3134-8092(9:30〜18:00)
<駐車場>あり
<車>東北自動車道「仙台南IC」から約25分
<電車・バスorタクシー>JR東日本「仙台駅」から路線バスorタクシーで約30分
※この記事は2024年7月の取材内容に基づき執筆されています。時期により、イベントや食事などの内容が変更になっている可能性があります。詳細は「界 秋保」にお問い合わせください。
星野リゾートの温泉旅館「界」をチェック >染谷ノエル(Noel Someya) / 俳優・フォトグラファー
東京都出身。演劇を学ぶため中学卒業後に単身渡英し、ノーサンプトンのBosworth Independent Collegeなどに通う。4年半後に帰国、上智大学にて英文学を専攻。在学中より劇団、東京ジャンクZに所属、舞台俳優のキャリアは15年目を迎える(2023年時点)。写真は留学中、"Photography"の授業がきっかけで本格的に取り組むようになった。旅や日常をドラマチックに切り取る表現を得意とし、雑誌やWEBメディアなどでの作品掲載多数。 撮影、執筆、被写体の三役をこなすキャリアを活かし、取材、連載などでも活躍する。
Twitter: @noel_engeki
Instagram: @noelle.s12
STAFF
Photo&Writing:Noel Someya
Edit:michill編集部
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