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おいしいもので溢れる秋。夜は長く、ゆったりとお酒を傾けながら過ごす晩酌の時間が何より幸せな季節です。秋といえば何と言っても栗。栗のお菓子も大好きですが、我が家では栗といえば、お酒との方が出番は多いかも。そんなお酒にもよくあう栗をつかった簡単おつまみを器とあわせてご紹介します!
今は主人と二人、広島に暮らしていますが、私の地元は、福岡の端っこの山の中。田舎なもので、毎月両親から段ボール箱いっぱいに育てた花や野菜の便りが届きます。なかでも秋の楽しみといえばコレ。
そうです、栗!
秋になり、こちらのスーパーに栗が並び始めると、買っちゃおうかと手が伸びそうになるのをグッと我慢して、そわそわしながら両親からの連絡を待つ毎日。待った甲斐あって、今年の栗は豊作なようで、立派に丸っと太った栗がたくさん届きました。
栗の季節に、毎年決まって作るのは、栗の渋皮煮と栗の甘露煮。お茶うけや、お菓子やパン作りの材料として使うのはもちろんのこと、我が家ではお酒のアテとしても欠かせない存在です。栗の渋皮煮をかじりつつ、熱燗とかホットウイスキーとか。ベーコンと焼いた甘じょっぱい栗の甘露煮とビールとか。豚のソテーに栗の渋皮煮を添えて、ワインとか。
思い返してみると、我が家で「栗」は、お茶の時間よりお酒の時間に登場することの方が多いかも知れません。ま、お酒、大好きなもので…(笑)。
今回はそんな栗の渋皮煮を使ったおつまみをご紹介します。栗がない方は、市販の栗の渋皮煮でも構いませんし、茹でて皮をむいた栗にメープルシロップを少しかけてもいいかと思います。
そのままかじっても、十分お酒のおつまみになる栗の渋皮煮ですが、たまには気分を変えて。今日はパルミジャーノ・レッジャーノをあわせてみました。レシピとは言っても、かけるだけ。「酒の肴は、手も時間もかけない」が信条なもので、とりあえず、パッと一皿さっと出せる気軽なものにしました。
・栗の渋皮煮(なければ茹でた栗とメープルシロップ)
・パルミジャーノ・レッジャーノ
・胡椒の塩漬(なければ荒く挽いた黒胡椒)
・オリーブオイル
① 栗の渋皮煮は、粗めに切る
② パルミジャーノ・レッジャーノをたっぷり削りかける
③ 胡椒の塩漬を散らす
④ 途中でオリーブオイルを回しかけるとまた違う味わいに
栗の渋皮煮の深みのある甘さが、チーズのコクと旨味、塩味と調和し、引き立てあって時折、胡椒の爽やかな辛味が心地良いリズムを刻みます。口に入れ、そこにお酒があわさると、口の中で味わいは様々に膨らんで…。お酒は赤ワイン、白ワインはもちろん、栗の渋みがハイボールやウイスキー、黒ビールにもよくあいます。
子どもの頃、学校から帰ると長靴を履いて火ばさみを持って、栗拾いに行くのが楽しみでした。獲りたての栗を茹でてもらって、スプーンですくって食べるのが大好きで…。「栗拾い」というアトラクションがなく、茹で上がった栗だけ出されると何だか気の抜けたサイダーを飲んだような何ともつまらない味に感じたものです。
栗のまわりにある景色、栗拾いをした森を思い浮かべて、お皿は木のプレートを選びました。栗は木の実。木の器との相性の良さは言うまでもありません。
辻有希さんの、家をモチーフとしたouchi plateに、栗にふわふわの雪が積もったようにチーズを振りかけて。西本良太さんのフルーツピックで森で栗を拾ったあの日のようにお皿の上の栗をつつきます。
みなさんも秋の夜長、おいしく楽しいお酒の時間が過ごせますように。
この記事のライター
広島の器と道具の店「LOUTO」店主/フリーランスエディター
田中雪絵
6035
地元福岡にて編集部に勤務後、フリーランスのエディターとして活動。2008年に器と道具の店「LOUTO」を主人の実家のある広島に開店。自身が実際に使い、惚れ込んだ器や道具を、使い手の実感を込めて紹介する。また月に一度、企画展や作家の個展も開催。何よりの楽しみは、毎日の料理と晩酌!
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